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 二十世紀せいき終わりお  ごろ、マダガスカルで、やく七〇〇〇万年前のものと思われるカエルの化石かせき発見はっけんされました。その化石かせきは、南米にいるツノガエルによくていて、しかも体長が五〇センチ、体重たいじゅうは四・五キロもあったと思われる大きなものでした。
 現在げんざい生息せいそくしている世界せかい最大さいだいのカエルは、アフリカに棲むす ゴライアスガエルです。「ゴライアス」というのは、旧約きゅうやく聖書せいしょに出てくる巨人きょじん、「ゴリアテ」の英語えいご風の読み方です。ゴライアスガエルは、種類しゅるいによっては、体長が三〇センチメートルくらい、体重たいじゅうは三キログラム近くになります。
 日本の水族館すいぞくかんでは、ゴライアスガエルに、えさとしてハツカネズミを与えあた ていますが、一飲みでの  食べてしまいます。このカエルは、現地げんちでは貴重きちょうなタンパクげんとして食用になっていますが、つかまえるのは大変たいへんそうです。
 さて、新しく見つかった巨大きょだい化石かせきのカエルには、「悪魔あくまのカエル」という意味いみの名前がつけられました。この「悪魔あくまのカエル」は、丈夫じょうぶなあごを持っも ていました。これによくたツノガエルが、大きな口で自分の体の半分ほどもあるネズミを飲み込むの こ こともあることから、このカエルもかなり大きめの生き物い ものをエサとしていたのではないかと考えられています。
 やく七〇〇〇万年前の地球ちきゅうは、白亜紀あきでした。ティラノサウルスやトリケラトプスといった恐竜きょうりゅうたちが、我が物顔わ ものがおに歩き回っていた時代じだいです。小型こがた恐竜きょうりゅうの赤ちゃんなら、このカエルに食べられてしまったかもしれません。
 このカエルが生きていた時代じだい、まだ人類じんるい出現しゅつげんしていませんでしたが、もしもいたとしたら、人がカエルに襲わおそ れる、などということもあったかもしれません。それとも、知恵ちえがあって何でも食用にしてしまう人間のことですから、ぎゃくにおいしく、「悪魔あくまのカエル」をいただいていたのでしょうか。
 言葉ことばの森長文作成さくせい委員いいん会 τ
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