1カブトムシやクワガタの生活する雑木林では、ミヤマカミキリ、ノコギリカミキリなどの大型の種から、サビカミキリの仲間の小さな種まで、さまざまなカミキリムシが生活しています。2細い枯れ枝の一部に小さな孔があいていたり、木のかじりくずがもりあがってでていれば、たいていは、カミキリムシがいるか、でたあとと見てよいでしょう。
このような枯れ木は、樹皮があっても中は完全に食いあらされ、かんたんに折れてしまいます。3カミキリムシの幼虫は、樹の皮の部分だけのこして、中を食べてトンネル状にしてしまいます。その一部に白いイモムシが入っているので、ちょうど、鉄砲の中に弾をこめたように見えるので、鉄砲虫ともよばれます。
4このような食べ方をしますから、ヒトがだいじに育てている樹木についたとなると、やはり害虫にされてしまいます。たとえば、シロスジカミキリの幼虫はイチジクの樹をよく食べます。子どもがイチジクの実をとりに樹に登ると、枝の中が、がらんどうで折れてしまうことがあり、やはり嫌われる資格は、じゅうぶんにあります。
5キボシカミキリ、クワカミキリ、トラフカミキリなどは、クワにつくので養蚕家は嫌います。クロカミキリ、マツノマダラカミキリはマツにつきますから、一時、マツの立ち枯れの原因として大さわぎされました。6このような状態は、森林の害虫とよばれてもしかたのない面もありますが、そうではない見方もできます。
前に枯れ木に多いといいました。枯れた木が、そのまま林の中にごろごろしていると、後から新しい木の芽がでるのをじゃますることになります。7枯れ木はなるべく早く分解して、新しい木を生やしたほうが、森林にとってはぐあいのよいことです。枯れ木を食べる昆虫は、この枯れ木や倒木の分解を早める働きをします。ようするに森林の中のそうじ屋になるのです。
8この点では、けっしてわるい虫ではありません。林の樹木の
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