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 十二月じゅうにがつ三日みっかだい事件じけん起きお ました。ぼくのした前歯まえば抜けぬ たのです。友達ともだちはみんな抜けぬ ていたのに、ぼくだけ、まだ一ぽん抜けぬ ていませんでした。 
 そのは、まえから少しすこ ぐらぐらしていました。抜けるぬ  まえから、走っはし 震動しんどうでぐらぐらしてしまうぐらい揺れゆ ていました。だから、ぼくだけ、あさごはんをおかゆにしてもらいました。おかゆはあまり食べた がしません。ぼくは何杯なんばい食べた ました。
 あさごはんはなんとか食べた られたけれど、心配しんぱいなのは給食きゅうしょくです。その献立こんだてはきびなごフライでした。まるで歯医者はいしゃさんに行っい たときみたいに大きなおお  くちけ、慎重しんちょうくち入れい ました。そんなにをつけて食べた たのに、ぐらぐらのにがつんと当たっあ  てしまいました。とても痛かっいた  たです。ぼくは、おなかがぺこぺこでしたが、それからは、もうになってあまり食べた られませんでした。
 ぼくは、一かい給食きゅうしょく残しのこ たことがありません。それなのに、今日きょう残しのこ たので、友達ともだち心配しんぱいしてくれました。大ちゃんだい   は、 
自然しぜん抜けるぬ  まで待っま ほうがいいよ。」 
言いい ました。てっちゃんは、 
「ぼくは、お兄ちゃんにい   とケンカしてたらうでがぶつかって抜けぬ たよ。」 
言いい ました。そのはなし聞いき ていた女の子おんな こたちも、自分じぶん抜けぬ たときのことを教えおし てくれました。歯医者はいしゃさんで抜いぬ てもらったもいました。ぼくがいちばんうらやましいなと思っおも たのは、あさ起きお たら抜けぬ ていたというはなしです。どうしてかというと、ているあいだだったら痛くいた てもきっと気がつかき   ないなと思うおも からです。
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 給食きゅうしょくのあとの掃除そうじ時間じかんも、帰りかえ かいのときも、ぼくはいつもの元気げんきませんでした。きっと給食きゅうしょく食べた られなかったからだなあと思いおも ました。帰りかえ 大ちゃんだい   が 
今日きょう遊べるあそ  ?」 
こえをかけてきたけど、断っことわ てとぼとぼといえ帰りかえ ました。 
 いえ着くつ お母さん かあ  が、 
「うわー、これぬいてあげようか。」 
と、ぼくのゆびでぐらぐら揺らしゆ  ました。ぼくは、思わずおも  逃げに たくなりました。
 ばんご飯 はんも、痛くいた 食べた られませんでした。思い切っおも き 抜いぬ てしまおうとも思っおも たけれど、結局けっきょくそのままにしてお布団ふとん入りはい ました。明日あしたあさ起きお たら抜けぬ ていたらいいなあと考えかんが ながらました。 
 つぎあさ覚めるさ  と、なんと、まくらのとなりに落ちお ていました。
「やったあ、抜けぬ たよう!」 
ぼくはお母さん かあ  のところへ走りはし ました。思っおも たとおり、ているときに抜けぬ たので嬉しくうれ  てたまりません。痛くいた なかったので本当にほんとう よかったです。

言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)
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