a 長文 12.3週 u
 おとうさんがいいました。
「きょうのあさごはんはベランダでたべよう。」
 ミナちゃんもおかあさんも、だいさんせいしました。
 おとうさんはだいどころで、にがうりりょうりをつくりました。にがうりをちいさくきざんで、ぶたにくととうふといっしょにいためました。

 おかあさんは、あさがおのはなをそっとさわってみました。
 ミナちゃんは、はながさいているうちに、えにっきにかきました。
「うん、うまいうまい。」
 たねをまくときから、おとうさんはあさがおのはなをみながら、じぶんでつくったにがうりのりょうりをたべたかったのです。
 ミナちゃんがいいました。
「おとうさん、うれしいでしょう。」
 おとうさんは、へんじのかわりに、もういちど、
「うまいうまい。」
といいました。

「それにしてもはやいものだ。」
 あさごはんがおわってから、おとうさんがいいました。
「たねをまいてめがでて、はがでてはながさいてみがなった。そのあいだにミナちゃんもすこし大きくおお  なったね。」
「おとうさんもね。」
 ミナちゃんがいいました。

 するとおとうさんは、
「いやちがう。おとうさんはそのあいだに、すこしとしよりになったのさ。」
といって、たのしそうに、
「ワッハッハハ。」
とわらいました。
 ベランダにすずしいかぜが、さっとふきました。
「もう、なつもおしまいだね。」
 おとうさんがいいました。
 
おおきいたねと小さなちい  たね」東君平ひがしくんぺい
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