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 生きい ているものには、すべて寿命じゅみょうがあります。しかし、生物せいぶつからだ作っつく ている細胞さいぼうのレベルで考えるかんが  と、実はじつ 寿命じゅみょうがないのです。 
 例えばたと  、アメーバは、自分じぶんからだ分裂ぶんれつさせながら増えふ ていきます。栄養えいようがいいと、自分じぶんからだ一部いちぶ分裂ぶんれつさせて、自分じぶん増やしふ  ていきます。
 このアメーバのような増えふ かたをしている生物せいぶつは、たまたま一つの個体こたい死んし でも自分じぶん分身ぶんしん生きい ていますから、死んし だことにはなりません。
 実はじつ 人間にんげんにも、同じおな ようなことが言えい ます。人間にんげんはアメーバのように分裂ぶんれつして増えるふ  わけではありませんが、自分じぶん細胞さいぼう一部いちぶ子供こども伝えつた 生きい ています。だから、子供こどもは、お父さん とう  お母さん かあ  ているのです。 
 このように細胞さいぼう無限むげん生きい 続けつづ ていきますが、人間にんげん個体こたいには寿命じゅみょうがあります。どうして、このような寿命じゅみょうがあるのかはわかりませんが、この理由りゆうつぎのように考えるかんが  ことができるかもしれません。
 例えばたと  、もし何百なんびゃく年間ねんかん壊れこわ ない自動車じどうしゃがあったらどうでしょう。古くふる なって、いろいろ改良かいりょうしたいところがてきても、いつまでもその古いふる くるま乗りの 続けつづ なければなりません。もの壊れるこわ  から、また新しいあたら  ものを作るつく ことができるのです。 
 プラスチックは、人間にんげん人工じんこうてき作っつく たものです。そのプラスチックの特徴とくちょうは、腐りくさ にくいことでしたが、その腐りくさ にくさのためにいつまでも自然しぜんなか残りのこ 環境かんきょう汚染おせんするようになりました。壊れこわ ないものばかりで世の中よ なかができていると、新しいあたら  ものが登場とうじょうできなくなるのです。 
 生物せいぶつています。寿命じゅみょうがあるから、新しいあたら  生物せいぶつ生まれう  、その新しいあたら  生物せいぶつ古いふる 生物せいぶつのできなかったことをできるようにしていくのです。
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 アメーバと同じおな ような生き物い ものにゾウリムシがいます。このゾウリムシは、栄養えいよう状態じょうたいのよいときに自分じぶん分裂ぶんれつさせて増えふ ていきます。しかし、七ひゃくかいぐらい分裂ぶんれつ繰り返すく かえ と、それ以上いじょう分裂ぶんれつはできなくなり、突然とつぜんすべてのゾウリムシが死んし でしまいます。そうならないように、ゾウリムシはときどきべつのゾウリムシと結婚けっこんして、いままでの自分じぶんとは違うちが 新しいあたら  子孫しそん作りつく ます。と言っい てももちろん、ゾウリムシがゲタムシやサンダルムシになるのではありません。ゾウリムシのまま新しいあたら  性質せいしつ入れるい  のです。
 寿命じゅみょうがあるということは、新しいあたら  ものを生み出すう だ 条件じょうけんだと言えるい  のかもしれません。

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(Σ)
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