長文集  5月1週  ○にわとりや犬は、けんかをするとき(感)  00a-05-1
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2017/03/14 09:44:53
【長文が二つある場合、音読の
練習はどちらか一つで可。】
 【1】フクロウは夜行性の鳥
で、暗いところで活動するため
、体にさまざまな工夫をしてい
ます。フクロウのなかまは、顔
が平たく頭が大きいという特徴
があり、人間と同じように、両
目が顔の前の方についていて、
両目で見える範囲が広くなって
います。【2】このおかげで、
暗やみの中でも獲物をよく見る
ことができま す。また、首が
よく動くようになっているの 
で、四方八方を見わたせます。
体はそのまま で、首をぐるり
と回し、真後ろに顔を持ってく
ることができるほどです。
 【3】フクロウの能力のすば
らしさは、目だけではありませ
ん。暗やみで狩りをするとき 
は、音で獲物の場所を判断する
ことの方が多いので、耳もすぐ
れています。【4】人間も、左
右の耳に聞こえるわずかな違い
から、音の出ている場所をある
程度知ることができますが、上
下の位置のちがいを知るのは、
たいへん難しいことです。【5
】ふだん木の枝にとまっている
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フクロウは、地面を歩いている
ネズミのような獲物をつかまえ
るために、上下の方向まで判断
しなくてはなりません。【6】
フクロウの右耳は、左耳よりも
高いところについており、二つ
の耳の位置が上下にずれている
ので、獲物がどのくらい下を歩
いているのかがわかるのです。
 【7】せっかく獲物の場所が
わかっても、近づくときにバサ
バサッと羽ばたきの音がする 
と、獲物に逃げられてしまいま
す。けれども、フクロウは、そ
んなヘマはしません。【8】羽
の先端は、細かく櫛のようにわ
かれていて、羽ばたきの音がし
ないようになっています。さら
に、羽の表面には、たいへん細
かい毛が生えていて、ビロード
のようになめらかです。そのお
かげで、こっそりと獲物にさと
られずに近づくことができます
。∵
 【9】新幹線の新しい車体に
は、騒音をおさえる工夫がされ
ています。パンタグラフに小さ
なギザギザのものがついている
のですが、これは、音を立てな
いで羽ばたくことのできるフク
ロウの翼をまねて作ったもので
す。【0】フクロウはこれを見
て、「ふう、クロウして考えた
のに……。」と言っているかも
しれません。
 言葉の森長文(ちょうぶん)
作成委員会( κ)∵
にわとりや犬は、けんかをする
とき

 【1】わたしたちだって、け
んかをするときには、目を光ら
せ、こわいかおをするでしょ 
う。そして、こしをひき、足を
ふんばって、みがまえるではあ
りませんか。
 【2】それは、とびかかって
いくための、みがまえというだ
けでなく、あいてをおどして、
こわがらせるためでもあります
ね。
 【3】けものたちも、うなり
声(ごえ)をたてたり、はをむ
きだしたりして、あいてをおど
します。
 【4】犬もにわとりも、せな
かを高くし、しっぽをぴんとあ
げたり、くびの毛をさかだてた
りします。
 【5】にわとりは、つばさを
ひくくひろげ て、じぶんを大
きくみせ、まず、あいてをおど
かすのです。
 【6】そのうえ、こうしたみ
がまえをしますと、とびかかり
やすく、また、さっとからだを
うごかすのにも、つごうがよい
のです。
 【7】からだを大きくみせ、
おそろしいようすをしてあいて
をおどかすのは、ねこやにわと
りばかりではありません。
 【8】おすライオンのたてが
みも、そうですし、ふぐが、か
らだをぷうっとふくらませるの
も、そのためです。
 【9】ねこのけんかをみても
、よくわかります。
 また、ゴリラが、おこって、
おなかをぽんぽんたたくのも、
あいてをおどして、こわがらせ
るためです。【0】

「理科なぜ? なぜかな」(宮
下正美(みやしたまさみ)著 
偕成社)より