1.【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
2. 【1】フクロウは
夜行性の
鳥で、
暗いところで
活動するため、
体にさまざまな
工夫をしています。フクロウのなかまは、
顔が
平たく頭が
大きいという
特徴があり、
人間と
同じように、
両目が
顔の
前の
方についていて、
両目で
見える範囲が
広くなっています。【2】このおかげで、
暗やみの
中でも
獲物をよく
見ることができます。また、
首がよく
動くようになっているので、
四方八方を
見わたせます。
体はそのままで、
首をぐるりと
回し、
真後ろに
顔を
持ってくることができるほどです。
3. 【3】フクロウの
能力のすばらしさは、
目だけではありません。
暗やみで
狩りをするときは、
音で
獲物の
場所を
判断することの
方が
多いので、
耳もすぐれています。【4】
人間も、
左右の
耳に
聞こえるわずかな
違いから、
音の
出ている
場所を
ある程度知ることができますが、
上下の
位置のちがいを
知るのは、たいへん
難しいことです。【5】ふだん
木の
枝にとまっているフクロウは、
地面を
歩いているネズミのような
獲物をつかまえるために、
上下の
方向まで
判断しなくてはなりません。【6】フクロウの
右耳は、
左耳よりも
高いところについており、
二つの
耳の
位置が
上下にずれているので、
獲物がどのくらい
下を
歩いているのかがわかるのです。
4. 【7】せっかく
獲物の
場所がわかっても、
近づくときに
バサバサッと
羽ばたきの
音がすると、
獲物に
逃げられてしまいます。けれども、フクロウは、そんな
ヘマはしません。【8】
羽の
先端は、
細かく櫛のようにわかれていて、
羽ばたきの
音がしないようになっています。さらに、
羽の
表面には、たいへん
細かい毛が
生えていて、ビロードのようになめらかです。そのおかげで、こっそりと
獲物にさとられずに
近づくことができます。∵
5. 【9】
新幹線の
新しい車体には、
騒音をおさえる
工夫がされています。パンタグラフに
小さなギザギザのものがついているのですが、これは、
音を
立てないで
羽ばたくことのできるフクロウの
翼をまねて
作ったものです。【0】フクロウはこれを
見て、「ふう、クロウして
考えたのに……。」と
言っているかもしれません。
6.
言葉の
森長文作成委員会(
κ)∵にわとりや
犬は、けんかをするとき
7. 【1】わたしたちだって、けんかをするときには、
目を
光らせ、こわいかおをするでしょう。そして、こしをひき、
足をふんばって、みがまえるではありませんか。
8. 【2】それは、とびかかっていくための、みがまえというだけでなく、あいてをおどして、こわがらせるためでもありますね。
9. 【3】けものたちも、うなり
声をたてたり、はをむきだしたりして、あいてをおどします。
10. 【4】
犬もにわとりも、せなかを
高くし、しっぽをぴんとあげたり、くびの
毛をさかだてたりします。
11. 【5】にわとりは、つばさをひくくひろげて、じぶんを
大きくみせ、まず、あいてをおどかすのです。
12. 【6】そのうえ、こうしたみがまえをしますと、とびかかりやすく、また、さっとからだをうごかすのにも、つごうがよいのです。
13. 【7】からだを
大きくみせ、おそろしいようすをしてあいてをおどかすのは、ねこやにわとりばかりではありません。
14. 【8】おすライオンのたてがみも、そうですし、ふぐが、からだをぷうっとふくらませるのも、そのためです。
15. 【9】ねこのけんかをみても、よくわかります。
16. また、ゴリラが、おこって、おなかをぽんぽんたたくのも、あいてをおどして、こわがらせるためです。【0】
17.「
理科なぜ? なぜかな」(
宮下正美著 偕成社)より