長文 5.1週
1.【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
2. 【1】フクロウは夜行やこうせいとりで、暗いくら ところで活動かつどうするため、からだにさまざまな工夫くふうをしています。フクロウのなかまは、かお平たくひら  あたま大きいおお  という特徴とくちょうがあり、人間にんげん同じおな ように、両目りょうめかおまえほうについていて、両目りょうめ見えるみ  範囲はんい広くひろ なっています。【2】このおかげで、暗やみくら  なかでも獲物えものをよく見るみ ことができます。また、くびがよく動くうご ようになっているので、四方八方しほうはっぽうわたせます。からだはそのままで、くびをぐるりと回しまわ 真後ろまうし かお持っも てくることができるほどです。
3. 【3】フクロウの能力のうりょくのすばらしさは、だけではありません。暗やみくら  狩りか をするときは、おと獲物えもの場所ばしょ判断はんだんすることのほう多いおお ので、みみもすぐれています。【4】人間にんげんも、左右さゆうみみ聞こえるき   わずかな違いちが から、おとている場所ばしょある程度  ていど知るし ことができますが、上下じょうげ位置いちのちがいを知るし のは、たいへん難しいむずか  ことです。【5】ふだんえだにとまっているフクロウは、地面じめん歩いある ているネズミのような獲物えものをつかまえるために、上下じょうげ方向ほうこうまで判断はんだんしなくてはなりません。【6】フクロウのみぎみみは、ひだりみみよりも高いたか ところについており、二つふた みみ位置いち上下じょうげにずれているので、獲物えものがどのくらいした歩いある ているのかがわかるのです。
4. 【7】せっかく獲物えもの場所ばしょがわかっても、近づくちか  ときにバサバサッ羽ばたきは   おとがすると、獲物えもの逃げに られてしまいます。けれども、フクロウは、そんなヘマはしません。【8】はね先端せんたんは、細かくこま  くしのようにわかれていて、羽ばたきは   おとがしないようになっています。さらに、はね表面ひょうめんには、たいへん細かいこま  生えは ていて、ビロードのようになめらかです。そのおかげで、こっそりと獲物えものにさとられずに近づくちか  ことができます。∵
5. 【9】新幹線しんかんせん新しいあたら  車体しゃたいには、騒音そうおんをおさえる工夫くふうがされています。パンタグラフに小さなちい  ギザギザのものがついているのですが、これは、おと立てた ないで羽ばたくは   ことのできるフクロウのつばさをまねて作っつく たものです。【0】フクロウはこれをて、「ふう、クロウして考えかんが たのに……。」と言っい ているかもしれません。
6. 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ)∵にわとりやいぬは、けんかをするとき

7. 【1】わたしたちだって、けんかをするときには、光らせひか  、こわいかおをするでしょう。そして、こしをひき、あしをふんばって、みがまえるではありませんか。
8. 【2】それは、とびかかっていくための、みがまえというだけでなく、あいてをおどして、こわがらせるためでもありますね。
9. 【3】けものたちも、うなりごえをたてたり、はをむきだしたりして、あいてをおどします。
10. 【4】いぬもにわとりも、せなかを高くたか し、しっぽをぴんとあげたり、くびのをさかだてたりします。
11. 【5】にわとりは、つばさをひくくひろげて、じぶんを大きくおお  みせ、まず、あいてをおどかすのです。
12. 【6】そのうえ、こうしたみがまえをしますと、とびかかりやすく、また、さっとからだをうごかすのにも、つごうがよいのです。
13. 【7】からだを大きくおお  みせ、おそろしいようすをしてあいてをおどかすのは、ねこやにわとりばかりではありません。
14. 【8】おすライオンのたてがみも、そうですし、ふぐが、からだをぷうっとふくらませるのも、そのためです。
15. 【9】ねこのけんかをみても、よくわかります。
16. また、ゴリラが、おこって、おなかをぽんぽんたたくのも、あいてをおどして、こわがらせるためです。【0】

17.「理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より