a 長文 4.1週 00a
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 むかし人々ひとびとは、明るいあか  ほし結んむす 星座せいざ思い描きおも えが ました。星座せいざ作っつく たのは、シュメールじんというせつもありますが、一般いっぱんてきには、やくせんねんまえバビロニアひつじ飼いか たちによって、作らつく れたのが最初さいしょ言わい れています。初めはじ のころは、十二星座せいざでしたが、その後  ご、四十八星座せいざ増えふ ました。 
 十七世紀せいきに、オランダで望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいされ、暗いくら ほし観測かんそくできるようになると、四十八星座せいざのすきまにも新しいあたら  星座せいざ作らつく れるようになりました。そのころ、ほし見つけるみ   たびに、こんな会話かいわ交わさか  れたかもしれません。「新しいあたら  ほし見つけみ  たぞ。」「だめ。それは、おらンダ。」 
 それまでは、星座せいざというと、北半球きたはんきゅうのものに限らかぎ れていました。しかし、いままで知らし れていなかった南半球みなみはんきゅう星座せいざ紹介しょうかいされるようになると、しん星座せいざ作りづく のブームが起こりお  ました。なぜ星座せいざがたくさん作らつく れたのかというと、二十世紀せいき初めはじ までは、星座せいざ作るつく ことに決まりき  がなく、だれでも簡単かんたん作るつく ことができたからです。一時いちじひゃく二十もの星座せいざ作らつく れたことがあり、あまりのおおさに混乱こんらん起きるお  ようになってしまいました。そこで、二十世紀せいきになってから、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうによって、八十八の星座せいざ統一とういつされ、星座せいざ境界きょうかい定めさだ られることになりました。現在げんざいわたしたちが親しんした  でいる星座せいざは、このときに定めさだ られたものです。 
 星座せいざは、神話しんわとともに紹介しょうかいされることが多いおお ため、西洋せいようのものと思わおも れがちですが、古代こだいのインドや中国ちゅうごくにも独自どくじのものがあります。中国ちゅうごく星座せいざは、七、八世紀せいきごろ、日本にっぽんにも伝えつた られたようで、日本にっぽんでは、明治めいじ時代じだい西洋せいよう天文学てんもんがく導入どうにゅうされるまで、ずっと中国ちゅうごく星座せいざ使わつか れてきました。
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 また、むかしから星座せいざは、時刻じこくをはかり、季節きせつ移り変わりうつ か  知りし 農耕のうこう時期じき伝えるつた  役割やくわり果たしは  てきました。うみ囲まかこ れた土地とち住むす 人々ひとびとは、広いひろ うみ航海こうかいするときに、ほし観測かんそくして位置いち方角ほうがく確かめるたし   のにも使っつか ていました。ですから、星座せいざ名前なまえも、その土地とち独自どくじ呼び名よ な数多くかずおお ありました。 
 四季しきを通じて つう  明るくあか  見えるみ  オリオンは、世界せかい各地かくちでさまざまな名前なまえがつけられています。日本にっぽんでは、そのかたちからつづみほし呼ばよ れていました。また、オリオン左上ひだりうえにある赤いあか ほし平家ひらかほし右下みぎしたにある白いしろ ほし源氏げんじほしとも呼ばよ れていました。これは平家へいけはたいろあか源氏げんじはたいろしろだったからです。 
 さまざまな想像そうぞうをふくらませてくれる星座せいざを、たまには正座せいざしてしみじみ眺めなが てみるのもいいかもしれません。 
 あれは大きいおお  からお父さん とう  ほし。あっちはきれいだからお母さん かあ  ほし。これはしょっぱいから梅干しうめぼ 。ここにある長いなが のは物干しものほ あたまにかぶっているのはただの帽子ぼうし。 

 言葉ことば森長もりながぶん作成さくせい委員いいんかいπぱい
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長文 4.1週 00aのつづき
菜の花な はなや つきひがしに 西にしに」
 蕪村ぶそん俳句はいく詠わうた れている菜の花な はなは、はる告げるつ  はなとして、わたしたちの楽しまたの  せてくれます。しかし、菜の花な はな観賞かんしょうようとして楽しむたの  だけのはなではありません。野菜やさい同じおな ように食べるた  こともできるはななのです。 
 菜の花な はなは、はなだけでなくくきも、ゆでたり炒めいた たりして、おいしく食べるた  ことができます。しかも、菜の花な はなには、ビタミンや鉄分てつぶんなどの栄養素えいようそ豊富ほうふ含まふく れています。 
 菜の花な はな調理ちょうりするときは、はな開きひら きっていないつぼみを選ぶえら ようにします。はな開くひら とエグ出るで ためです。また、通りとお がよいので、菜の花な はなほろ苦  にがさやざわりを生かすい  ように、しお少しすこ 加えくわ 熱湯ねっとうでさっとゆであげます。 
 菜の花な はなは、アブラナ植物しょくぶつで、たねからあぶら採ると こともできます。この菜種油なたねあぶらは、ドレッシングや天ぷらてん  あぶらとして利用りようされていますが、江戸えど時代じだいには行灯あんどん燃料ねんりょうとしても使わつか れていました。
 むかし二宮にのみや金次郎きんじろう子供こどものころ、よる遅くおそ まで行灯あんどんをつけてほん読んよ でいるので、おみせ主人しゅじんから、あぶらがもったいないと言わい れたことがあります。金次郎きんじろうは、川岸かわぎし空き地あ ちに、友達ともだちから借りか た一握りにぎ 菜種なたね植えう 、一ねんふくろ一杯いっぱい菜種なたね収穫しゅうかくしました。金次郎きんじろうは、この経験けいけんから、「しょう積んつ だい為すな 」という考え方かんが かた学びまな ました。金次郎きんじろう行灯あんどんをつけて、天丼てんどん食べた ていたら、このような考え方かんが かた学ぶまな ことはなかったでしょう。
 このように、いろいろなめんわたしたちの役に立つやく た 菜の花な はなは、まさに魔法まほう植物しょくぶつ言えい るでしょう。菜の花な はなていると、思わずおも  呪文じゅもん唱えとな たくなります。アブラナ カタブラ。
 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(Λ)
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a 長文 4.2週 00a
ありじごくにおちたありは

 えんのしたや、やつでののかげの、かわいたつちやすなのところに、じょうごがたの小さなちい  あなをみつけたことがありませんか。
 そして、そこにおちこんだありが、はいあがろうとして、もがいていることがあるでしょう。
 ありは、とちゅうまでのぼってくると、すなといっしょにころがりおち、のぼることができません。そのうちに、あなのそこから、すなとおなじいろむしがでてきて、ありをつかまえてしまいます。
 このあなのむしが、ありじごくですね。
 ありじごくのあなのそこにゆびを入れい て、そのすなをすくってごらんなさい。きっと、ありじごくをつかまえることができるでしょう。あずきつぶほどの大きおお さで、はいいろをした、くものようなかたちのむしです。このむしは、とんぼににている、うすばかげろうというむしのこどもなのです。このむしは、ありをたべて、大きくおお  なります。
 さて、ありじごくは、すなのうえで、からだをまわしながら、あなをほっていきます。まわりのかべは、ありがすべりおちるように、こまかなすなでつくり、あなのそこに、からだをかくしています。
 うっかり、ありじごくにおちこんだありは、のぼろうとしても、すながくずれてしまうので、どうしてもはいあがることができません。なんどか、のぼってはころげおち、のぼってはころげおちているうちに、つかれて、しまいには、そこでまちかまえているありじごくに、たべられてしまうのです。

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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a 長文 4.3週 00a
ねこのしたは、どうしてざらざら

 どうぶつえんのおじさんに、きいてみますと、したがざらざらしているのは、ねこばかりではないそうです。とらでも、ライオンでも、ひょうでも、くまでも、もうじゅうのしたは、たいがいざらざらしているそうです。
 よくしらべてみますと、ねこのしたには、たくさんのとげがついています。
 ねこは、とらや、ひょうのなかまで、まえは、やまなかで、けものやとりをつかまえて、そのにくをたべて、くらしていたもうじゅうでした。
 もうじゅうたちが、にくのついているほねをしゃぶるときには、このざらざらしたしたが、とてもやくにたちます。なめらかなしたでは、にくをけずりとってたべたりすることが、むずかしいからです。
 かなあみについている、さかなのにくののこりなどを、ねこは、じつにきれいにとってなめてしまいます。
 いまでも、外国がいこくやまにすんでいるやまねこは、よわいけものや、とりをつかまえて、たべているもうじゅうです。
 ねこは、にんげんにかわれるようになって、いまのように、おとなしくなったのですが、したは、もうじゅうのすがたを、のこしているわけです。
 ですから、くさのはっぱを、たべているうしうまやきりんやしたのしたは、なめらかで、ざらざらしているところが、あまりありません。
 にんげんのしたも、いくらかはざらざらしていますが、これは、おもに、あじをしったり、たべものをこねまわすためなのです。

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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a 長文 4.4週 00a
 健康けんこうてきで、お金 かねもかからない手軽てがるなダイエットほう、それは、ものをよく噛んか 食べるた  ことです。よく噛んか 食べるた  食事しょくじ時間じかんがかるので、自然しぜん大食おおぐいをしなくなります。また、ゆっくり噛んか でいるうちに満腹まんぷくかんられ、必要ひつよう以上いじょう食べた たいと思わおも なくなります。 
 同じおな カロリーのものでも、よく噛んか 食べるた  と、いろいろな感覚かんかく刺激しげきされ、自律じりつ神経しんけいがよく働きはたら 食べた たエネルギーがどんどん使わつか れます。一方いっぽう噛まか ずに直接ちょくせつ送り込むおく こ と、食べ物た ものは、からだ脂肪しぼうとなりたまってしまいます。 
 徳川とくがわ家康いえやすは、健康けんこうほうとして「一口ひとくち、四十八かい噛むか 」ということを守っまも ていました。なにかを食べるた  とき、四十八文字もじの「いろは」にあてはめて噛むか のです。「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす ん。ごっくん」というわけです。
 むかしは、主食しゅしょくいまのようなふっくらとした白いしろ こめではなく、玄米げんまいあわなど、噛みか ごたえのあるものでした。早くはや 食べた たくても、十分じゅうぶん噛まか なければ飲み込めの こ ないようなものだったのです。
 よく噛んか 食べるた  と、よいことはほかにもたくさんあります。あごが発達はったつ健康けんこう役立つやくだ 唾液だえきがたくさん分泌ぶんぴつされ免疫めんえきりょく高まるたか  、さらには、のうなか血液けつえきりょう増えふ あたまのはたらきがよくなる、などです。 
 ツルはせんねん、カメはまんねん生きるい  言わい れますが、ツルッと食べた ずにカメば噛むか ほど長生きながい できるというわけです。

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(α)
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a 長文 5.1週 00a
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 フクロウは夜行やこうせいとりで、暗いくら ところで活動かつどうするため、からだにさまざまな工夫くふうをしています。フクロウのなかまは、かお平たくひら  あたま大きいおお  という特徴とくちょうがあり、人間にんげん同じおな ように、両目りょうめかおまえほうについていて、両目りょうめ見えるみ  範囲はんい広くひろ なっています。このおかげで、暗やみくら  なかでも獲物えものをよく見るみ ことができます。また、くびがよく動くうご ようになっているので、四方八方しほうはっぽうわたせます。からだはそのままで、くびをぐるりと回しまわ 真後ろまうし かお持っも てくることができるほどです。
 フクロウの能力のうりょくのすばらしさは、だけではありません。暗やみくら  狩りか をするときは、おと獲物えもの場所ばしょ判断はんだんすることのほう多いおお ので、みみもすぐれています。人間にんげんも、左右さゆうみみ聞こえるき   わずかな違いちが から、おとている場所ばしょある程度  ていど知るし ことができますが、上下じょうげ位置いちのちがいを知るし のは、たいへん難しいむずか  ことです。ふだんえだにとまっているフクロウは、地面じめん歩いある ているネズミのような獲物えものをつかまえるために、上下じょうげ方向ほうこうまで判断はんだんしなくてはなりません。フクロウのみぎみみは、ひだりみみよりも高いたか ところについており、二つふた みみ位置いち上下じょうげにずれているので、獲物えものがどのくらいした歩いある ているのかがわかるのです。
 せっかく獲物えもの場所ばしょがわかっても、近づくちか  ときにバサバサッ羽ばたきは   おとがすると、獲物えもの逃げに られてしまいます。けれども、フクロウは、そんなヘマはしません。はね先端せんたんは、細かくこま  くしのようにわかれていて、羽ばたきは   おとがしないようになっています。さらに、はね表面ひょうめんには、たいへん細かいこま  生えは ていて、ビロードのようになめらかです。そのおかげで、こっそりと獲物えものにさとられずに近づくちか  ことができます。
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 新幹線しんかんせん新しいあたら  車体しゃたいには、騒音そうおんをおさえる工夫くふうがされています。パンタグラフに小さなちい  ギザギザのものがついているのですが、これは、おと立てた ないで羽ばたくは   ことのできるフクロウのつばさをまねて作っつく たものです。フクロウはこれをて、「ふう、クロウして考えかんが たのに……。」と言っい ているかもしれません。
 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ
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長文 5.1週 00aのつづき
にわとりやいぬは、けんかをするとき

 わたしたちだって、けんかをするときには、光らせひか  、こわいかおをするでしょう。そして、こしをひき、あしをふんばって、みがまえるではありませんか。
 それは、とびかかっていくための、みがまえというだけでなく、あいてをおどして、こわがらせるためでもありますね。
 けものたちも、うなりごえをたてたり、はをむきだしたりして、あいてをおどします。
 いぬもにわとりも、せなかを高くたか し、しっぽをぴんとあげたり、くびのをさかだてたりします。
 にわとりは、つばさをひくくひろげて、じぶんを大きくおお  みせ、まず、あいてをおどかすのです。
 そのうえ、こうしたみがまえをしますと、とびかかりやすく、また、さっとからだをうごかすのにも、つごうがよいのです。
 からだを大きくおお  みせ、おそろしいようすをしてあいてをおどかすのは、ねこやにわとりばかりではありません。
 おすライオンのたてがみも、そうですし、ふぐが、からだをぷうっとふくらませるのも、そのためです。
 ねこのけんかをみても、よくわかります。
 また、ゴリラが、おこって、おなかをぽんぽんたたくのも、あいてをおどして、こわがらせるためです。

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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a 長文 5.2週 00a
くまは、ふゆになると

 ふゆになると、やまにはゆきがふりつもって、くまのたべものが、ほとんどみつからなくなります。いくらさがしまわっても、なんにも、たべるものがありません。
 それで、くまは、野山のやまにどっさりたべもののあるあきのあいだに、もりもりとたべて、からだをふとらせます。つまり、くいだめをしておくのです。
 さむいふゆになって、ゆきがふりはじめるまえに、くまはあなのなかにはいり、はるがやってくるまで、ねむりつづけます。
 これをくまの冬眠とうみんといいます。
 でも、ほんとうは、ぐっすりとねむっているのではなく、からだをうごかさないで、うつらうつらしているのです。
 ですから、ふゆのあいだ、くまは、なんにもたべません。
 あきのあいだに、くいだめしたたべものは、あぶらにして、からだにためこんであります。それが、すこしずつとけて、からだにひつようなようぶんとなって、生きい つづけているのです。
 ですから、春めいはる  てきて、ゆきがとけはじめると、くまはをさまして、あなからでてきますが、すっかりやせ、おなかをすかしています。
 さっそく、たべものをさがしますが、まだそのころは、そうやすやすと、たべものはみつかりません。
 それで、たまに雪の下ゆき したをかぎわけて、ふきのねなどをほってたべますが、なにしろ、おなかがすききっていますから、があらくて、はるのはじめごろのくまは、りょうしなどから、いちばんこわがられています。
 ひといえのあるところまでやってきて、はたけのさくもつをあらしたり、かちくをとったりするのも、このころです。
 めすぐまは、冬眠とうみんしているあいだにこどもをうみます。そして、おっぱいをのませます。それで、よけいにやせてほそくなり、あなからでてくるときには、おなかが、すききっているのです。
 冬眠とうみんするどうぶつには、くまのほかに、ねずみのなかまのやまね
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こや、こうもりがいます。
 また、へびやかえるもつちのなかにもぐって、じっとしています。

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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a 長文 5.3週 00a
ライオンには、なぜ、たてがみが

「おすがいばるためのかざりだろう。」
 もちろん、どうどうとしたすがたを、めすのライオンにみせてやるため、ということもあります。
 からだをかざって、めすとなかよくしようというわけです。
 しかし、そのほかに、ライオンのおすのたてがみは、たいせつなぶきになるのです。
 おそろしいてきにであったとき、じぶんのたてがみをさかだて、からだを大きくおお  みせて、あいてをおどすのです。
 また、てきにとびかかられても、あたまやかたは、あのたてがみのおかげで、かみつかれたり、きずがついたりしません。
 なにしろ、おすは、めすやこどもをまもるために、つよいどうぶつと、たたかったりしなければなりませんから、どうしても、ぶきがいるわけです。
 マントひひのおすも、りっぱなたてがみをつけていますが、これも、たいせつなぶきなのです。
 けもののおすは、こうしたぶきをもっているものが、おおいのです。
 たとえば、しかやかもしかのおすの、すばらしいつのも、そうです。
 あのつのも、めすに、りっぱなようすをみせてやるとともに、てきとたたかうときには、ぶきとして、たいへんやくにたつのです。

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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a 長文 5.4週 00a
 むかしこよみでは、それぞれのつき呼び名よ ながつけられていました。例えばたと  四月しがつ卯月うづき五月ごがつ皐月さつき六月ろくがつ水無月みなづきなどという呼びよ かたです。
 さて、十月じゅうがつ神無月かんなづき言いい ます。てのとおり、神様かみさまのいないつきということです。ところが出雲いずもくにいま島根しまねけん)だけは、神在月かみありづきというのです。このつきには日本にっぽん全国ぜんこくからたくさんの神様かみさま出雲いずも集まっあつ  てくるからです。
 出雲いずも大社たいしゃは、大国主命おおくにのぬしのみこと祭っまつ てある神社じんじゃで、縁結びえんむす 神様かみさまとしても知らし れています。ここでねん一度いちど日本中にほんじゅう神様かみさまたちが集まっあつ  て、一年間ねんかん予定よてい話し合うはな あ のだそうです。
 この会議かいぎは、多くおお 神様かみさま集まるあつ  大がかりおお   なものであるわりに、神様かみさまたちにとってはリラックスできるひとときだったようで、神様かみさまはこの時期じきには縁結びえんむす 以外いがい仕事しごとはあまりしていないようです。
 みなさんの近くちか にある神社じんじゃ神様かみさまも、一ねん一度いちど島根しまねほうたびているかもしれません。出雲いずもはイツモよいとこだなあ、などとはね伸ばしの  つつ。

「そろそろ、神無月かんなづき支度したくをしないと、いカンナあ。えーと、持ち物も ものは、ヤカン・ナベ、ミカン・なし、ようかん・ナス、図鑑ずかん生クリームなま    空き缶あ かん・ナイフと。これぐらいで、いいカンナ」(みんなも考えかんが てみてね)
「おっと、そんなたくさん持っも て、ぶつカンナ」

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(α)
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a 長文 6.1週 00a
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 たくさんのほん置いお てある図書館としょかん好きす ほんをさがしたり、なにかを調べしら たりすることができて、本当にほんとう 便利べんりです。図書館としょかんのある場所ばしょから遠くとお 住んす でいるひとのためには、図書館としょかんほん積んつ だバスが、決まっき  てくれるところもあります。これを移動いどう図書館としょかんといいます。
 移動いどう図書館としょかんは、世界中せかいじゅうにあります。たいていは、バスにほんをつんだ「図書館としょかんバス」ですが、なかには、かわった移動いどう図書館としょかんもあります。たとえば、モンゴルというくにでは、ラクダがほん積んつ でさばくのみち行くい 、「図書館としょかんラクダ」がいるそうです。ヨーロッパのきたでは、トナカイのそりにほんをのせていく「図書館としょかんトナカイそり」があって、ゆきこおりうえをすいすいとほん運んはこ でくれるそうです。タイというくにでは、ゾウのほんをつんだ「図書館としょかんゾウ」がいるそうです。ゾウは、どんなにがおいしげったジャングルのみち平気へいき進んすす でいき、山奥やまおくむら学校がっこうほん届けとど てくれるそうです。
 くに広いひろ ところでは、ヘリコプター図書館としょかんもあるそうです。しかし、もちろんヘリコプターのうえからほんをばらまくわけではありません。
 また、インドネシアでは、日本にほんひとたちの寄付きふ使っつか て、オートバイでほん運ぶはこ 、「バイク図書館としょかん」もできました。どうしてかというと、インドネシアでは、大きいおお  津波つなみがあって、むらみちもめちゃめちゃにされてしまったからです。しかし、バイクなら、じゃまなものがふさいでいるみち通りとお ぬけていくことができるのです。
 世界せかいには、貧困ひんこん戦争せんそうのために、生きるい  だけで精一杯せいいっぱいという暮らしく  送っおく ているひとたちがいます。しかし、そういうところにこそ、図書館としょかん作ろつく うというひとがいるのです。図書館としょかんができると、人々ひとびとは、食べ物た ものにもこまっていても、いえ、生きるい  のにぎりぎりの厳しいきび  生活せいかつだからこそ、喜んよろこ ほん借りか 来るく というのです。そして、それらの人々ひとびとは、こう言いい ます。
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 「図書館としょかんは、人間らしくにんげん   生きるい  ための、いのち灯台とうだいだ」と。
 このはなし、「ほん灯台とうだい(ほんとうだい)」!

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかいλらむだ
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長文 6.1週 00aのつづき
ひばりは、どうして、高いたか そら

 はるになると、ひばりが、むぎばたけや、かわらのくさのあいだから、高くたか とびあがって、さえずりはじめますね。
「あ、ひばりだ。いいこえだなあ。」
と、わたしたちは、白いしろ くもしたに、まめつぶのようにみえるひばりを、みあげたりします。
 ひばりが、高いたか そらにとびあがってなくのは、
「いよいよはるもさかりになったぞ。このあたりは、わたしのりょうぶんだぞ。」
と、こえをあげて、なかまにしらせるためです。
 すこしはなれた高いたか そらで、ピーチク、ピーチク、ないているべつのひばりも、
「こっちは、わたしのりょうぶんだ。きみのりょうぶんは、あらさないよ。」
と、こたえているのです。
 もし、べつのひばりが、じぶんのりょうぶんにはいると、おこって、とびかかり、じぶんのりょうぶんのそとへ、おいだしてしまいます。
 そのうえで、めすのひばりに、じぶんのりょうぶんをしらせて、
「こっちへおいで。いっしょにくらそう。」
と、よぶ、なき声  ごえをたてるわけです。
 どんなけものでも、とりでも、じぶんのりょうぶんというものがあって、いろいろのしかたで、なかまにしらせあっているのです。

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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a 長文 6.2週 00a
でんしょばとは、どうして、とおくから
 
 はとや、いぬは、じぶんのすんでいるところにもどってこようとする、しぜんのちえをもっていると、いわれています。
 じぶんのすや、すんでいるいえのほうがくを、ちゃんとみさだめて、もどってくるわけですが、そのわけは、まだ、はっきりとしらべられてはいません。
 ときには、すにもどることができないで、とちゅうで、うろうろしているものや、ほうがくをとりちがえて、まいごになるものもあります。しかし、ちかいところですと、たいてい、じぶんのすにかえってきます。はとは、じぶんのすのちかくまでとんできますと、あたりのようすをおぼえていて、まいおりるのでしょう。
 なんどか長いなが たびをしたり、長いなが あいだ、おなじばしょにすんでいたものは、まよわずに、ちゃんともどってきます。
 ですから、はとやいぬは、なにか、ほうがくをみさだめて、もどってくるちからを、からだのどこかに、もっているものとかんがえられます。
 すてたねこが、ちゃんとうちへもどってきたり、とおくにみつをあつめにいったみつばちが、一ちょくせんに、すばこにかえってくるのも、きっと、からだに、とくべつにほうがくをしるはたらきが、あるのかもしれません。
 どんなどうぶつでも、なにか、そうしたちからをもっていることがわかりますが、そのなかでも、でんしょばとやいぬは、とくべつに、ほうがくをみさだめるちからが、つよいようです。
 それで、でんしょばとにてがみをもたせて、つうしんをすることができるのです。

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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a 長文 6.3週 00a
あひるは、どんなしかけで水の上みず うえ

あしのゆびのあいだに水かきみず  がついていて、それでみずをかくから、じょうずにおよげるんだよ。」
 なるほど、それにちがいありません。
 しかし、そのあしで、みずをかいて、まえへすすむといっても、あしをまえへつきだすときには、はんたいに、まえのほうへみずをおしますから、あひるのからだはうしろにもどり、おなじところに、とまってしまいはしないでしょうか。
 あひるが、じょうずに、水の上みず うえをおよげるしかけが、三つあります。
 一つは、もちろん、水かきみず  のついているあしです。
 あしをまえにだすときには、あしのゆびをちぢめますから、水かきみず  もしぜんにすすんで、みずからうけるちから小さくちい  なり、からだは、うしろへもどされません。
 もう一つは、あしが、からだのずっとうしろのほうに、ついていることです。
 これは、水の上みず うえをおよぐのに、とてもつごうがよく、ひとかきで、ずっとからだを、まえにすすめることができます。
 もう一つは、からだからあぶらをだしていて、からだやはねに、みずがしみこまないように、なっていることです。
 このようなしかけで、あひるは、じゆうじざいに、水の上みず うえを、およぎまわることができるのです。よくできすぎていて、おかにあがると、あるくほうは、いっこううまくありません。
 みずどりは、かもでもおしどりでも、がちょうでもペリカンでも、みんな、あひるによくにています。およぐことはじょうずですが、あるくことは、たいそうへたです。
 ところが、これがもっとひどくなって、あしがからだのうしろのほうにつきすぎて、にんげんのように、立った てあるくみずどりまでできました。それは、ペンギンです。
 ペンギンは、なんきょくのうみにすんでいるとりで、およぎのめいじんです。みずをおよぐのはすばらしくうまいのですが、りくにあがっ
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て、あるくかっこうときたら、あひるよりひどく、まるで二つぐらいの子どもこ  が、よちよちとあるいているような、おかしなかっこうです。

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下正美みやしたまさみちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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a 長文 6.4週 00a
 石油せきゆは、大昔おおむかし動物どうぶつ植物しょくぶつ微生物びせいぶつなどの死骸しがいつちといっしょに海底かいてい積もりつ  長いなが 年月ねんげつあいだ大きなおお  ちからねつ加わっくわ  てできたと言わい れています。地面じめんうみ深いふか ところには、石油せきゆがたまっている油田ゆでんという場所ばしょがあり、石油せきゆはそこからくみ上げ  あ られます。
 油田ゆでんからくみ上げ  あ られたばかりの石油せきゆは、原油げんゆ呼ばよ れています。原油げんゆはいろいろな成分せいぶん混じっま  ていて、そのままでは使いつか にくいため、それらの成分せいぶん分けるわ  必要ひつようがあります。
 みず沸騰ふっとうして水蒸気すいじょうきになるような、液体えきたい気体きたい変わるか  ときの温度おんど沸点ふってん言いい ます。原油げんゆなかのいろいろな成分せいぶんは、沸点ふってん少しすこ ずつ違いちが ます。そこで、その沸点ふってん違いちが 利用りようして原油げんゆをガソリンや灯油とうゆなどに分けわ ていきます。そして、次々つぎつぎ分けわ 最後さいご残っのこ たものがタールやアスファルトになるのです。
 例えばたと  原油げんゆという家族かぞくがお風呂ふろ入っはい ていたとします。お風呂ふろ温度おんど上げあ ていくと、まず最初さいしょにそのあつさに耐えた られなくなった子供こどもがお風呂ふろから飛び出しと だ ます。この子供こどもがガソリンです。更にさら 温度おんど上げあ ていくと、今度こんどお父さん とう  が、「あちち。」と言っい 飛び出しと だ てきます。このお父さん とう  灯油とうゆです。しかし、どんなに温度おんど上げあ ても最後さいごまで湯船ゆぶね残っのこ ているひとがいます。おじいちゃんです。このおじいちゃんがタールです。

「おいおい、もっといいやくにしてくれよ。」
「じゃあ、おじいちゃん、アスファルトね。」
「あまり、変わっか  とらん。」

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(τ)
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