【1】現代は携帯電話という 便利なものがありますが、昔は 情報ひとつ運ぶのも大変でし た。【2】手紙にして、相手の いるところにまでとどけなくて はなりません。もちろん荷物を 運ぶトラックも鉄道もない時代 です。 【3】江戸時代、このような 郵便や宅配便の仕事をしていた のが飛脚でした。戦乱の世の中 では、各地に関所が置かれ、道 を自由に通行することができま せんでした。【4】しかし、江 戸の平和な時代になると、街道 や宿場が整備され、人や物の移 動がスムーズになったのです。 【5】飛脚のうちで、料金が いちばん安いものは、何日で届 けるという保証がないものでし た。急ぐものや重いものは値段 が高いというところは今と同じ でした。 【6】飛脚を頼むとき、近い ところだと今のお金で数百円、 江戸から大阪までの最も速い特 急便だと数十万円もかかったそ うです。 ところで、なぜ馬を使わなか ったのか、という疑問がわいて |
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きます。【7】理由としては、 当時の馬は今の競走馬のように 速くなかったこと、遠距離を走 れなかったこと、そして何より リレーしていく馬を常に飼って おく費用がかかりすぎたことな どが挙げられています。 【8】さて、これらの飛脚は 明治時代に入って、イギリスか ら郵便制度が取り入れられたこ とにより、その役割を終えまし た。郵便は国だけが行うように なり、切手をはるという仕組み もできました。【9】江戸時代 の飛脚たちが、今の高速情報通 信の時代に来たら、目を丸くす ることでしょう。もしかしたら 、マラソン選手になって、オリ ンピックで活躍するかもしれま せん。【0】 言葉の森長(ちょう)文作成 委員会 α |