0アカシア の山 4 月 4 週 (5)
○よく噛むと健康に(感)   池新  
 【1】健康的で、お金もかからない手軽なダイエット法、それは、ものをよく噛んで食べることです。よく噛んで食べると食事に時間がかるので、自然と大食(おおぐ)いをしなくなります。【2】また、ゆっくり噛んでいるうちに満腹感が得られ、必要以上に食べたいと思わなくなります。
 【3】同じカロリーのものでも、よく噛んで食べると、いろいろな感覚が刺激され、自律神経がよく働き、食べたエネルギーがどんどん使われます。【4】一方、噛まずに直接胃に送り込むと、食べ物は、体の脂肪となりたまってしまいます。
 【5】徳川家康は、健康法として「一口、四十八回噛む」ということを守っていました。何かを食べるとき、四十八文字の「いろは」にあてはめて噛むのです。【6】「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす ん。ごっくん」というわけです。
 【7】昔は、主食も今のようなふっくらとした白いお米(こめ)ではなく、玄米や粟など、噛みごたえのあるものでした。早く食べたくても、十分(じゅうぶん)に噛まなければ飲み込めないようなものだったのです。
 【8】よく噛んで食べると、よいことはほかにもたくさんあります。あごが発達し歯の健康に役立つ、唾液がたくさん分泌され免疫力が高まる、さらには、脳の中の血液の量が増え頭のはたらきがよくなる、などです。
 【9】ツルは千年、カメは万年生きると言われますが、ツルッと食べずにカメば噛むほど長生きできるというわけです。【0】

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(α)