長文集  2月4週  ○石鹸の働き  0e-02-4
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/12/15 06:30:12
 【1】「あの二人(ふたり)
はまるで水と油のようだ」とい
うたとえは、仲が悪いことを表
すのに使われます。この言い方
でもわかるように、水と油は相
性が悪く、まったく混じり合い
ません。【2】ドレッシングは
、よくふって使いますが、しば
らくおいておくと、また水の部
分と油の部分に分かれてしまい
ます。 
 ですから、手に油汚れがつい
てしまったと き、水だけでは
洗い流すことができません。【
3】油は、水に溶けないからで
す。反対に、水に溶けやすい汚
れ、たとえば醤油や水性絵の具
のようなものは、簡単に水だけ
で洗い流すことができます。水
に溶けるということは、水と手
をつなぐことができるというこ
とです。【4】水に溶ける汚れ
は、水といっしょに洗い流され
ていくのです。 
 そこで、水だけでは落ちない
汚れのとき、私たちは石鹸を使
います。では、どうして石鹸を
使うと、油汚れを落とすことが
できるのでしょうか。 
 【5】これには、水とも油と
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も仲よくでき る、石鹸の性質
が大きな役割を果たしていま 
す。石鹸は、水に溶ける部分と
、油に溶ける部分の両方を持っ
ています。【6】このように、
水とも油とも手をつなぐことが
できる性質を持つものを「界面
活性剤」といいます。石鹸の成
分は一方の手で油と手をつなぎ
、もう一方の手で水とも手をつ
なぐので、油は水の中に溶け、
油汚れも洗い流されていくので
す。 
 【7】みなさんが日ごろ食べ
ているマヨネーズも、この界面
活性剤の働きで作られているの
です。マヨネーズは、たまごの
黄身と酢、サラダ油が主な成分
ですが、酢と油はそのままでは
うまく混じり合いません。【8
】しかし、たまごの黄身の中に
含まれている「レシチン」とい
う成分が界面活性剤となり、酢
や黄身の水分と油をうまく混ぜ
合わせるのです。そして、あの
なめらかなマヨネーズができあ
がるというわけです。∵ 
 【9】仲が悪い人たちの間に
入って、「まあそう言わずに仲
良くやろうよ」とうまくまとめ
ることができる人は、「まるで
石鹸みたいにえらい人だ」とほ
めてあげることができるかもし
れません。【0】

 言葉の森長文(ちょうぶん)
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