長文 8.2週
1. 人間にんげんむかしから、香りかお 興味きょうみ持ちも 香りかお 原料げんりょうつまり香料こうりょう探しさが てきました。
2. 香料こうりょうには動物どうぶつせいのものと植物しょくぶつせいのものとがあります。動物どうぶつせいのものとしては、ジャコウ鹿じかからとれるムスクが代表だいひょうてきです。植物しょくぶつせい香料こうりょうとして一般いっぱんてきなものは、なんと言っい ても花々です。例えばたと  、ブルガリアのダマスクローズは、古くふる から貴重きちょう香料こうりょうとされてきました。この花のエッセンスは高値たかね取引とりひきされ、いまでも世界中せかいじゅう愛さあい れています。
3. しかし、植物しょくぶつせい香料こうりょうは花だけではありません。どちらかといえばなじみの薄いうす 、しかし大変たいへん広くひろ 使わつか れている香料こうりょう、それがフルーツの一種いっしゅであるベルガモットです。この果実かじつのエッセンスは、女性じょせいよう香水こうすいやく分のぶん 一に、また男性だんせいようのコロンのやく半分はんぶんに入っています。このフルーツからとれるエッセンスには、いろいろな香りかお をまとめて一つの香りかお にするという働きはたら があり、これがほかの香料こうりょうにはない特性とくせいなのです。
4. ベルガモットはミカン植物しょくぶつで、あきからふゆにかけてオレンジほどの大きさのをつけます。香水こうすいになるエッセンスは、この果実かじつかわからとれます。ベルガモットのおも産地さんちは、イタリア半島はんとうのカラブリア地方ちほうで、ほかの土地とちではほとんど育ちそだ ません。というのも、この植物しょくぶつは、暖かくあたた  しかもみなみ向きむ 土地とちで、強いつよ かぜ吹かふ ない、湿度しつど低いひく ところでないと育たそだ ないからです。
5. この植物しょくぶつ起源きげんそのものは深いふか なぞに包まつつ れています。野生やせいのベルガモットというものはなく、この植物しょくぶつたねから育てるそだ  こともできません。ベルガモットは、ほかの柑橘かんきつけいの木々に挿し木さ きをして育てるそだ  しかないのです。野生やせいのベルガモットがあれば、香水こうすいも、もっとヤセイものになっていたでしょう。
6. 神秘しんぴ包まつつ れた香りかお 世界せかい。だからこそ、より魅力みりょくてきなのかもしれません。∵

7. 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(Μ)