1. 左
胸の下の方に手を当ててみると、
心臓がドキドキと
規則正しく動いているのがわかります。
心臓は、
全身に
血液を
送り出すポンプの
役割をしています。
心臓は、
動物が生きているかぎり、休みなく
動き続けます。
動物が生きていられるのは、
心臓が休むことなく体のすみずみまで
血液を
送り続けているからなのです。
2.
血液は体中に
酸素や
栄養分を
運びます。
酸素は、
息を
吸うことによって
肺から
血液の中に
取り入れられます。
栄養分は、
食べ物を
摂取することによって
腸から
血液の中に
取り入れられます。
心臓は、昼も夜も休むことなく
働き続けています。もし、
心臓が
休憩したら、
酸素や
栄養分が体に回らなくなってしまいます。いくら
私たちが「
栄養はもうええよう。」と言っても、
心臓はその
動きを止めません。
3.
激しい運動をしたり、
緊張したりすると、
心臓の
鼓動が
速くなります。これは、体や頭が
酸素や
栄養分をたくさん
必要とするため、
血液の
流れを
速くしようと
心臓の
動きが
活発になるからです。
4.
血液の
仕事は、
酸素や
栄養分を
送り届けることだけではありません。
不要になったものを
回収する
働きもしています。
二酸化炭素や
老廃物を
回収してくれるのです。
酸素や
栄養分が通る
血管は
動脈、
二酸化炭素や
老廃物が通る
血管は
静脈といいます。
5.
心臓は、にぎりこぶしくらいの大きさで、こぶしをにぎったり、ゆるめたりするような
動きをくりかえしながら、体中に
血液を
循環させています。
心臓は、手や足の
筋肉とは
違う、
非常に
丈夫な
特別の
筋肉でできています。また、
脳からの
命令で
動いているのではないことも一つの
特徴です。ふつう、体の
筋肉は、
脳の
命令で
動いていますが、
心臓の場合は
脳の
命令とは
関係なく、ひとりでにちぢんだり、ふくらんだりしているのです。∵
6. さて、
心臓のドキドキという音ですが、この音は
心臓の中についている
弁が
閉じるときの音です。ストーブに
石油を入れるポンプを
思い浮かべてみましょう。ポンプで
石油を
吸い込むとき、まず下のふたが
開いて
石油を
吸い込みます。その
石油を
吸い込み終わると、ふたはすぐに
閉じてしまいます。
次に、
石油を
送り出すときには、
別のふたが
開いて
石油が
別の方に
流れていきます。ポンプは、二つのふた、つまり
弁を
開いたり
閉じたりしながら、
石油を
送り出しているのです。
7.
心臓もこの
石油ポンプと同じしくみになっています。
心臓の中にもふたがあり、このふたが
開いたりしまったりしながら、
血液を
送り出しています。
心臓の
弁は、
流れた
血液が
逆周りになって
戻ってこないように、音がするほど強くしめます。この音がドキドキという音になって聞こえるわけです。
8.
哺乳類や
鳥類の
心臓は、田んぼの田の字の形のように四つの
部屋に分かれています。
爬虫類や
両生類の
心臓は三つの
部屋に、
魚類の
心臓は二つの
部屋に分かれています。
石油ポンプにはもちろん一つの
部屋しかありません。
部屋が分かれていると、それぞれの
部屋で
役割を
分担できるので、
心臓の
性能がよくなります。
9. 人間の
心臓は、田の字の
向かって左上から体中の
汚れた
血を
回収し、それを左下に
集めて
肺に
送り込みます。
肺できれいになった
血液は田の字の右上で
集められ、右下から
勢いよく
再び全身に
流れていきます。
10.
言葉の森
長文作成委員会(Λ)