長文集  8月3週  ○しばさぶろうは、よろこんで(感)  i-08-3
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/06/10 17:42:34
 【1】しばさぶろうは、よろ
こんでくまもとの学校へはいり
ました。べんきょうをはじめま
した。
 けれども、おとうさんのいっ
たとおり、がいこくのことばは
たいへんむずかしいのでした。
【2】がいこくの先生が、がい
こくのことばでおしえてくれる
のです。さっぱりわかりませ 
ん。いまのように、字引もあり
ません。
 【3】しばさぶろうは、やっ
ぱり、いやになりました。

「学校をやめて、うちへかえっ
て、ひゃくしょうをしよう。」
 【4】先生のところへいって
、「学校をやめさせてください
。」といおうとしました。けれ
ども、しばさぶろうがいうまえ
に、先生からさきにききました

【5】「しばさぶろうくん。元
気がありませんね。どうしたの
です。」
「はい。その……。」
と、しばさぶろうは、なみだが
でそうになりました。

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 【6】じっと、こらえている
うちに、ふと、先生のつくえの
上のしゃしんが目につきまし 
た。ぶらんこにのっている、が
いこくの子どものしゃしんです
。先生の子どもにちがいありま
せん。
 【7】はっとして、しばさぶ
ろうはいいました。
「先生は、とおいがいこくから
、ひとりで、日本へきてさびし
くありませんか。」
 【8】すると、先生はにっこ
りとしていいました。
「そうですね。ときどき、子ど
ものことを、ゆめに見ます。で
も、日本では、すぐなおる病気
にかかっても、みんな死にます
。わたしひとりのことなどかん
がえておられません。はやく日
本のみなさんに、ながいきをし
ていただきたいのです。」

 【9】ああ、なんとりっぱな
、先生のことばでしょう。
 しばさぶろうは、いっぺんに
こころがかわりました。もうう
れしくてなりません。∵
【0】「そうだ。べんきょうが
むずかしいなんていっていては
いけないんだ。はやくよいおい
しゃさんになって、日本のみな
さんにながいきをしてもらわな
ければならない。」
 つよく、そう思いました。

(二反長半(にたんおさなかば
)編 白木茂著 「美しい話・
いじんの心」より)