長文集  4月2週  ○水でっぽうをもったさかな(感)  ka-04-2
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2015/03/16 03:37:32
 水でっぽうをもったさかな―
―おもしろいてっぽううお――

【1】「じろう、しゃげきのじ
ょうずなさかなを知ってるかい
。」
 おとうさんがおっしゃいまし
た。
「えっ、しゃげきのじょうずな
さかな。そんなさかながいるの
。」
【2】「うん、いるんだよ。て
っぽうをうっ て、むしをとる
のさ。ただし、水でっぽうだ。
水の中にいるさかなだからな。

「どこにいるの。」
「日本じゃないよ。フィリピン
とかミャンマー(ビルマ)とか
、あついみなみのくにの川にい
るのだよ。」
 【3】みなさんも、こういう
めずらしいさかながいることを
、まだ知らないでしょうね。
 そのさかなは、ながさ十六セ
ンチくらいの、ちょっとたいに
にたさかなですが、口がいくら
かつきだしています。
【4】「おひるのおやつに、な
にかおいしいものをさがしてこ
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ようかな。」
と思うと、川のきしのほうを、
すいすいとおよいでいきます。
そして、くさや木のはにとまっ
ている、むしをさがします。
 【5】むしが見つかると、き
ゅうに水の上にあたまをだして
、口のさきをむしのほうにさし
むけ、水でっぽうをはなつので
す。そのよくあたること。けっ
して、しっぱいしないそうで 
す。
 【6】むしは、たちまち川の
中にころげおちます。そこを、
ぱくりとたべてしまうのです。
 ですから、このさかなを、て
っぽううおとよんでいます。
 【7】てっぽううおは、どう
してこんなにじょうずに、水を
ふきだすことができるのでしょ
うね。
 みなさんは、さかなが、ほっ
ぺたのところをぱくぱくうごか
して、水をすったりはいたりす
るのを知っているでしょう。
 【8】あのぱくぱくうごくと
ころを、えらぶたといいますが
、てっぽううおがえらぶたをと
じて、水を口の中にすいこむと
きには、ちょうどインクをだし
いれするスポイトのゴムのよう
なはたらきをするのだそうです
。ですから、水がぴゅっといき
おいよくとびでるのです。
 【9】それから、このさかな
のしたさきがたいへんうすくな
っていて、したのさきをまるめ
ると水をうちだすのにつごうの
よいみぞができます。それで、
まっすぐにねらったところへ水
をとばすことができるのです。
【0】∵

(「世界ふしぎめぐり二年生」
より抜粋)