長文 6.1週
1.【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
2. 【1】日曜日にちようびのことです。お父さん とう  が、
3.「ちょっと背中せなか踏んふ で。」
4.と言いい ました。わたしは、時々ときどきお父さん とう  背中せなか踏んふ であげます。手でマッサージをするよりも、わたし踏むふ ほう気持ちきも がいいのだそうです。【2】わたしが手でマッサージをしても、お父さん とう  にとっては物足りないものた   のでしょう。
5. わたしは、靴下くつした脱ぐぬ と、
6.「うん、いいよ。」
7.と言いい ました。どうしてかというと、靴下くつした履いは ていると滑りすべ やすいからです。
8.【3】「お父さん とう  乗るの よ。」
9.とこえをかけて、右足から背中せなか乗りの ました。そして、お父さん とう  背中せなかの上でゆっくりと足踏みあしぶ をしました。
10.「ううん。気持ちいいきも   なあ。」
11.お父さん とう  は、うつぶせになったままこえを出しました。
12. 【4】背中せなかの上は、バランスをとって足踏みあしぶ をするのが少しすこ 難しいむずか  です。それも、同じおな ところだけでなく、背中せなか全体ぜんたい踏まふ なくてはなりません。足のうら全体ぜんたい優しくやさ  踏むふ のは、少しすこ コツが要りい ます。
13. わたしは、
14.「もう少し  すこ 強くつよ 踏んふ でもいい。」
15.と聞きき ました。【5】お父さん とう  は、
16.「うん。思い切りおも き 踏んふ でいいよ。」
17.と答えこた ました。わたしは、少しすこ 力を入れて踏みふ 始めはじ ました。
18. お父さん とう  仕事しごとは、からだをたくさん動かすうご  仕事しごとです。重いおも ものを運ぶはこ こともあるので、大変たいへんなのだと思いおも ます。【6】お父さん とう  は、いつも元気げんき働いはたら ているので、日曜日にちようびにはたっぷり休んでほしいと思いおも ました。∵
19. わたしがしばらく踏んふ でいると、お父さん とう  気持ちよきも  さそうに居眠りいねむ のふりを始めはじ ました。わたしは、ふざけて、もっと強くつよ 踏み出しふ だ ました。
20. 【7】お父さん とう  背中せなかは、広くひろ 厚みあつ があって、まるで小さなおかのようです。わたしは、いつの間にか   ま  お父さん とう  背中せなかの上にいることを忘れわす て、おかの上で行進こうしんしているような気持ちきも になってきました。
21. 【8】お父さん とう  は、しばらくたふりをしていましたが、突然とつぜん
22.「いたたた。踏みふ かたつよすぎる。」
23.と言っい 起き上がりお あ  ました。わたしは、むかしお母さん かあ  にやってもらったように、
24.「痛いいた の、痛いいた の、飛んと でけえ。」
25.と言っい てあげました。
26. 【9】すると、お父さん とう  は、にっこりして、
27.「よし、元気げんきになったから、どこかに遊びあそ 行こい う。」
28.と言いい ました。わたしはうれしくて、お父さん とう  飛びつきと   ました。【0】

29.(言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)∵
30. およげなくてもしずまないみずうみ――ふしぎな死海しかい――

31. 【1】死海しかいでは、なぜからだがしずまないのか、そのわけをおはなししましょう。
32. ふつう、みずうみは、うみとちがって、ま水(しおけのない水)のわけです。【2】ところが、この死海しかいは、うみの水よりも、もっとしおからいのです。六ばいもしおけがおおいのです。
33. みなさんは、ま水の川や、プールよりも、しおけのあるうみのほうが、よくおよげるということを、知っし ているでしょう。
34. 【3】だから、うみよりもしおけのおおい死海しかいでは、からだがうきあがってしまうのです。
35. それでは、ふつうのみずうみはま水なのに、この死海しかいは、なぜそんなにたくさんのしおけをふくんでいるのでしょうか。
36. 【4】それは、こういうわけです。
37. この死海しかいのあるところは、とちがひくくて、うみより四百メートルもひくいのです。
38. ですから、たくさんの川が、みんなこのみずうみにながれこんでいます。
39. 【5】ところで、このへんのとちは、しぜんのしおをふくんでいますので、川の水がすこしずつしおを死海しかいにはこんでいるのです。ところが死海しかいからは、どこへも水がながれていきません。【6】そのかわり、つよいたいようにてらされて、水だけがどんどんじょうはつしますから、しおがみずうみにのこって、だんだんしおけがこくなったのです。
40. 【7】さて、にんげんがしねないのに死海しかいというなまえがついているわけをおはなししましょう。
41. 【8】にんげんはしねないけれど、このみずうみには、さかながすんでいないのです。しおからすぎて、さかながすめないのです。
42. さかなをはなしてやっても、みんなしんでしまいます。
43. 【9】にんげんだって、水におぼれることはありませんが、あまりながく、このみずうみにはいっていると、からだのひふがぴりぴりしてきて、たいへんなことになります。それで、死海しかいというのです。【0】

44.(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい