1.
かつお節、みそ、
納豆、
漬物、パン、チーズ、
乳酸菌飲料、ビール、ワイン。これらのおいしさの
共通点は、
独得の
風味です。その
共通の
風味をもたらしている
秘密は、どれもが
発酵食品だということにあります。
2.
同じ発酵食品でも、
発酵を
行う微生物のちがいによって、いくつかのグループに
分けることができます。一つ目は、
かつお節のように、
主にカビの
作用によるものです。二つ目は、
納豆、
乳酸菌飲料、チーズのように、
主に
細菌の
作用によるものです。三つ目は、ビール、ワイン、パンのように、
主に
酵母の
作用によるものです。そして、みそ、しょうゆ、
漬物のように、三つの
作用が
重なり合って生まれるものもあります。
3. このように、目に見えない
微生物は、
生育するときに
周りの
材料を
分解して、
消化しやすく
変化させたり、
独得のおいしい
風味を
与えたりします。ところが、
微生物には
反対の
働きもあって、
材料を
分解するときに
食中毒をひきおこす
有害物質を
作ったり、
悪臭を
放つ不快な
物質を作ったりすることもあります。これを、
私たちは
腐敗と
表現しています。
4.
地球上のあらゆるところに
生育する
微生物は、
忍者のように目には見えませんが、
私たちの
暮らしに
深く関わってきました。
私たちが
健康で
環境にやさしい
生き方をするためにも、
微生物との
共存がこれからいっそう
大切になってくるでしょう。
5.「カビさんが
役に立っているなんて、
初めて知りました。」
6.「そうカビ。」
7.「
細菌さんも、がんばっているんですね。」
8.「
最近だけどね。」
9.「
酵母さんも、たまに
失敗することがあるんですか。」
10.「コウボうも
筆の
誤りと
言うぐらいだから。」
11.
言葉の森
長文作成委員会(μ)