長文集  8月2週  ○味を感じる仕組み  ki-08-2
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/06/10 13:13:50
 物を食べると、いろいろな味
を感じます。たとえば目かくし
をしていても、それが知ってい
る味なら、今食べたものが何か
、当てることができるでしょう
。また、初めて食べたもので 
も、「塩辛い」とか「甘酸っぱ
い」などと、言葉で表すことが
できます。この味は、いったい
どこでどうやって感じているの
でしょうか。
 味を感じる体の部分は舌であ
る、というの は、よく知られ
ていることです。その証拠に、
味見をするときは、ちょっと舌
を出してなめてみます。この舌
をよく見てみると、表面はなめ
らかではなく、ざらざらで、更
によく見ると小さなでこぼこや
つぶつぶがあります。実は、こ
のつぶつぶが、味蕾(みらい)
と呼ばれるものです。
 「蕾(らい)」というのが「
つぼみ」という漢字であること
からわかるように、味蕾(みら
い)は花のつぼみのような形を
しています。味蕾(みらい)は
舌の表面だけではなく、上あご
の奥やのどにもあります。です
から、舌だけで味を感じている
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のではないようです。
 ところで、動物の中でも肉食
動物は、においをかぎ分ける能
力である嗅覚がとても発達して
いる代わりに、味覚はそれほど
優れていませ ん。犬やネコも
、この肉食動物の仲間です。お
おざっぱに苦味、酸味、辛味、
甘味などはわかり、苦いものが
きらいで甘いものが好きなのは
人間と同じです。肉食動物は、
生肉(なまに く)をあっとい
う間に食べてしまうため、それ
ほどおいしさを味わう必要がな
かったのです。それに対し、い
つまでもゆっくりと草を食べて
いる草食動物は、肉食動物より
は味覚が発達していると言われ
ています。
 みなさんの家にも、おいしい
ものしか食べない、グルメな犬
やネコがいるかもしれません。
これは、おいしいものをいろい
ろもらってしまったので、学習
して「違いがわかる」ようにな
ってしまったのです。現代の犬
たちが、おしゃれなカフェで犬
用のケーキを食べているなん 
て、犬のご先祖のオオカミには
、想像もできなかったにちがい
ありません。∵

 言葉の森長文(ちょうぶん)
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