1.
物を
食べると、いろいろな
味を
感じます。たとえば目かくしをしていても、それが
知っている
味なら、
今食べたものが
何か、
当てることができるでしょう。また、
初めて食べたものでも、「
塩辛い」とか「
甘酸っぱい」などと、
言葉で
表すことができます。この
味は、いったいどこでどうやって
感じているのでしょうか。
2.
味を
感じる体の
部分は
舌である、というのは、よく
知られていることです。その
証拠に、
味見をするときは、ちょっと
舌を出してなめてみます。この
舌をよく見てみると、
表面はなめらかではなく、ざらざらで、
更によく見ると小さなでこぼこやつぶつぶがあります。
実は、このつぶつぶが、
味蕾と
呼ばれるものです。
3. 「
蕾」というのが「つぼみ」という
漢字であることからわかるように、
味蕾は花のつぼみのような
形をしています。
味蕾は
舌の
表面だけではなく、上あごの
奥やのどにもあります。ですから、
舌だけで
味を
感じているのではないようです。
4. ところで、
動物の中でも
肉食動物は、においをかぎ
分ける能力である
嗅覚がとても
発達している
代わりに、
味覚はそれほど
優れていません。犬やネコも、この
肉食動物の
仲間です。おおざっぱに
苦味、
酸味、
辛味、
甘味などはわかり、
苦いものがきらいで
甘いものが
好きなのは
人間と
同じです。
肉食動物は、
生肉を
あっという間に食べてしまうため、それほどおいしさを
味わう必要がなかったのです。それ
に対し、いつまでもゆっくりと草を
食べている
草食動物は、
肉食動物よりは
味覚が
発達していると
言われています。
5. みなさんの
家にも、おいしいものしか
食べない、グルメな犬やネコがいるかもしれません。これは、おいしいものをいろいろもらってしまったので、
学習して「
違いがわかる」ようになってしまったのです。
現代の犬たちが、おしゃれなカフェで犬
用のケーキを
食べているなんて、犬のご
先祖のオオカミには、
想像もできなかったにちがいありません。∵
6.
言葉の森
長文作成委員会(Μ)