1. 【1】そのころ、とおい
東のほうには、こがねの
国があるといわれていました。それは、インドの
東のほうにある、小さなしまで、金ぎんやほう石などが、いっぱいあるということです。
2.【2】「じぶんが、そのたからの
国を見つけよう。」
3.と、コロンブスはむねをおどらせました。【3】たくさんの本をよんだり、いろいろな人にきいたりして、
4.「ちきゅうはまるいのだ。だから、ヨーロッパから
西へ
西へとすすんでいけば、インドの
東のほうにたどりつくはずだ。【4】
東にむかって、りくちにそっていくより、
海をまっすぐ
西へいったほうがちかい。」
5.と、コロンブスはおもいました。【5】そのかんがえを人びとにはなしましたが、だれも、ほんとうにしません。
6. そのころの人たちは、ちきゅうがまるいということをしりませんでした。【6】ちきゅうは、たいらなだいのようなかたちをしていて、そのはしは、たきのようになっているものと、おもっていたのです。
7. 【7】ふなのりたちは、とおい
東の
国ぐにへも、さかんにしょうばいにでかけましたが、いつもりくちにそって、
東へいくのでした。
8. 【8】だれも、
西へ
西へといけば、おなじ
東の
国ぐにへいけるのだということは、かんがえませんでした。
9. 【9】それどころか、
西のほうへ
海をどこまでもいくと、
海はたきのようになっていて、ふねごとまきこまれて、じごくへおちてしまうとおそれていたのです。
10. 【0】コロンブスは、いっしょうけんめいに、それがまちがいであることをせつめいしました。するとみんなは、
11.「あの男は、きがへんだ。でなければ、ゆめみたいなことをいって、お金をもうけようとしているのだろう。」
12. そういって、だれも、あいてにしませんでした。
13.
14. (
宮脇 紀雄著 「
偉人の
話」より)