長文 9.3週
1. 【1】コロンブスたちが、スペインのみなとにかえってくると、人びとはおどろいたりよろこんだり、大さわぎをしてむかえました。【2】コロンブスは、もうとっくに、しんでしまったとおもっていたのです。
2. 【3】コロンブスは、女王さまにおれいをもうしあげ、いろいろめずらしいはなしや、おそろしいぼうけんのはなしをしました。
3. 【4】にぎやかなおいわいのえんかいが、ひらかれました。そのとき、ひとりが、
4.「西にし西にしへといって、あたらしいりくちが見つかったからって、それは、だれにでもできることだ。たいしたことでもあるまい。」
5.と、わるくちをいいました。【5】あまりコロンブスがもてはやされるので、ねたんだのです。
6. すると、コロンブスは、テーブルの上のたまごをとって、
7.「どなたかこのたまごを、たてることができますか。」
8.と、いいました。【6】みんなやってみましたが、だれにもできません。
9.「こうするのです。」
10. こつんと、コロンブスはたまごのはしをつぶしてたてました。
11.【7】「そうするのなら、だれにでもできるじゃないか。」
12. みんないいました。【8】そこでコロンブスは、
13.「そうです。人がやったあとなら、だれにもできるということが、わかったでしょう。【9】はじめにやるのが、むずかしいのです。」
14.と、いいました。わるくちをいった人は、はずかしそうにだまってしまいました。【0】
15. 
16. (宮脇みやわき 紀雄としおちょ 「偉人いじんはなし」より)