長文集  9月4週  ○のんびり泳ぐマンボウ  ki-09-4
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/06/09 09:37:18
 マンボウの大きさは、だいた
い畳一枚ほどもあり、体の後ろ
半分が切り取られたような形を
しているため、まるで頭だけが
泳いでいるように見えます。
 人気のあるマンボウですが、
実は水族館での飼育はたいへん
難しいのです。その理由は、え
さをうまく食べられないことや
、泳ぎが下手で水槽の壁に体を
ぶつけて弱ってしまうことが多
いためです。
 魚の仲間は驚くほど卵をたく
さん産みます。その中でもナン
バーワンはマンボウで、メスが
一度に産む卵の数は、三億個近
くにもなりま す。
 マンボウのお母さんは、卵を
産みっぱなし で、保護すると
いうことをしません。卵や孵化
したマンボウの子どもは、海中
に漂っている間に、どんどんほ
かの生き物に食べられてしまい
ます。最初のごく小さいうちは
、イワシやサンマ、アジなどの
えじきになり、少し大きくなっ
たマンボウの子どもは、マグロ
やカツオ、海 鳥、ウミガメな
どに襲われてしまいます。
 けれども、マンボウの子ども
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たちも、ただ何の抵抗もせずに
食べられているわけはありませ
ん。子どものマンボウの体には
長いとげがたくさんあります。
まるでお菓子のコンペイトウの
ようで、大人のマンボウとは似
ても似つかない形です。大きな
魚に対しては、この程度のとげ
はなんの役にも立ちませんが、
小型の魚に食べられる確率は小
さくなります。このとげは、成
長するにつれて短くなり、マン
ボウ独特の形に変わっていきま
す。
 マンボウの兄弟たちは、大人
になるまでにどんどん数が減っ
ていきます。生き残ることがで
きるのは、三億個もあった卵の
うち、たったの三十個ほどです


「マンボウさん、のんびりして
いますね。」
「ヒマンボウ。」
「えさは、吸い込むだけですか
。」
「カマンボウ。」
「いつも海に浮いているだけで
すね。」
「シズマンボウ。」
「もっと別のセリフ、ないです
か。」
「スマンボウ。」

 言葉の森長文(ちょうぶん)
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