長文 7.1週
1.【1】「あれ、まだだれ起きお ていないのかな。」
2. 今日きょうは、お父さん とう  とザリガニとりに行くい 約束やくそくをしています。だから、ぼくは早起きはやお をしました。ぼくが起きお たとき、お父さん とう  はまだていたので、
3.「早く起きお なさい。遅刻ちこくしますよ。」
4.と、いつものお母さん かあ  のせりふをまねて、お父さん とう  起こしお  ました。【2】あさごはんを食べた ているときも、あたまの中は、ザリガニとりのことでいっぱいでした。
5. さあ、いよいよ出発しゅっぱつです。ぼくが先頭せんとうに立って歩きある ました。ザリガニがいる川までは、歩いある て二十ぷんくらいかかります。太陽たいよう照りつけて   あせがにじみ出てきます。【3】ぼくは、ずんずん歩きある ました。川にはだれもいなかったので、早くてよかったと思いおも ました。お父さん とう  は、
6.「水がよどんでいるところにいるんだよ。」
7.と言いい ながら、ザリガニが潜んひそ でいそうな場所ばしょ探しさが ます。【4】お父さん とう  は、大きな石がごろごろしているところを見つけると、大きなあみなん川底かわぞこをすくいました。でも、全然ぜんぜんとれません。なんやっても、あみには、ごみのようなものがくっついてくるだけです。
8. 【5】仕方しかたがないので、場所ばしょ変えか てみました。今度こんどは、大きな水たまりのようなところです。あみですくうと、ヘドロのようなものの中になにかが動いうご ています。ぼくは、思わおも ず、
9.「あ、いたいた。」
10.と叫びさけ ました。小さなザリガニがピチピチと動いうご ています。【6】元気げんきのいいザリガニが何匹なんびきあみにかかっていたのです。ぼくもやってみたくなって、あみでヘドロをすくってみました。思っおも たより重くおも て、あみ引き上げるひ あ  のが大変たいへんでしたが、あみの中をよく見てみると、三びき∵ぐらいのザリガニが引っかかっひ    ていました。【7】ぼくは、うれしくなりました。怒っおこ ているみたいにハサミを振りかざしふ    ているザリガニもいました。ぼくは、ハサミに気をつけながらザリガニをバケツに入れました。
11. そのあとも、お父さん とう  交代こうたいでザリガニとりを続けつづ 、たくさんのザリガニをつかまえることができました。【8】こんなにたくさんとれるとは思っおも ていなかったので、びっくりしました。
12.「ザリガニは共食いともぐ をしてしまうから、少しすこ 減らしへ  ほうがいいな。」
13.とお父さん とう  言っい たので、残念ざんねんでしたが、半分はんぶんくらい川に返しかえ ました。
14. 【9】帰りかえ に、水そうとザリガニのえさを買いか ました。いえ帰っかえ てから、ザリガニたちを水そうに移すうつ と、少しすこ 驚いおどろ ているようで、落ち着かお つ ない様子ようすでした。ぼくは、ザリガニたちが早く慣れな てくれるといいなあとこころの中で思いおも ました。【0】

15.(言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい Λ)


長文 7.2週
1. スカートやズボンを買うか ときは、まずウエストのサイズを確かめたし  ます。では、地球ちきゅうのウエスト、つまり円周えんしゅうはどうやって測るはか のでしょう。
2. 現代げんだい科学かがくしゃたちは、メジャーの代わりか  人工じんこう衛星えいせい使いつか ます。北極ほっきょく南極なんきょく通るとお 二つの衛星えいせいで、地球ちきゅうそとがわから測るはか のです。そのようにして算出さんしゅつされた数値すうちは、やくまん八千キロメートル。大変たいへんなウエストサイズです。
3. しかし、いまからおよそ二千二百年まえ、すでに地球ちきゅう測っはか た人がいたのです。エラトステネスは、ギリシャの数学すうがくしゃ天文学者てんもんがくしゃでもありました。かれ時代じだいには人工じんこう衛星えいせいなどないので、地球ちきゅう丸いまる ことさえ知らし ない人がたくさんいました。もちろん、地球ちきゅう測るはか ことのできるほど長いなが 巻尺まきじゃくもありません。エラトステネスが使っつか たのは、一本のぼうきれでした。
4. エジプトのシエネという都市としにいたときのことです。エラトステネスは、一年でいちばん昼間ひるま長いなが 夏至げし正午しょうごに、太陽たいよう真上まうえ来るく ことに気づきました。太陽たいようひかりかげ作らつく ずに井戸いどそこまで届いとど ていたからです。しかし、そこからきたに八百五十キロメートルほどったところにあるアレクサンドリアでは、同じおな 夏至げしの日の正午しょうごかげが見えたのです。そこで、エラトステネスはあることを思いつきおも   ます。
5. かれはまず、アレクサンドリアにまっすぐなぼうを立てました。正午しょうごにそのぼう作るつく かげ観察かんさつするためです。かげ角度かくど測っはか たところ、垂直すいちょく方向ほうこうに対して たい  七・二でした。エラトステネスは地球ちきゅう丸いまる ことと円周えんしゅう全体ぜんたいが三百六十であることを知っし ていました。三百六十を七・二で割るわ と五十ですから、ぼう角度かくど七・二円周えんしゅうの五十分のぶん 一になります。ということは、シエネとアレクサンドリアのあいだ距離きょりも、地球ちきゅう円周えんしゅうの五十分のぶん 一と等しいひと  はずです。そこで二つの町の距離きょりを五十ばいし、地球ちきゅう円周えんしゅうは、やくまんキロメートルから∵四まん六千キロメートルだという結論けつろん達したっ たのです。それは、驚くおどろ ほど正確せいかく数値すうちでした。

6.「エラトステネスさん、ぼう測るはか なんて、いつ思いついおも   たんですか。」
7.「ぼうっとしているときにね。」

8. 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(Μ)


長文 7.3週
1. 【1】けんじはともだちと、まちはずれのはらっぱであそんでいました。かれたかやが、たくさんはえていました。【2】ひとりの子が、マッチをもってきました。
2.「かやは、よくもえるぞ。もそうよ。」
3.「うん、もそうもそう。」
4. 【3】火をつけると、かれたかやは、めらめらとよくもえます。あっというまに、ぐんぐんもえひろがりました。
5.【4】「たいへんだ、けそう。」
6. 子どもたちは、あわててけそうとしました。けれども、もうまにあいません。ゴオーッという音をたてて、火のいきおいは、はげしくなるばかり。
7. 【5】カーンカーンカーン。
8. まちのはんしょうが、なりだしました。子どもたちは、青くなってにげだしました。【6】けんじは、ひとりだけにげません。いっしょうけんめい火をけしつづけました。
9. 【7】まちの人たちがかけつけてきて、やっと火はきえました。
10.「おまえか、こんないたずらをしたのは。」
11. しょうぼうの人が、けんじをつかまえてしかりました。【8】けんじは、
12.「すみません。」
13.と、あたまをさげました。けんじのまゆは、火ですっかりやけていました。
14. 【9】わるいことをして、にげてしまうようなことは、けんじには、どうしてもできなかったのです。【0】
15. 
16. (宮脇みやわき 紀雄としおちょ 「偉人いじんはなし」より)


長文 7.4週
1. かつお節   ぶし、みそ、納豆なっとう漬物つけもの、パン、チーズ、乳酸菌にゅうさんきん飲料いんりょう、ビール、ワイン。これらのおいしさの共通きょうつうてんは、独得どくとく風味ふうみです。その共通きょうつう風味ふうみをもたらしている秘密ひみつは、どれもが発酵はっこう食品しょくひんだということにあります。
2. 同じおな 発酵はっこう食品しょくひんでも、発酵はっこう行うおこな 微生物びせいぶつのちがいによって、いくつかのグループに分けるわ  ことができます。一つ目は、かつお節   ぶしのように、おもにカビの作用さようによるものです。二つ目は、納豆なっとう乳酸菌にゅうさんきん飲料いんりょう、チーズのように、おも細菌さいきん作用さようによるものです。三つ目は、ビール、ワイン、パンのように、おも酵母こうぼ作用さようによるものです。そして、みそ、しょうゆ、漬物つけもののように、三つの作用さよう重なり合っかさ  あ て生まれるものもあります。
3. このように、目に見えない微生物びせいぶつは、生育せいいくするときに周りまわ 材料ざいりょう分解ぶんかいして、消化しょうかしやすく変化へんかさせたり、独得どくとくのおいしい風味ふうみ与えあた たりします。ところが、微生物びせいぶつには反対はんたい働きはたら もあって、材料ざいりょう分解ぶんかいするときに食中毒しょくちゅうどくをひきおこす有害ゆうがい物質ぶっしつ作っつく たり、悪臭あくしゅう放つはな 不快ふかい物質ぶっしつを作ったりすることもあります。これを、わたしたちは腐敗ふはい表現ひょうげんしています。
4. 地球ちきゅう上のあらゆるところに生育せいいくする微生物びせいぶつは、忍者にんじゃのように目には見えませんが、わたしたちの暮らしく  深くふか 関わっかか  てきました。わたしたちが健康けんこう環境かんきょうにやさしい生き方い かたをするためにも、微生物びせいぶつとの共存きょうぞんがこれからいっそう大切たいせつになってくるでしょう。
5.「カビさんが役に立っやく た ているなんて、初めてはじ  知りし ました。」
6.「そうカビ。」
7.「細菌さいきんさんも、がんばっているんですね。」
8.「最近さいきんだけどね。」
9.「酵母こうぼさんも、たまに失敗しっぱいすることがあるんですか。」
10.「コウボうもふで誤りあやま 言うい ぐらいだから。」

11. 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(μ)


長文 8.1週
1.【1】「早くよるにならないかなあ。」
2.ぼくは、そうつぶやきました。
3.「また言っい てる。これでなんかい目?」
4.お母さん かあ  は、おかしくてたまらないというかおをして笑いわら ました。今日きょうよるなつ祭りまつ なのです。ぼくは、カレンダーに赤のペンでまるをつけて楽しみたの  にしていました。【2】綿わたあめにかき氷  ごおりたこ焼き  や にチョコバナナなど、いろいろなものを食べた られるのです。
5. ついに待ちま 待っま よるです。お母さん かあ  がくれた五百円をお財布さいふに入れて、ぼくは校門こうもん急ぎいそ ました。【3】校門こうもん着くつ と、コウジとユウキが待っま ていて、ぼくを見つけると、
6.「おう、早く行こい うぜ。」
7.とぼくをひっぱりました。たくさんのちょうちんがぶら下がっていて、いつもの校庭こうていではないみたいです。まるでおばあちゃんのいえ近くちか 商店しょうてんがいみたいだなと思いおも ました。
8. 【4】なに食べよた  うかときょろきょろしていると、ソースのこげるにおいが漂っただよ てきました。ぼくたち三人は、
9.「いいにおいだなあ。焼きそばや   食べよた  う。」
10.と、はなをクンクンさせながられつ並びなら ました。ぼくとユウキが先に買っか て、コウジの順番じゅんばんになりました。【5】コウジは、おみせのおじさんに、
11.「いっぱい入っているのをください。」
12.とお願い ねが したので、ぼくとユウキは、思わずおも  かお見合わせみあ  笑っわら てしまいました。コウジは、クラスの中でも食いしん坊く   ぼう有名ゆうめいなのです。【6】おじさんは、重なっかさ  焼きそばや   の中からひとつひっぱりだして、
13.「これはたくさん入ってるだろ。」
14.と言いい ました。ぼくは、うらやましいなあとこころの中で思いおも まし∵た。もしぼくがコウジだったら、あんなふうに大人にお願い ねが できません。【7】なんだか恥ずかしいは    からです。お母さん かあ  にもよく、ぼくは引っ込み思案ひ こ じあんだと言わい れているのです。
15. 焼きそばや   は、いえ食べるた  よりもあじ濃くこ て、お祭り まつ 焼きそばや   あじがしました。お母さん かあ  作るつく 焼きそばや   もおいしいけれど、ぼくはこういう焼きそばや   好きす です。【8】多分たぶんお父さん とう  屋台やたい焼きそばや   ほう好きす だと思いおも ます。どうしてかというと、濃いこ あじ好きす だからです。
16. そのあとは、カキごおりとチョコバナナを食べた ました。チョコバナナを買うか ときのことです。ぼくは、大きいのが食べた たいなあと思いおも ました。【9】ぼくは、思い切っおも き て、
17.「ちょっと大きめなのをください。」
18.と言っい てみました。むねがドキドキしました。おみせのおばさんは、
19.「じゃあ、大きそうなのを選んえら でいいよ。どれがいい?」
20.と、ぼくに選ばえら せてくれました。ぼくは飛び上がると あ  ほど嬉しくうれ  て、一番いちばん長いなが 思うおも ものをゆび差しさ ました。【0】おばさんから受け取るう と とき、いつもよりずっと大きいこえ
21.「ありがとうございます。」
22.と言えい ました。少しすこ 兄さんにい  になった気がしました。そのチョコバナナは、いつものチョコバナナよりもずっとおいしかったです。

23.(言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)


長文 8.2週
1. もの食べるた  と、いろいろなあじ感じかん ます。たとえば目かくしをしていても、それが知っし ているあじなら、いま食べた たものがなにか、当てるあ  ことができるでしょう。また、初めてはじ  食べた たものでも、「塩辛いしおから 」とか「甘酸っぱいあまず   」などと、言葉ことば表すあらわ ことができます。このあじは、いったいどこでどうやって感じかん ているのでしょうか。
2. あじ感じるかん  からだ部分ぶぶんしたである、というのは、よく知らし れていることです。その証拠しょうこに、味見あじみをするときは、ちょっとしたを出してなめてみます。このしたをよく見てみると、表面ひょうめんはなめらかではなく、ざらざらで、更にさら よく見ると小さなでこぼこやつぶつぶがあります。実はじつ 、このつぶつぶが、味蕾みらい呼ばよ れるものです。
3. 「らい」というのが「つぼみ」という漢字かんじであることからわかるように、味蕾みらいは花のつぼみのようなかたちをしています。味蕾みらいした表面ひょうめんだけではなく、上あごのおくやのどにもあります。ですから、しただけであじ感じかん ているのではないようです。
4. ところで、動物どうぶつの中でも肉食にくしょく動物どうぶつは、においをかぎ分けるわ  能力のうりょくである嗅覚きゅうかくがとても発達はったつしている代わりか  に、味覚みかくはそれほど優れすぐ ていません。犬やネコも、この肉食にくしょく動物どうぶつ仲間なかまです。おおざっぱに苦味にがみ酸味さんみ辛味からみ甘味あまみなどはわかり、苦いにが ものがきらいで甘いあま ものが好きす なのは人間にんげん同じおな です。肉食にくしょく動物どうぶつは、生肉なまにくあっという間に     ま 食べた てしまうため、それほどおいしさを味わうあじ  必要ひつようがなかったのです。それに対し たい 、いつまでもゆっくりと草を食べた ている草食そうしょく動物どうぶつは、肉食にくしょく動物どうぶつよりは味覚みかく発達はったつしていると言わい れています。
5. みなさんのいえにも、おいしいものしか食べた ない、グルメな犬やネコがいるかもしれません。これは、おいしいものをいろいろもらってしまったので、学習がくしゅうして「違いちが がわかる」ようになってしまったのです。現代げんだいの犬たちが、おしゃれなカフェで犬ようのケーキを食べた ているなんて、犬のご先祖せんぞのオオカミには、想像そうぞうもできなかったにちがいありません。∵

6.  言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(Μ)


長文 8.3週
1.【1】「おや、かわいそうに。」
2. あるあさのこと。なんのきなしに、りょうかんさまがゆかの下を見ると、たけのこがあたまをだしています。【2】たけのこは、ゆかにあたまがとどいて、もうのびることができないでいます。
3.【3】「きのどくなことじゃ。まてまて。」
4. りょうかんさまはかなづちをもってくると、めりめりめりと、ゆかいたをはがしてしまいました。
5.【4】「たけのこさんや、もう、だいじょうぶだ。さあ、のびておくれ。」
6. 【5】りょうかんさまはそういってうれしそうなかおをしました。
7. 【6】十日ばかりたちました。たけのこはぐんぐんのびて、こんどはやねにつかえました。【7】するとりょうかんさまは、やねのむぎわらをぬいて、やねにあなをあけ、そこからたけのこをだしてやりました。
8. 【8】うちの中にはえた、たけのこのそばにすわって、りょうかんさまはにこにこしながら、ながめていました。
9.【9】「あっ、これはまあ。」
10. りょうかんさまのうちのまえをとおりかかった、村のおひゃくしょうさんはこれを見て、あいた口がふさがりませんでした。【0】
11. 
12. (宮脇みやわき 紀雄としおちょ 「偉人いじんはなし」より)


長文 8.4週
1. みなみくに行くい と、バナナの木のジャングルがあります。日本でも、みなみほう行けい ば、バナナの木を見ることができます。
2. バナナはたかさがニ、三メートルにもなりますから、このように「バナナの木」と言っい ていますが、実はじつ バナナは木の仲間なかまではありません。見上げるほど高くたか ても、草の仲間なかまなのです。だから、バナナの木を切っき ても、木のような年輪ねんりんは見られません。
3. バナナは栄養えいようたっぷりで腹持ちはらも もいいので、ごはんのかわりにもなります。みなみくにでは大昔おおむかしから、一年中いちねんじゅうのまわりに実っみの ているバナナをとって食べるた  ことができたので、お腹 なかをへらすことがありませんでした。
4. バナナは食べるた  だけではなく、みなみくにでは、葉っぱは  使わつか れています。なにしろ、大きい草ですから、も大きくてはば広いひろ のです。しかも、ほのかによいかおりがします。
5. そこで、みなみくにでは、四角くしかく 折っお うつわにし、そこに材料ざいりょうを入れて、蒸しむ 食べるた  おかずを作っつく たり、ごはんをのせるおさらのかわりにしたりしています。
6. また、みなみくにでは、かみをつくるよい材料ざいりょうがないので、葉っぱは  安いやす かみのかわりにもしています。きれいに折りたたんお    で、お供え物そな もの灯篭とうろうにしたり、子どものおもちゃとして使っつか たりもします。細くほそ 切っき たバナナの編んあ で、エンゼルフィッシュのかたちにしたおもちゃは、いまでもよく作らつく れています。これは、ちょうど、日本で折り紙お がみつる作るつく ようなものです。バナナののエンゼルフィッシュは、ひもをつけて、モビールにすることもできるので、赤ちゃんのベッドの上にも、よくつるしてあるそうです。
7. バナナは人を笑わせるわら   こともできます。「みち捨てす られたバナナのかわで、すべってころぶ人」というのが、むかしから、映画えいがやマンガなどで使わつか れています。
8. こんなに役に立つやく た バナナを見習っみなら て、わたしたちもがんバナナいといけませんね。
9. 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(λ)


長文 9.1週
1. 【1】夏休みなつやす に、わたしおとうとの二人だけで、京都きょうとのおばあちゃんのいえ行くい ことになりました。今年ことしからお母さん かあ  仕事しごと始めはじ たので、子供こどもだけで行くい ことになったのです。子供こどもだけで新幹線しんかんせん乗るの のは初めてはじ  です。わたし楽しみたの  仕方しかたないのに、お母さん かあ  何だかなん  不安ふあんそうです。
2.【2】「ほんとにちゃ駄目だめよ。大丈夫だいじょうぶね。」
3.お母さん かあ  なんわたしかおをのぞきこんで言いい ました。わたしは、自信満々じしんまんまんで、
4.「大丈夫だいじょうぶだよ。心配しんぱいいらないから。」
5.と言いい ました。お母さん かあ  は、でもまだ不安ふあんそうなかおで、
6.「たのんだからね。ハルがちゃったら早めに起こしお  てね。」
7.と繰り返しく かえ ます。【3】お母さん かあ  本当にほんとう 心配しんぱいしょうなんだからとこころの中で思いおも ました。
8. 新幹線しんかんせん乗るの ときは、いつもシウマイ弁当べんとう食べた ます。わたしはシウマイが大好きだいす なので、このお弁当べんとうは大好物こうぶつです。売店ばいてんで、シウマイ弁当べんとうお菓子 かし買いか ました。【4】わたしはチョコレート、ハルはグミです。それを抱えかか 新幹線しんかんせん乗り込みの こ ました。
9. ドアのところでお母さん かあ  がまた心配しんぱいそうなかおをしたので、わたしとハルは、元気げんきいっぱいに手を振りふ ました。切符きっぷを見ながらせき探しさが て、座るすわ とすぐにお弁当べんとう食べるた  用意ようい始めはじ ます。
10.【5】「いただきます。」
11.二人で手を合わせあ  ました。わくわくしながらふた開けるあ  と、シウマイが五つ並んなら でいます。まるで仲良くなかよ 座っすわ ているみたいです。
12.「やっぱり新幹線しんかんせん乗っの たらシウマイ弁当べんとうだよね。」
13.わたしは、ハルに言いい ました。【6】ハルも、∵
14.「ぼくも大好きだいす 。」
15.と言いい ながら、一つ目のシウマイをパクリと口に入れました。わたしは、おいしいものは最後さいご味わっあじ  食べるた  のが好きす です。お行儀ぎょうぎ悪いわる 渋いしぶ かおをするお母さん かあ  もいないので、わたしは五つ全部ぜんぶ取っと ておくことにしました。
16. 【7】わたしがとっておきのシウマイにはしをつけようとしたときです。ハルが、
17.「ああっ。」
18.と叫びさけ ました。驚いおどろ わたし足元あしもとを、コロコロとシウマイが転がっころ  ていきます。ハルの落としお  たシウマイでした。それも、最後さいごの一つです。ハルはいまにも泣きな 出しそうなかおをしています。【8】なんだかかわいそうになり、わたし自分じぶんのシウマイを一つ、ハルにあげました。もしお母さん かあ  一緒いっしょなら、お母さん かあ  自分じぶんのシウマイを分けわ ていたと思いおも ます。ああ、早く食べた てしまえばよかったなあと残念ざんねん思いおも ましたが、ハルがとても喜んよろこ だのでよかったです。【9】それに、通路つうろをはさんでとなり座っすわ ていたおばあさんが、
19.「さすがお姉ちゃんねえ   偉いえら わね。」
20.とこえをかけてくれました。恥ずかしかっは     たけれど、嬉しかっうれ   たです。ハルは、シウマイのお礼 れいだと言っい て、自分じぶんのグミを半分はんぶん分けわ てくれました。ハルもいいところがあるなと思いおも ました。
21. 【0】本を読んよ だり、しりとりをしたり、なぞなぞを出し合っだ あ たりするうちに、いつの間にか   ま  京都きょうと着きつ ました。お母さん かあ  はまだ心配しんぱいしているかなあ。京都きょうと着いつ たことを早く伝えつた たいなと思いおも ました。

22.(言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)


長文 9.2週
1. 【1】そのころ、とおいひがしのほうには、こがねのくにがあるといわれていました。それは、インドのひがしのほうにある、小さなしまで、金ぎんやほう石などが、いっぱいあるということです。
2.【2】「じぶんが、そのたからのくにを見つけよう。」
3.と、コロンブスはむねをおどらせました。【3】たくさんの本をよんだり、いろいろな人にきいたりして、
4.「ちきゅうはまるいのだ。だから、ヨーロッパから西にし西にしへとすすんでいけば、インドのひがしのほうにたどりつくはずだ。【4】ひがしにむかって、りくちにそっていくより、うみをまっすぐ西にしへいったほうがちかい。」
5.と、コロンブスはおもいました。【5】そのかんがえを人びとにはなしましたが、だれも、ほんとうにしません。
6. そのころの人たちは、ちきゅうがまるいということをしりませんでした。【6】ちきゅうは、たいらなだいのようなかたちをしていて、そのはしは、たきのようになっているものと、おもっていたのです。
7. 【7】ふなのりたちは、とおいひがしくにぐにへも、さかんにしょうばいにでかけましたが、いつもりくちにそって、ひがしへいくのでした。
8. 【8】だれも、西にし西にしへといけば、おなじひがしくにぐにへいけるのだということは、かんがえませんでした。
9. 【9】それどころか、西にしのほうへうみをどこまでもいくと、うみはたきのようになっていて、ふねごとまきこまれて、じごくへおちてしまうとおそれていたのです。
10. 【0】コロンブスは、いっしょうけんめいに、それがまちがいであることをせつめいしました。するとみんなは、
11.「あの男は、きがへんだ。でなければ、ゆめみたいなことをいって、お金をもうけようとしているのだろう。」
12. そういって、だれも、あいてにしませんでした。
13. 
14. (宮脇みやわき 紀雄としおちょ 「偉人いじんはなし」より)


長文 9.3週
1. 【1】コロンブスたちが、スペインのみなとにかえってくると、人びとはおどろいたりよろこんだり、大さわぎをしてむかえました。【2】コロンブスは、もうとっくに、しんでしまったとおもっていたのです。
2. 【3】コロンブスは、女王さまにおれいをもうしあげ、いろいろめずらしいはなしや、おそろしいぼうけんのはなしをしました。
3. 【4】にぎやかなおいわいのえんかいが、ひらかれました。そのとき、ひとりが、
4.「西にし西にしへといって、あたらしいりくちが見つかったからって、それは、だれにでもできることだ。たいしたことでもあるまい。」
5.と、わるくちをいいました。【5】あまりコロンブスがもてはやされるので、ねたんだのです。
6. すると、コロンブスは、テーブルの上のたまごをとって、
7.「どなたかこのたまごを、たてることができますか。」
8.と、いいました。【6】みんなやってみましたが、だれにもできません。
9.「こうするのです。」
10. こつんと、コロンブスはたまごのはしをつぶしてたてました。
11.【7】「そうするのなら、だれにでもできるじゃないか。」
12. みんないいました。【8】そこでコロンブスは、
13.「そうです。人がやったあとなら、だれにもできるということが、わかったでしょう。【9】はじめにやるのが、むずかしいのです。」
14.と、いいました。わるくちをいった人は、はずかしそうにだまってしまいました。【0】
15. 
16. (宮脇みやわき 紀雄としおちょ 「偉人いじんはなし」より)


長文 9.4週
1. マンボウの大きさは、だいたいたたみまいほどもあり、からだ後ろうし 半分はんぶん切り取らき と れたようなかたちをしているため、まるであたまだけが泳いおよ でいるように見えます。
2. 人気のあるマンボウですが、実はじつ 水族館すいぞくかんでの飼育しいくはたいへん難しいむずか  のです。その理由りゆうは、えさをうまく食べた られないことや、泳ぎおよ が下手で水槽すいそうかべからだをぶつけて弱っよわ てしまうことが多いおお ためです。
3. さかな仲間なかま驚くおどろ ほどたまごをたくさん産みう ます。その中でもナンバーワンはマンボウで、メスが一産むう たまごかずは、三おく近くちか にもなります。
4. マンボウのお母さん かあ  は、たまご産みう っぱなしで、保護ほごするということをしません。たまご孵化ふかしたマンボウの子どもは、海中かいちゅう漂っただよ ているあいだに、どんどんほかの生き物い もの食べた られてしまいます。最初さいしょのごく小さいうちは、イワシやサンマ、アジなどのえじきになり、少しすこ 大きくなったマンボウの子どもは、マグロやカツオ、海鳥うみどり、ウミガメなどに襲わおそ れてしまいます。
5. けれども、マンボウの子どもたちも、ただなん抵抗ていこうもせずに食べた られているわけはありません。子どものマンボウのからだには長いなが とげがたくさんあります。まるでお菓子 かしのコンペイトウのようで、大人のマンボウとはても似つかに  ないかたちです。大きなさかなに対して たい  は、この程度ていどのとげはなんのやくにも立ちませんが、小型こがたさかな食べた られる確率かくりつは小さくなります。このとげは、成長せいちょうするにつれて短くみじか なり、マンボウ独特どくとくかたち変わっか  ていきます。
6. マンボウの兄弟きょうだいたちは、大人になるまでにどんどんかず減っへ ていきます。生き残るい のこ ことができるのは、三おくもあったたまごのうち、たったの三十ほどです。
7.∵
8.「マンボウさん、のんびりしていますね。」
9.「ヒマンボウ。」
10.「えさは、吸い込むす こ だけですか。」
11.「カマンボウ。」
12.「いつもうみ浮いう ているだけですね。」
13.「シズマンボウ。」
14.「もっとべつのセリフ、ないですか。」
15.「スマンボウ。」

16. 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(κ)