1. 【1】生まれたてのおたまじゃくしは、
長いしっぽをゆすって、およいでいますね。
2. ところが、足がはえて、おかにあがるころには、しっぽが、とてもみじかくなっています。【2】そして、おやがえるになったときには、しっぽは、もう、そのあとさえみえません。
3. おたまじゃくしのしっぽは、どこへいったのでしょうか。
4. 【3】おたまじゃくしが、かえるになって、おかにあがったあとで、
池の中をさがしてみてもしっぽは、どこにもおちていませんね。
5. おたまじゃくしのしっぽは、おたまじゃくしが、たべてしまったのです。
6. 【4】でも、それは口でたべたのではありません。おたまじゃくしのからだが、じぶんのしっぽをいつのまにかすいこんでしまったのです。だから、しっぽは、ちぎれたのではなくて、ちぢんだわけです。
7. 【5】わたしたち、にんげんのからだだって、おたまじゃくしのようなことがありますよ。わたしたちは、年よりになると、たいてい、かみの
毛が白くなりますね。【6】あれは、かみの
毛にはいっている
黒い色のもとを、からだがすいこんでしまったからです。
8. 【7】おたまじゃくしが、大きくなって、しっぽがきえるのと、にんげんが年をとって、しらがになるのと、おなじわけだなんて、おもしろいではありませんか。
9. 【8】わたしたちのからだは、すみからすみまで、
血がながれていますが、あの
血には、わるいものや、いらないものをたべてしまうはたらきがあります。
10. 【9】たとえば、びょうきのばいきんがはいってくると、
血は、それをたべてしまいます。
11. おたまじゃくしのからだが、じぶんのしっぽをたべるのも、それとおなじようなことなのです。【0】
12.
13. (「
理科なぜどうして三年生」
偕成社)