1. 【1】
冬のさむい日がくると、げんきなみなさんでも、手や足がかじかむことがあるでしょう。
夏のように、やたらにのどがかわいて、がぶがぶ水をのむこともありませんね。
2. 木だって、おなじことです。
3. 【2】
冬になって、土がひえると、
木の根がかじかんで、水をすわなくなります。
4. それでは、あついとき、わたしたちが、のどがかわくのは、なぜだかしっていますか。
5. それは、からだをひやそうとして、あせをかくからですね。【3】あせをかいてからだの中の水けがたりなくなると、水をのみたくなるのです。
6. 木だって、あせをかきます。
7. にんげんのあせは、
毛あなからでますが、木のあせは、
葉っぱにあいている、目にみえない小さなあなからでます。【4】木のあせは、じょう気になってでていくので、
葉っぱがぬれることはありません。
8. わたしたちは、あついときには、
毛あなをひらいて、あせをだします。さむいときには、
毛あなをとじて、あせをとめます。
9. 【5】ところが、さくらや、もみじの
葉っぱは、どんなときでも、あせのあなが、あけっぱなしです。こんな
葉っぱが
冬でもくっついていたら、どうなるとおもいますか。
10. 【6】
葉っぱからは、どんどんあせがでます。それなのに、
根のほうは、かじかんで水をすいません。これでは、えだも、みきも、からからにかわいてしまうでしょう。かわいた木は、かれないわけにいきません。これではたいへんです。
11. 【7】だから、さくらや、もみじは、さむい
冬がくるまえに、さっさと、
葉っぱをおとしてしまうのです。
12. 【8】まつや、つばきの
葉っぱは、
冬でもおちません。それは、あせのでるあなが、にんげんほどでもないけれど、さくらなどよりは、ぐあいよく、できているからです。
13. 【9】さくらや、もみじでも、
春になったら、さっそく、
葉っぱをださなければなりません。それで、
冬のうちに、
葉っぱになるめをよういします。【0】∵
14. (「
理科なぜどうして三年生」
偕成社)