1. 「いちばん
貧しい人に
仕えるため、町に出て
行こう。」
2.
何不自由ない
生活を
送っていたマザー・テレサが、そう
決心して
修道院をあとにしたとき、
持っていたお金はわずか五ルピーのみでした。
今の日本のお金にしてみると、およそ百五十円です。たったこれだけのお金でいったい
何ができるというのでしょう。しかし、マザーはあきらめません。
神に
与えられた
自分の
使命を
果たすためにも、あきらめるわけにはいかないのです。
3. カルカッタの町には、
多くの
子供たちが
表情もなく
座り込んでいました。学校へ
通うお金もなく、
食べるものも
満足になく、ただじっと
座り込んでいるのです。
4.
教育こそが
貧しさから
抜け出す鍵になると
直感したマザーは、すぐさま
子供たちを
集めて青空
教室を
開きました。もちろん
机もいすもありません。
地面を
黒板代わりにし、
読み書きの
基礎から
指導していきました。
5. その
噂は
またたく間に
広まり、たくさんの
子供たちがつめかけるようになりました。すると、マザーの
活動に
賛同し
手助けをしてくれる
強力な
協力者が
次々と
現われました。
6. たった五ルピーしか
持たないマザーが、その
活動を大きく
広げていったのは、こうした人々の
愛によるところが大きいのです。
7.
多くの
心ある人々に
支えられ、マザーなき
現在も、マザーの
活動はカルカッタの町にしっかりと
根づいています。
8.
私たちはみな、
愛を
持っています。ただ、
十分に人に
与える方法がわからないだけなのかもしれません。
9.「いったい、いつ、まずしい人々の
貧困はやむのですか。」
10.そうたずねられたマザーは、
11.「あなたと
私が
分かち合いはじめたときに。」
12.と
答えました。
13.
言葉の森
長文作成委員会(ω)