1.【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
2.【1】「また、止まってる。」
3. お母さんが
部屋に入ってきました。二年生のときの絵や作文、
写真などがいろいろなところから出てくるたび、
私は
片付けの手を止めてしまいます。
4.【2】「ちょっと思い出にひたっていただけ。」
5.と
言い訳をしましたが、
机の上には、たくさんのプリントや本や教科書が山のようになっています。
6.「思い出もいいけれど、これじゃあ夜までかかっても
終わらないわよ。」
7.【3】「
大丈夫、
大丈夫。ちゃんと
終わるって。」
8.「そう。
桃子おばちゃんたちとお
食事に行くから早く
終えてね。」
9. 春休みなので、親せきの
桃子おばちゃんたちと
夕飯を食べに行く
約束をしています。【4】それも、
私の
大好きなイタリアンだというではありませんか。もし、
終わらなくて、行けなくなったら
大変です。
私は
急に
心配になって、
次々と
要らなそうなプリントを
ゴミ箱に
捨て始めました。
10. 【5】すると、プリントにまじって、クラスのひとみちゃんがかいたイラストが出てきました。ひとみちゃんは、絵が上手で、いつもアニメの
主人公などをかいてくれるのです。うまいなあ。あっ、また手が止まった。【6】
私は、はっとして、
片付けを
続けました。教科書をまとめて
壁の
本棚に
移し、ノートは
押入れの中に入れました。テストは百点のと九十点のを上にして、
箱にしまいました。
11.
机の上の山がだいぶ
片付いてくると、
今度は細かいものが目につき
始めました。【7】下の方が
欠けてしまったキラキラの
鉛筆のキャップや、切れてしまったうさぎのヘアゴム、キティちゃんのメモの切れはし。どうしてこんなものをとってあったのだろうというものばかりです。【8】まったく、
要らないものはちゃんと
捨ててよね、と自分に言いたくなりました。∵
12.
机の上がきれいになり、
本棚にも新しい教科書を入れるスペースができると、
私はすがすがしい気分になってきました。【9】まるで、だれか
他人の
部屋に来たような
感じがします。その上、
勉強もがんばりたくなってきたから
不思議です。やっぱり
大事なのは
環境だなと
私は思いました。これで、おばちゃんたちとのお
食事にも行けそうです。【0】
13.(
言葉の森
長文作成委員会 φ)∵
14. 【1】
昔、田んぼにはナマズやドジョウなどの
生き物がたくさんすんでいました。しかし、
戦後、これらの
生き物は
急速に
減ってしまいました。その
原因の一つは、田んぼの
水路がコンクリートなどで
固められたために
生き物がすみにくくなったことです。【2】もう一つの
原因は、田んぼに、強い
農薬がまかれたためにやはり
生き物がすみにくくなったことです。
15. 田んぼには、
稲を弱らせてしまう虫が
発生します。たとえば、ウンカです。【3】
梅雨のころ、雲に
乗って中国からやってくるウンカは、日本の田んぼで数を
増やし、
稲の
汁を
吸ってつぎからつぎへと
枯らしてしまいます。ひどいときは、田んぼの
稲が
全滅してしまうほどです。今年もウンカの大
発生か。【4】ウンカ
悪いなあなどと言ってはいられません。またヨコバイも、
稲に
病気をうつすやっかいな虫です。
農薬をまくことで、一時
的に
害虫の力を
抑えて
増え方を
横バイにすることはできますが、虫たちが
農薬に
抵抗性を
持ち、やがて前よりも
農薬に強くなってしまうという
問題があります。
16. 【5】また、
農薬をまいたあと、
逆にウンカが大
発生してしまうこともあります。その
理由は、
農薬によって、ウンカやヨコバイを食べるクモやアメンボなどの
天敵が
減ってしまうからです。
17. 【6】そこで、
農薬を
使わないで
稲を
育てる方法がいろいろと考えられてきました。その一つは、小ブナを田んぼに
泳がせることで、
害虫を食べてもらったり、
草取りを
手伝ってもらったりする
方法です。【7】
草取りは
農家にとってはたいへんな
重労働ですが、コイやフナが田んぼを
泳ぎまわっていると、水がかきまわされてにごるので、
雑草が生えにくくなるのです。小ブナのおかげで、
農薬もほとんど
使わずにすみます。
18. 【8】田んぼにアイガモを
飼って、
害虫を食べさせるという
方法もあります。アイガモは、
稲の
天敵であるウンカの
卵まで食べてし∵まうので、
殺虫剤は
不要です。
雑草は、水かきでけられたり、食べられたりして、生えてこなくなります。【9】その上、アイガモのふんは、とてもいい
肥料になるので、
化学肥料をやらなくてもすむのです。まさに一石二鳥。アイガモを
使う方法はいかがですか。「あ、いいカモ!」【0】
19.
言葉の森
長文作成委員会(κ)