長文集  5月2週  ○地球は音よりはやい(感)  sa-05-2
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2011/01/06 15:04:40
 地球は音よりはやい――地球の運動――

 【1】むかし、キリスト教の教会では神さ
まが世界をお作りになったとき、人間のすん
でいる地球をまん中にして、太陽や、月や、
星が、そのまわりをまわるようにしたのだと
おしえていました。そして、そのころは、す
べての人が、そうしんじていたのです。
 【2】コペルニクスは、長いあいだ、星を
かんそくして、
(それはちがう。太陽はうごかないでいて、
地球や、月や、そのほかの星が、太陽のまわ
りを、ぐるぐるまわっているのだ。)
と、かんがえましたが、なかなかそれをいい
だすことができませんでした。【3】という
のは、そのころの教会の力は、たいそうつよ
くて、もしも、教会のおしえにそむくことを
いったら、どんなひどいめにあわされるかし
れなかったからです。
 けれども、コペルニクスは、ゆうきをだし
て、じぶんの正しいとしんじていることを本
にしようとけっしんしました。【4】が、そ
の本ができあがったとき、コペルニクスは、
びょうきで死んでしまいました。
 そのあと、コペルニクスのかんがえをせつ
めいしてあるいたブルーノという学者は、火
あぶりにされ、さんせいする本を書いたガリ
レオは、さいばんにかけられました。
 【5】このとき、ガリレオは、むりやりに
、じぶんのかんがえをとりけさせられました
が、
「それでも、地球はうごくのだ。」
と、つぶやいたということです。
 こうして、地球がうごくというかんがえは
、教会のきびしいはんたいにあいながらもだ
んだんにみとめられてきたのです。【6】今
では、地球がうごいているということは、だ
れでも知っている、あたりまえのことですが
、むかしは、こんなにもたいへんなことだっ
たのですね。
 さて、地球はこのように太陽のまわりをま
わっているのですが、ひとまわりするのに、
およそ三百六十五日かかります。
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 【7】わたしたちが、ふだん一年とよんで
いるのは、この、地球が太陽をひとまわりす
る時間をいっているのです。∵
 それでは、地球は、どれくらいのはやさで
、走っているとおもいますか。
 【8】おどろいてはいけませんよ。一時間
に、およそ十万キロというはやさで走ってい
るのです。特急「ひかり」が、いちばんはや
く走っているときで、一時間に二百二十キロ
、音よりはやいといわれるジェット機でも、
一時間に千三百キロくらいのはやさですか 
ら、地球のはやさとは、とてもくらべものに
なりませんね。
 【9】わたしたちは、そんなにはやく走っ
ている地球の上にい て、よくたおれないも
のだと、ふしぎにおもいますね。それは、地
球には、引力といって、ものをひきつける力
があって、人間をひっぱっているから、たお
れないのです。【0】

(「世界ふしぎめぐり三年生」より抜粋一部
調整)