長文 6.2週
1. 家ちくといっしょにテントのたび――モンゴルの人のくらし――

2. 【1】わたしたちのくらしかたは、まず家をつくって、そこにおちついてくらします。
3. 学校へいくのも、おつとめにでるのも、その家からです。
4. よほどのことがなければ、ひっこしはしません。
5. 【2】ところが、村ぜんたいが、いつもひとところにおちついていないで、家をもって、あちこち、ひっこしてあるく人たちがいます。
6. モンゴルの人たちが、そうです。
7. 【3】モンゴルは、あつささむさのちがいが、たいへんはげしいところで、しめりけがすくなく、土地がひじょうにかわいています。
8. そのため、さばくやひろい草原がひろがっており、おおくの人びとが、牛、うま、らくだ、ひつじ、やぎなどをかってくらしています。【4】そして、いつも水や草のあるところをさがして、つぎつぎとひっこしてあるくのです。
9. ふつう一けんの家で、ひつじを二、三百頭、牛を五十頭、馬を二十頭くらいもっています。【5】ですから、村全体ぜんたいがひっこすとなると、たいへんなさわぎとなります。
10. しかし、家は、ごくかんたんなもので、おりたたみができますから、たいしてせわはありません。
11. 【6】やなぎの木をくみあわせて、ほねぐみをつくり、それにひつじの毛がわを、すっぽり上からかぶせただけのすまいです。この家のことを、パオといっています。
12. 【7】パオは、くみたても、とりはずしも、二、三時間でできてしまうたいへんべんりな家です。
13. モンゴルの人たちのたべものは、おもに、ひつじや牛のちち、にくなどです。【8】朝は、チャオミイといって、ひつじのちちをいれたお茶に、いったあわをいれてたべます。夕はんは、ゴリルといって、ひつじのにくに、うどんをまぜてにたものです。そして、一日のうちに、なんかいもお茶をのみます。【9】このお茶は、ひつじの毛がわととりかえて、手にいれます。
14. ねんりょうには、ひつじや牛のあぶらのほか、牛のふんをかわかしたものをつかっています。パオも、ひつじの毛がわでつくったものです。【0】

15.(「世界せかいふしぎめぐり三年生」より抜粋ばっすい