長文 6.3週
1. 遠くへたびをする鳥――わたり鳥のいろいろ――

2. 【1】春になると、つばめが南の国からとんできて、家ののき下などにすをつくるのを、みなさんは知っていますね。
3. そこの家の人たちは、
4.「ああ、ことしもまた、つばめがやってきた。【2】よくわすれないで、くるもんだ。かわいいものだな。」
5.といって、じぶんの子どもが、長いたびからかえってきたように、かわいくおもうものです。
6. つばめは、くるそうそう、どろをくわえてきては、もとあったすの手いれをして、やがて、そこにたまごをうみます。
7. 【3】ひながかえると、こんどは、せっせとえさをさがしてきて、ひなをそだて、秋になると、大きくなった子つばめをつれて、また南の国へかえっていきます。
8. 南の国って、いったいどこでしょう。
9. 【4】おどろいてはいけませんよ。フィリピンとかインドネシアとか、海をこえた、遠くのほうなのです。
10. これとはんたいに、秋になると、北の国から日本にやってきて、冬のあいだじゅういて、春にかえっていく鳥もあります。
11. 【5】がんや、かもなどが、そうです。
12. これは、どこからくるのかというと、ずっと北のほうの、シベリアとか、カムチャッカという、さむいところからです。
13. 夏のあいだじゅう、そこで、ひなをそだてて、秋に日本へやってくるのです。
14. 【6】このように、遠くからたびをしてくる鳥を、わたり鳥といっていますが、そのうちで、つばめのように夏のあいだ日本にいる鳥を、夏鳥といいます。
15. そして、がんや、かものように、冬のあいだいる鳥を冬鳥といっています。
16. 【7】冬鳥には、このほか、つる、つぐみ、まひわなどがあります。
17. ほととぎすやかっこう、つつどり、おおるり、さんこうちょう、ぶっぽうそうなどは、夏鳥です。
18. 【8】うぐいすも、春になると、町の近くにやってきます。けれど、これは、夏のあいだ山にすんでいて、冬になると、あたたかい海べや野原にでてきて、そこでひなをうみ、春のあいだ、平野へいやにすんでいるのです。
19. 【9】うぐいすのほかにも、ひよどりや、もずなどは、山と平野へいやのあいだだけを、いったりきたりしているのです。
20. こうしてみると、たいていの鳥がたびをしているみたいですね。∵
21. それでも、ひとつところにいて、どこにもたびをしない鳥も、いることはいます。
22. 【0】みなさん、ごぞんじでしょう。
23. すずめ、からす。これは、たしかに、一年じゅう、わたしたちの目のまえをとんでいますね。

24.(「世界せかいふしぎめぐり三年生」より抜粋ばっすい一部いちぶ調整ちょうせい