1.【長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。】
2. コロンブスの
時代、人々はまだ、
地球が丸いとは思っていませんでした。そのころ、ヨーロッパ
諸国は、
貿易を行いキリスト教を広めるため、さかんに船で東方にあるアジア
進出を
目指していました。この
時代を大
航海時代と
呼んでいます。
3. イタリア生まれのコロンブスは、東を
目指す人々とは
異なる考えを
持っていました。
彼は、
地球が丸いことを
信じていました。アフリカの南をまわってアジアを
目指すよりも、
大西洋を西へ
進んだほうが、ずっと早くアジアに
たどり着けるはずだと考えたのです。もう一つ、コロンブスに
航海を
決心させたものがあります。それは、マルコ・ポーロの「東方見聞
録」でした。そこに書かれていた、黄金の国ジパング(日本)は、ヨーロッパの人のあこがれの
的でした。
彼はスペインの女王の
援助を
受け、サンタ・マリア
号に
乗って、西回りでアジアに行く計画を
実行することになりました。
4. このとき、コロンブスが
要求したことは、もしインドを見つけたらその
宝の十分の一を自分がもらうこと、
発見した土地の
総督になること、スペインの
貴族になることなどでした。当時、
遠洋航海には
莫大な
資金が
必要でした。このため、イギリスやフランスは、コロンブスの
提案を
受け入れることができませんでした。コロンブスにとってもスペインの女王にとっても、
航海は大きな
賭けだったのです。
5. サンタ・マリア
号の
乗組員たちは、地図にも
載っていない
未知の
海域へと
航海に出ました。そして、二か月
以上の
航海を
経て、ようやく
陸地を見つけることができたのです。コロンブスの考えでは、そこはアジアのはずでした。
6.
地球儀を見るとわかりますが、ヨーロッパから西に
向かって
大西洋を
横断すると、
巨大な
アメリカ大陸にぶつかります。
アメリカ大陸を
越えて広い
太平洋を
横断しなければ、アジアに∵
到着することはできません。
実際の
地球は、コロンブスが考えているより、ずっと大きかったのです。
7.
アメリカ大陸の
存在を知らなかったのですから、コロンブスが
新大陸をアジアだと思ったのも
無理はありません。コロンブスは、
上陸した
島々に名前をつけ、スペインの
領土としました。
8. 当時、インドという
言葉は
漠然とアジア
全体を
指す言葉としても
使われていました。
アメリカ大陸にもともと
住んでいた人々を、コロンブスはインドの人という
意味でインディオスと
呼びました。
9. スペインに帰ったあと、
彼の
発見はたいへんな
評判になりました。
彼は一生、自分が
発見した
陸地をアジアだと
信じていたそうです。
10. コロンブスのタマゴの話は
有名です。この話を聞いて、ある人が同じようにタマゴを立てようとすると、タマゴはうまく立たずに、コロン。その人はブスっとしていたそうです。はい、
縮めて言うと、コロン。ブス。
11.
言葉の森
長文作成委員会(κ)∵
12. 【1】七五三というのは年のことですが、
実際は六
歳や四
歳で
お祝いをすることがあります。七五三の年は、数え年というもので、
実際の年より一つか二つ上になります。どうしてこういう年の数え方をするのでしょう。
13. 【2】今は
誕生日がくると一つ年をとる
満年齢が
普通です。しかし、
昔はそうではありませんでした。新しい年がくると、みんないっせいに一つ年をとったのです。
14. 【3】お年玉というのは、もともと年の
魂のことで、お正月に年の
魂であるお
餅を食べて、年を一つとったというわけです。
15. この数え年の考え方は
東洋のもので、
西洋では
昔から今のような
満年齢の数え方でした。【4】
西洋では、赤ちゃんが生まれてきたときから、
年齢を数えます。しかし、日本では、お母さんのおなかにいるときから赤ちゃんの
年齢を数えるため、生まれた
瞬間に一
歳としました。【5】もし、十二月三十一日に生まれたとしたら、その赤ちゃんは生まれたときにもう一
歳です。そして、
次の日に
元旦を
迎えると、すぐに二
歳になるのです。
16. 【6】だれもが同じ一月一日に一つ年をとるというのは、それだけ年が
改まるお正月の
意味が大きかったからなのかもしれません。
17. 今の
満年齢の数え方になったのは、
第二
次世界大戦後のことです。【7】生まれた日から数える
満年齢の考え方は、それなりに
正確で
実用的です。しかし、お正月にお
餅を食べていっせいに年をとった古き
時代のやり方には、
等しく命を
大事にする
文化があったように思えます。
18. 【8】お正月は、お
雑煮のお
餅を食べながら、モチっと日本の
文化について考えてみるのもいいかもしれません。
19. 七五三は、三
歳五
歳七
歳で
お祝いをします。【9】どうして、
年齢の
順に三五七と言わないかというと、
次のようなことがあるからです。
20.「えーと、そろそろうちの子も、あれだな。あの三五、えーと三五……」
21.「十五でしょ」【0】∵
22.
言葉の森
長文作成委員会(α)