長文集  4月1週  ○田んぼの生き物(感)  sa2-04-1
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2011/01/06 15:08:49
 【1】昔、田んぼにはナマズやドジョウな
どの生き物がたくさんすんでいました。しか
し、戦後、これらの生き物は急速に減ってし
まいました。その原因の一つは、田んぼの水
路がコンクリートなどで固められたために生
き物がすみにくくなったことです。【2】も
う一つの原因は、田んぼに、強い農薬がまか
れたためにやはり生き物がすみにくくなった
ことです。
 田んぼには、稲を弱らせてしまう虫が発生
します。たとえば、ウンカです。【3】梅雨
のころ、雲に乗って中国からやってくるウン
カは、日本の田んぼで数を増やし、稲の汁を
吸ってつぎからつぎへと枯らしてしまいます
。ひどいときは、田んぼの稲が全滅してしま
うほどです。今年もウンカの大発生か。【4
】ウンカ悪いなあなどと言ってはいられませ
ん。またヨコバイも、稲に病気をうつすやっ
かいな虫です。農薬をまくことで、一時的に
害虫の力を抑えて増え方を横バイにすること
はできますが、虫たちが農薬に抵抗性を持 
ち、やがて前よりも農薬に強くなってしまう
という問題がありま す。 
 【5】また、農薬をまいたあと、逆にウン
カが大発生してしまうこともあります。その
理由は、農薬によって、ウンカやヨコバイを
食べるクモやアメンボなどの天敵が減ってし
まうからです。
 【6】そこで、農薬を使わないで稲を育て
る方法がいろいろと考えられてきました。そ
の一つは、小ブナを田んぼに泳がせること 
で、害虫を食べてもらったり、草取りを手伝
ってもらったりする方法です。【7】草取り
は農家にとってはたいへんな重労働ですが、
コイやフナが田んぼを泳ぎまわっていると、
水がかきまわされてにごるので、雑草が生え
にくくなるのです。小ブナのおかげで、農薬
もほとんど使わずにすみます。 
 【8】田んぼにアイガモを飼って、害虫を
食べさせるという方法もあります。アイガモ
は、稲の天敵であるウンカの卵まで食べてし
∵まうので、殺虫剤は不要です。雑草は、水
かきでけられたり、食べられたりして、生え
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てこなくなります。【9】その上、アイガモ
のふんは、とてもいい肥料になるので、化学
肥料をやらなくてもすむのです。まさに一石
二鳥。アイガモを使う方法はいかがですか。
「あ、いいカモ!」【0】

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(
κ)