長文 4.1週
1. 【1】むかし、田んぼにはナマズやドジョウなどの生き物い ものがたくさんすんでいました。しかし、戦後せんご、これらの生き物い もの急速きゅうそく減っへ てしまいました。その原因げんいんの一つは、田んぼの水路すいろがコンクリートなどで固めかた られたために生き物い ものがすみにくくなったことです。【2】もう一つの原因げんいんは、田んぼに、強い農薬のうやくがまかれたためにやはり生き物い ものがすみにくくなったことです。
2. 田んぼには、いねを弱らせてしまう虫が発生はっせいします。たとえば、ウンカです。【3】梅雨つゆのころ、雲に乗っの て中国からやってくるウンカは、日本の田んぼで数を増やしふ  いねしる吸っす てつぎからつぎへと枯らしか  てしまいます。ひどいときは、田んぼのいね全滅ぜんめつしてしまうほどです。今年もウンカの大発生はっせいか。【4】ウンカ悪いわる なあなどと言ってはいられません。またヨコバイも、いね病気びょうきをうつすやっかいな虫です。農薬のうやくをまくことで、一時てき害虫がいちゅうの力を抑えおさ 増えふ 方を横バイよこ  にすることはできますが、虫たちが農薬のうやく抵抗ていこうせい持ちも 、やがて前よりも農薬のうやくに強くなってしまうという問題もんだいがあります。 
3. 【5】また、農薬のうやくをまいたあと、ぎゃくにウンカが大発生はっせいしてしまうこともあります。その理由りゆうは、農薬のうやくによって、ウンカやヨコバイを食べるクモやアメンボなどの天敵てんてき減っへ てしまうからです。
4. 【6】そこで、農薬のうやく使わつか ないでいね育てるそだ  方法ほうほうがいろいろと考えられてきました。その一つは、小ブナを田んぼに泳がせるおよ   ことで、害虫がいちゅうを食べてもらったり、草取りくさと 手伝ってつだ てもらったりする方法ほうほうです。【7】草取りくさと 農家のうかにとってはたいへんな重労働じゅうろうどうですが、コイやフナが田んぼを泳ぎおよ まわっていると、水がかきまわされてにごるので、雑草ざっそうが生えにくくなるのです。小ブナのおかげで、農薬のうやくもほとんど使わつか ずにすみます。 
5. 【8】田んぼにアイガモを飼っか て、害虫がいちゅうを食べさせるという方法ほうほうもあります。アイガモは、いね天敵てんてきであるウンカのたまごまで食べてし∵まうので、殺虫さっちゅうざい不要ふようです。雑草ざっそうは、水かきでけられたり、食べられたりして、生えてこなくなります。【9】その上、アイガモのふんは、とてもいい肥料ひりょうになるので、化学かがく肥料ひりょうをやらなくてもすむのです。まさに一石二鳥。アイガモを使うつか 方法ほうほうはいかがですか。「あ、いいカモ!」【0】

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