長文集  5月4週  ○ミルクの不思議(感)  sa2-05-4
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2011/01/06 15:08:01
 【1】哺乳類の赤ちゃんは、母親からミル
クを与えられて育ちます。動物のミルクの成
分は、みな同じではなく、それぞれに特徴が
あります。【2】たとえば、オランウータン
やチンパンジーなど は、母親がいつも子供
のそばにいてミルクを与えることができる生
活をしているので、ミルクは薄く、たんぱく
質と脂肪が少なくなっています。
 【3】ところが、ライオンなどの狩りに出
かける動物は、母親が何時間も留守にするた
め、その間は子供にミルクを与えることがで
きません。長時間子供のお腹(なか)を満た
しておく必要があるので、ミルクは濃く、た
んぱく質と脂肪をたくさん含んでいます。
 【4】また、寒い地方や水中にすむ動物は
、体温をうばわれないように、皮膚の下にた
くさんの脂肪をたくわえています。この仲間
であるアザラシやアシカのミルクはとても濃
く、脂肪がたくさん含まれています。
 【5】クジラやイルカの赤ちゃんは、水中
でミルクを飲みます が、まだ赤ちゃんなの
で長時間もぐっていることができません。そ
こで、短い時間でもたくさんの栄養を取れる
ように、やはり濃いミルクになっています。
 【6】人間のお腹(なか)の中(なか)に
は、たくさんの細菌がすんでいて、その中に
は役に立つものと病気のもとになるものがあ
ります。赤ちゃんのお腹(なか)の中(なか
)にも、生まれて間もなく、さまざまな細菌
がすみつきはじめます。【7】母乳には、赤
ちゃんにとって役に立つ微生物が増えるため
の成分や、病気のもとになる細菌を増やさな
いようにする成分が入っていて、赤ちゃんの
健康を保つ大きな役割りを果たしています。
 【8】赤ちゃんが生まれて間もないころの
母乳は、初乳(しょにゅう)と呼ばれていま
す。人間の体には、外から入ってきた病気の
もとを撃退するための免疫というシステムが
ありますが、生まれたばかりの赤ちゃんは、
まだ免疫を十分(じゅうぶん)に持っていま
せん。【9】初乳(しょにゅう)には、お母
さんが∵持っている免疫物質がふくまれてい
て、それが赤ちゃんの体の中で吸収されて、
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いろいろな病気から赤ちゃんを守っているの
です。

 おっぱいには、このようにいろいろなもの
がいっぱい入っています。
 【0】しかし、赤ちゃんが大きくなり、自
分でご飯が食べられるようになると、やがて
赤ちゃんは自分の力で生きていくようになり
ます。
 そこで、「おっぱいさん、グッパーイ」と
なるわけです。

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(
κ)