1. 【1】
哺乳類の赤ちゃんは、母親からミルクを
与えられて
育ちます。
動物のミルクの
成分は、みな同じではなく、それぞれに
特徴があります。【2】たとえば、オランウータンやチンパンジーなどは、母親がいつも
子供のそばにいてミルクを
与えることができる生活をしているので、ミルクは
薄く、
たんぱく質と
脂肪が少なくなっています。
2. 【3】ところが、ライオンなどの
狩りに出かける
動物は、母親が何時間も
留守にするため、その間は
子供にミルクを
与えることができません。長時間
子供のお
腹を
満たしておく
必要があるので、ミルクは
濃く、
たんぱく質と
脂肪をたくさん
含んでいます。
3. 【4】また、
寒い地方や水中にすむ
動物は、
体温をうばわれないように、
皮膚の下にたくさんの
脂肪をたくわえています。この
仲間であるアザラシやアシカのミルクはとても
濃く、
脂肪がたくさん
含まれています。
4. 【5】クジラやイルカの赤ちゃんは、水中でミルクを
飲みますが、まだ赤ちゃんなので長時間もぐっていることができません。そこで、
短い時間でもたくさんの
栄養を
取れるように、やはり
濃いミルクになっています。
5. 【6】人間のお
腹の
中には、たくさんの
細菌がすんでいて、その中には
役に立つものと
病気のもとになるものがあります。赤ちゃんのお
腹の
中にも、生まれて間もなく、さまざまな
細菌がすみつきはじめます。【7】
母乳には、赤ちゃんにとって
役に立つ微生物が
増えるための
成分や、
病気のもとになる
細菌を
増やさないようにする
成分が入っていて、赤ちゃんの
健康を
保つ大きな
役割りを
果たしています。
6. 【8】赤ちゃんが生まれて間もないころの
母乳は、
初乳と
呼ばれています。人間の体には、外から入ってきた
病気のもとを
撃退するための
免疫というシステムがありますが、生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ
免疫を
十分に
持っていません。【9】
初乳には、お母さんが∵
持っている
免疫物質がふくまれていて、それが赤ちゃんの体の中で
吸収されて、いろいろな
病気から赤ちゃんを
守っているのです。
7. おっぱいには、このようにいろいろなものがいっぱい入っています。
8. 【0】しかし、赤ちゃんが大きくなり、自分で
ご飯が食べられるようになると、やがて赤ちゃんは自分の力で生きていくようになります。
9. そこで、「おっぱいさん、グッパーイ」となるわけです。
10.
言葉の森
長文作成委員会(κ)