長文 5.4週
1. 【1】哺乳類ほにゅうるいの赤ちゃんは、母親からミルクを与えあた られて育ちそだ ます。動物どうぶつのミルクの成分せいぶんは、みな同じではなく、それぞれに特徴とくちょうがあります。【2】たとえば、オランウータンやチンパンジーなどは、母親がいつも子供こどものそばにいてミルクを与えるあた  ことができる生活をしているので、ミルクは薄くうす たんぱく質    しつ脂肪しぼうが少なくなっています。
2. 【3】ところが、ライオンなどの狩りか に出かける動物どうぶつは、母親が何時間も留守るすにするため、その間は子供こどもにミルクを与えるあた  ことができません。長時間子供こどものおなか満たしみ  ておく必要ひつようがあるので、ミルクは濃くこ たんぱく質    しつ脂肪しぼうをたくさん含んふく でいます。
3. 【4】また、寒いさむ 地方や水中にすむ動物どうぶつは、体温たいおんをうばわれないように、皮膚ひふの下にたくさんの脂肪しぼうをたくわえています。この仲間なかまであるアザラシやアシカのミルクはとても濃くこ 脂肪しぼうがたくさん含まふく れています。
4. 【5】クジラやイルカの赤ちゃんは、水中でミルクを飲みの ますが、まだ赤ちゃんなので長時間もぐっていることができません。そこで、短いみじか 時間でもたくさんの栄養えいよう取れると  ように、やはり濃いこ ミルクになっています。
5. 【6】人間のおなかなかには、たくさんの細菌さいきんがすんでいて、その中には役に立つやく た ものと病気びょうきのもとになるものがあります。赤ちゃんのおなかなかにも、生まれて間もなく、さまざまな細菌さいきんがすみつきはじめます。【7】母乳ぼにゅうには、赤ちゃんにとって役に立つやく た 微生物びせいぶつ増えるふ  ための成分せいぶんや、病気びょうきのもとになる細菌さいきん増やさふ  ないようにする成分せいぶんが入っていて、赤ちゃんの健康けんこう保つたも 大きなやく割りわ 果たしは  ています。
6. 【8】赤ちゃんが生まれて間もないころの母乳ぼにゅうは、初乳しょにゅう呼ばよ れています。人間の体には、外から入ってきた病気びょうきのもとを撃退げきたいするための免疫めんえきというシステムがありますが、生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ免疫めんえき十分じゅうぶん持っも ていません。【9】初乳しょにゅうには、お母さんが∵持っも ている免疫めんえき物質ぶっしつがふくまれていて、それが赤ちゃんの体の中で吸収きゅうしゅうされて、いろいろな病気びょうきから赤ちゃんを守っまも ているのです。

7. おっぱいには、このようにいろいろなものがいっぱい入っています。
8. 【0】しかし、赤ちゃんが大きくなり、自分でご飯 はんが食べられるようになると、やがて赤ちゃんは自分の力で生きていくようになります。
9. そこで、「おっぱいさん、グッパーイ」となるわけです。

10. 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいん会(κ)