1. 【1】七五三というのは年のことですが、
実際は六
歳や四
歳で
お祝いをすることがあります。七五三の年は、数え年というもので、
実際の年より一つか二つ上になります。どうしてこういう年の数え方をするのでしょう。
2. 【2】今は
誕生日がくると一つ年をとる
満年齢が
普通です。しかし、
昔はそうではありませんでした。新しい年がくると、みんないっせいに一つ年をとったのです。
3. 【3】お年玉というのは、もともと年の
魂のことで、お正月に年の
魂であるお
餅を食べて、年を一つとったというわけです。
4. この数え年の考え方は
東洋のもので、
西洋では
昔から今のような
満年齢の数え方でした。【4】
西洋では、赤ちゃんが生まれてきたときから、
年齢を数えます。しかし、日本では、お母さんのおなかにいるときから赤ちゃんの
年齢を数えるため、生まれた
瞬間に一
歳としました。【5】もし、十二月三十一日に生まれたとしたら、その赤ちゃんは生まれたときにもう一
歳です。そして、
次の日に
元旦を
迎えると、すぐに二
歳になるのです。
5. 【6】だれもが同じ一月一日に一つ年をとるというのは、それだけ年が
改まるお正月の
意味が大きかったからなのかもしれません。
6. 今の
満年齢の数え方になったのは、
第二
次世界大戦後のことです。【7】生まれた日から数える
満年齢の考え方は、それなりに
正確で
実用的です。しかし、お正月にお
餅を食べていっせいに年をとった古き
時代のやり方には、
等しく命を
大事にする
文化があったように思えます。
7. 【8】お正月は、お
雑煮のお
餅を食べながら、モチっと日本の
文化について考えてみるのもいいかもしれません。
8. 七五三は、三
歳五
歳七
歳で
お祝いをします。【9】どうして、
年齢の
順に三五七と言わないかというと、
次のようなことがあるからです。∵
9.「えーと、そろそろうちの子も、あれだな。あの三五、えーと三五……」
10.「十五でしょ」【0】
11.
言葉の森
長文作成委員会(α)