1. 【1】
私たち日本人にとって、
海苔はとてもなじみ
深いものですが、外国の人たちにはそうでもないようです。
2.
明治時代に日本にやってきた
西洋人は、「日本人は黒い紙を食べる」と言って
不思議がったようですが、今でも
海苔が
苦手な外国人は多いようです。【2】外国人のパーティーに、
巻きずしを作って
持っていったら、その
美しさには
感心されたが、
海苔をはがして食べるので、せっかくの
巻きずしがぐちゃぐちゃになってしまったという話も聞きます。どうして
海苔をはがしたのかというと、「
皮だと思った」のだそうです。
3. 【3】あまり知られていませんが、二月六日は「
海苔の日」です。なぜこの日が「
海苔の日」になったのかというと、今から千三百年くらい前の日本
最古の
法律である「
大宝律令」が広められた日だからです。
奈良時代のすぐ前、
飛鳥時代の
終わり頃のことです。【4】その「
大宝律令」の中には、
朝廷に
納める税金として、二十九
種類の
海産物がのっていました。そのうち八
種類が
海藻で、その中の一つが
海苔でしたが、その
海藻の中でも、
海苔は一番の
高級品でした。
4. 【5】その後の
時代も
海苔は
貴重品として
扱われてきましたが、ただ、この
頃食べられていたのは生
海苔で、今
私たちが食べているような
乾物の
海苔ではありませんでした。【6】のちに、
江戸時代になってから、
浅草で紙の
漉き方にヒントを
得た「
漉き海苔」が
登場し、「
浅草海苔」として
全国に広まりました。この
頃、
海苔巻きも大
流行し、人気の
食べ物となったようです。
5. 【7】
海苔の
養殖は
江戸時代から
始まっていましたが、まだ
失敗も多く、
海苔の
生産は
不安定で、
値段も
一定しませんでした。しかし、
昭和二十四年、イギリスのドゥルー
女史が、
海苔の一生を細かく
調べることに
成功しました。【8】この
知識を
基に、ようやく
海苔は人工
的に
養殖できるようになったのです。∵
6.
海苔のサイズは、切る前の
基本となる「
全形」が
横十九センチメートル、
縦二十一センチメートルという、とても
中途半端なサイズに
統一されています。【9】これを、
各メーカーが色々な
枚数にカットして、食べやすい大きさにして売っています。このサイズは、
海苔を
漉くときに
使われていた木
枠のサイズの
名残なのです。
7. 【0】
海苔を作るときには、紙を
漉くときのようにこの
簾の上にどろどろになった生
海苔をすくいとり、
乾かして作ります。
乾いたらやはり紙のように、この
簾をぺりっとはがしてできあがりです。だから、のりは
乾かしたときの
表面にあたる
表がつるっとしていて、
簾からはがした
裏面がでこぼこになっているのです。
8.
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