長文集  10月4週  ○味の感じ方(感)  su2-10-4
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2010/08/06 19:14:41
 【1】イチゴが、赤色、水色、ピンク色の
それぞれのお皿に盛られているとすると、ピ
ンクのお皿のイチゴを選ぶ人がいちばん多い
そうです。ピンクは甘いと感じさせる色だか
らです。水色は塩味 を、赤色は辛味を連想
させるといいます。見た目も、味の大切な要
素なのです。
 【2】味は、緊張とも関係があります。緊
張すると味を感じにくくなります。緊張を感
じる場所と味を感じる場所は、脳の中の同じ
ところにあるからです。【3】緊張した状態
で食事をすると、緊張の方が優先されてしま
います。だから、緊張がなくなるにつれ、味
がはっきり自覚され、リラックスした状態で
食べるものはおいしく味わえるのです。
 【4】味覚は五種類に分類されています。
甘味、塩味、酸味、苦味、旨味です。中でも
甘味は、太古の昔から、エネルギーのもとで
あったため、何より好まれる味となっていま
す。【5】また、苦味は五つの基本味の中で
、もっとも薄い濃度で感じることができま 
す。というのも昔から「苦いものには毒があ
る」という認識が体にしみこんでいて、少し
でも苦味があると敏感に感じて、体が警戒す
るからです。【6】苦味のあるものと言えば
、コーヒーやビール、カカオなどが思い浮か
びます。これらはいわゆる「大人の味」で、
経験を積むことで好きになっていくもののよ
うです。
 【7】また、渋味(しぶみ)は五つの基本
味には入っていませんが、最近健康の面で注
目されています。渋味(しぶみ)というのは
口の中がひきつった感じや舌に膜がはった感
じのするものです。【8】渋味(しぶみ)は
緑茶のカテキン、ワインのタンニンなどの味
で、これらは生活習慣病の予防に役立つとさ
れています。
 【9】ところで、動物の中で最も味を感じ
ることのできるのはナマズだと言われていま
す。というのも、ナマズは、口の中だけでな
く、∵皮膚、エラ、尾など、全身で味を感じ
られるからです。ナマズの食事は、人で言え
ば、さだめしナマでズずっと味わうようなも
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