1. 【1】イチゴが、赤色、水色、ピンク色のそれぞれのお
皿に
盛られているとすると、ピンクのお
皿のイチゴを
選ぶ人がいちばん多いそうです。ピンクは
甘いと
感じさせる色だからです。水色は
塩味を、赤色は
辛味を
連想させるといいます。見た目も、
味の大切な
要素なのです。
2. 【2】
味は、
緊張とも
関係があります。
緊張すると
味を
感じにくくなります。
緊張を
感じる場所と
味を
感じる場所は、
脳の中の同じところにあるからです。【3】
緊張した
状態で
食事をすると、
緊張の方が
優先されてしまいます。だから、
緊張がなくなるにつれ、
味がはっきり
自覚され、リラックスした
状態で食べるものはおいしく
味わえるのです。
3. 【4】
味覚は五
種類に
分類されています。
甘味、
塩味、
酸味、
苦味、
旨味です。中でも
甘味は、太古の
昔から、エネルギーのもとであったため、何より
好まれる
味となっています。【5】また、
苦味は五つの
基本味の中で、もっとも
薄い濃度で
感じることができます。というのも
昔から「
苦いものには
毒がある」という
認識が体にしみこんでいて、少しでも
苦味があると
敏感に
感じて、体が
警戒するからです。【6】
苦味のあるものと言えば、コーヒーやビール、カカオなどが思い
浮かびます。これらはいわゆる「大人の
味」で、
経験を
積むことで
好きになっていくもののようです。
4. 【7】また、
渋味は五つの
基本味には入っていませんが、
最近健康の
面で
注目されています。
渋味というのは口の中がひきつった
感じや
舌に
膜がはった
感じのするものです。【8】
渋味は
緑茶のカテキン、ワインのタンニンなどの
味で、これらは生活
習慣病の
予防に
役立つとされています。
5. 【9】ところで、
動物の中で
最も味を
感じることのできるのはナマズだと言われています。というのも、ナマズは、口の中だけでなく、∵
皮膚、エラ、
尾など、
全身で
味を
感じられるからです。ナマズの
食事は、人で言えば、さだめしナマでズずっと
味わうようなものかもしれません。【0】
6.
言葉の森長文
作成委員会 α