1. 【1】二十
世紀の
終わりごろ、マダガスカルで、
約七〇〇〇万年前のものと思われるカエルの
化石が
発見されました。その
化石は、南米にいるツノガエルによく
似ていて、しかも体長が五〇センチ、
体重は四・五キロもあったと思われる大きなものでした。
2. 【2】
現在生息している
世界最大のカエルは、アフリカに
棲むゴライアスガエルです。「ゴライアス」というのは、
旧約聖書に出てくる
巨人、「ゴリアテ」の
英語風の読み方です。【3】ゴライアスガエルは、
種類によっては、体長が三〇センチメートルくらい、
体重は三キログラム近くになります。
3. 【4】日本の
水族館では、ゴライアスガエルに、
餌としてハツカネズミを
与えていますが、一
飲みで食べてしまいます。このカエルは、
現地では
貴重なタンパク
源として食用になっていますが、つかまえるのは
大変そうです。
4. 【5】さて、新しく見つかった
巨大な
化石のカエルには、「
悪魔のカエル」という
意味の名前がつけられました。この「
悪魔のカエル」は、
歯や
丈夫なあごを
持っていました。【6】これによく
似たツノガエルが、大きな口で自分の体の半分ほどもあるネズミを
飲み込むこともあることから、このカエルもかなり大きめの
生き物をエサとしていたのではないかと考えられています。
5. 【7】
約七〇〇〇万年前の
地球は、白
亜紀でした。ティラノサウルスやトリケラトプスといった
恐竜たちが、
我が物顔に歩き回っていた
時代です。
小型の
恐竜の赤ちゃんなら、このカエルに食べられてしまったかもしれません。
6. 【8】このカエルが生きていた
時代、まだ
人類は
出現していませんでしたが、もしもいたとしたら、人がカエルに
襲われる、などということもあったかもしれません。【9】それとも、
知恵があって何でも食用にしてしまう人間のことですから、
逆においしく、「
悪魔のカエル」をいただいていたのでしょうか。【0】
7.
言葉の森長文
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