長文集  4月1週  ○一万年あまり前  ta-04-1
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2017/03/14 09:53:05
【1】「ああっ、これ、だれがやったの!」
 お母さんのさけび声が聞こえます。だれか
って、犯人はぼくだとわかっているのにいつ
もそんなふうに言うのです。
「うわあ、こんなことするのは、シゲしかい
ない。」
 【2】続いて聞こえるお姉ちゃんの声もい
つもどおりです。二人がキッチンでぼくのこ
とを言っているのが聞こえます。ぼくは、ド
ラキュラのマスクをかぶって階段のかげにひ
そんでいて、いつ飛び出して驚かせようかと
考えていたのですが、ちょっとひるんでしま
いました。【3】ついにお姉ちゃんが、
「こうなったら、お父さんに言いつけるしか
ない。」
と言い出しました。
 ぼくは、いたずらが大好きです。学校でも
うちでも、年がら年 中、いたずらのネタを
考えています。【4】人がびっくりしたり、
不思議そうな顔をしたりするのを見ると、と
てもうれしくなりま す。だから、先生や家
族にどんなに叱られても、また次のいたずら
を思いついてしまうのです。
 【5】昨日は、トイレットペーパーの内側
にゴムでできたトカゲをはさんで、ペーパー
を引き出すとトカゲが落ちてくるようにして
おきました。
 また、夜には、キッチンの塩と砂糖の入れ
物のフタをとりかえておきました。【6】塩
が青で、砂糖が赤のフタなのを逆にしておい
たのです。
 そして、今日のいたずらは、お姉ちゃんの
問題集のカバーを全科目つけかえたのと、お
母さんのショッピングバッグに小さい鉄アレ
イを隠したことです。
 さて、お父さんが出張から帰ってきました
。【7】お姉ちゃんは真っ先にぼくにされた
いたずらを言いつけにいきます。
 お父さんは、笑いながらそれを聞いていま
したが、心配でのぞいていたぼくに気がつく
と、
「おっ、いたずら小僧がいたぞ。」
と、ぼくに手招きをしました。∵【8】そし
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て、
「シゲ、お前のいたずらはスケールが小さい
なあ。やるんだった ら、もっとでっかいい
たずらをやれ。」
と、ぼくのお尻をたたきました。そして、
「それと、いたずらっていうのは、人を困ら
せるんじゃなくて、喜ばせるものじゃないと
な。」
と言いました。
 【9】おばあちゃんによると、お父さんも
相当ないたずらっ子だったようです。ぼくは
、うなずきながら、お父さんはどんないたず
らをしたのかなと心の中で思いました。【0


(言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会 
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