長文集  8月4週  ○アフリカ・オーストラリア・南アメリカの  ti-08-4
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/06/09 09:44:46
 アフリカ・オーストラリア・南アメリカの
三大陸には、肺魚というさかながいて、真水
の中に住んでいます。肺魚という名まえから
もわかるように、うきぶくろが、たいへん肺
によく似ています。
 肺魚も、ふだんは、えらで呼吸をしていま
すが、雨のない季節に水が干あがってくると
、肺、すなわち、うきぶくろで、呼吸をする
ようになります。
 南アメリカの肺魚は、自分の住んでいるぬ
まがかわいてくると、まず土にあなをほって
はいりこみ、からだが水から出るにしたがっ
て、うきぶくろで呼吸を始めます。土がすっ
かりかわいてしまいますと、からだがからか
らにかわかないように、ねばっこい液でから
だをくるんで、ふたたび、雨の季節になるま
で、じっとしていま す。
 このように肺で呼吸することのできるさか
なが、だんだん水から陸に上がってきて、や
がて、すっかり陸上動物になってしまうこと
が、想像されないでしょうか。実際に三億年
ぐらいのむかしに、空気を呼吸するさかなが
、陸上と水中と両方で生活するようになっ 
て、両生類のなかまが生まれ出ました。
 動物が陸上で生活するためには、陸上に植
物がはえている必要があります。たとえ肉食
の動物でも、そのえじきになる動物は、植物
を食べているのだし、すみかや、かくれがと
しても、植物が必要だから、植物がはえてい
なければ、動物は生活できません。
 だから、どう考えても、陸上生物が生まれ
る前に、陸上植物が生まれているはずなので
す。動物は、植物のあとをついて、水中から
陸上に上がりました。
 陸地に植物が大いにしげって、動物が住め
るようになったとき に、さかなから両生類
が生まれたばかりでなく、それと前後して、
サソリやこん虫、そのほかいろいろの陸上動
物ができました。それが、今から三億年ぐら
い前のことなのです。∵

(八杉龍一「進化の道しるべ」)
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