長文 9.1週
1. 【1】「するってえと何かい?」
2. 今日もそんなことを言って友だちを笑わせわら  ます。大うけです。
3. わたし歴史れきしの勉強が大好きだいす です。最初さいしょにおもしろいと思ったのは、テレビで江戸えど時代の風俗ふうぞくのことを紹介しょうかいしているのを見た時です。【2】四畳半よじょうはん一間の長屋に、家族四人が暮らしく  ていて、トイレは共同きょうどう、お風呂ふろ銭湯せんとうへ行く生活でした。とにかくご飯 はんをたくさん食べて、おかずは朝、棒手振りぼてふ の売りに来る、あさりや豆腐とうふ納豆なっとうなどです。【3】わたし好きす なコロッケや焼肉やきにくはありません。長屋は、何けんかの家がつながっていて、そこの人たちはみんな仲良しなかよ です。わたしは、その番組を見ているとき、江戸えど時代にタイムスリップしたような気持ちになり、すっかりとりこになりました。
4. 【4】六年生のお姉ちゃんは、学校でも歴史れきしの勉強をしているので、とてもうらやましいです。いつも社会科の資料集しりょうしゅうを見せてもらっています。土器どきの写真やおしろの写真、歴史れきし上の有名な人物の写真などが載っの ていて、いつまで見ていても飽きあ ません。【5】原始人と言われる人々のいたころから、たくさんの時代がありますが、わたしがいちばん興味きょうみを持っているのはやはり江戸えど時代です。現代げんだいに近いということもあるのかもしれませんが、とても身近に感じられ、江戸えど時代の雰囲気ふんいきがよくわかるような気がするのです。【6】中でも、わたしは、おしろにいるお殿様とのさまお姫様 ひめさまよりも、最初さいしょにテレビで見た町人の暮らしく  好きす です。当時、流行っていたものとか、普通ふつう暮らしく  はどんなだったかとか、知りたいことが次々に出てきます。【7】一つわかると、また一つ疑問ぎもんがわく、ということの繰り返しく かえ です。
5. お父さんは、
6.「好きす な勉強があるなんてすごいじゃないか。どんどん調べて、博士はかせになるといいよ。」∵
7. と励ましはげ  てくれます。【8】お母さんは、ちょっと心配そうに
8.「でも、歴史れきしの本ばかり見て、学校の勉強を全然ぜんぜんしないのは困るこま わねえ。」
9. と言います。そんなときもお父さんは、
10.「何かに一生懸命いっしょうけんめいになれる人は、他のこともできるものだ。心配いらないよ。」
11. と言ってくれます。【9】そしてわたしには
12.「将来しょうらい大好きだいす 歴史れきしを勉強するためにも、今の学校の勉強は基礎きそになるからしっかり授業じゅぎょうは聞いておけよ。」
13.と、まじめに言った後、ニヤニヤして
14.「江戸えどはえーどー。」
15.とダジャレを飛ばしと  ました。わたしも負けずにお気に入りの本を見せて
16.「ここにたからがあったから」
17.とやり返しました。【0】

18.(言葉の森長文作成さくせい委員会 φ)