チカラシバ の山 9 月 4 週
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○自由な題名

★清書(せいしょ)

○空気のよごれ、
 空気のよごれ、つまり大気汚染を実感できるのは、まずお天気がいいのに見はらしが悪く、遠くが見えないとか、空が青くないというときでしょう。これは空気中をただようこまかいチリやスス(浮遊粒子状物質といいます)が原因です。この状態がひどいときはスモッグといわれます。
 スモッグは目にみえる大気汚染ですが、目にみえない物質によってもたらされる大気汚染もあります。みなさんは光化学スモッグということばを聞いたことがあるでしょう。こちらは硫黄酸化物とかチッ素(そ)酸化物という目にみえない物質が原因です。
 かつてはこうした大気汚染の原因となる物質は、主に工場の煙突から出るけむりの中にふくまれていました。それで工場を中心とした都市では、ひどい大気汚染が発生し、ぜんそくなどの病気がおこりました。
 これはたいへんだということで、工場の煙突からはきれいなけむりしか出してはいけないということがきめられました。いまでは、煙突の下にけむりをきれいにする機械がついています。
 それで、以前よりはましになったのですが、それでも都市の空気はよごれていますね。そうです、問題は自動車の排気ガスです。
 もちろん、自動車の排気ガスも、きれいにして出すようにきめられています。ですから自動車の排気ガスは、昔とくらべるときれいになっています。
 けれども、排気ガスは二酸化チッ素(そ)と呼ばれる物質がふくまれていて、これがいまの都市部の大気汚染の主な原因となっています。また、トラックやバスなどの大型のディーゼル車から出る黒いけむりも問題になっています。
 自動車一台一台の排気ガスをきれいにする技術的なくふうはどんどん進められています。でも、自動車の数は、どんどんふえています。たとえば、一九九二年(平成四年)度末では、全国で六、四五○万台(トラックやバス、バイクをふくみます)にもなっています。∵
 その自動車の多くは、住宅街から都市の中心部への通勤に利用されたり、都市の中での移動に使われたりしています。また、人の移動のためだけではなく、さまざまな品物をお店などに納めることや、宅急便などでも使われています。
 コンビニエンス・ストアなどは、大きなスーパーやデパートなどとちがって、それぞれの店の倉庫が広くないので、品物を補充する納品のための車が、一日に何回もまわっています。
 こうしたこまめな配送のおかげで、わたしたちはつくりたてのおべんとうを買ってたべることができるのですが、その分、たくさんの自動車が走りまわっていることになります。
 その結果、都市の中心部はもとより、住宅街の大きな道路でも、いつも渋滞がおこっています。渋滞がおこると、自動車は動いたり、とまったりをくりかえすことになります。
 自動車は動きはじめるときにエンジンの回転数があがり、排気ガスが多く出ます。特に、トラックやバスなどの大型のディーゼル車ですと、ブワーッという感じで黒いけむりが出ます。ですから、スムーズに走っているときにくらべると大気汚染がひどくなるというわけです。

(阿部治・市川智史「ふくれあがる大都市」)