長文集  11月1週  全速力のちびっこマラソン大会  u-11-1
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/09/04 15:44:16
 【1】十一月最後の日曜日、
万博公園でちびっこマラソン大
会がありました。私は、二年生
女子の部に参加しました。一年
生と二年生は、一・五キロメー
トルを走ります。
 万博公園に着いたら、すぐラ
ンニングを始めました。【2】
さくらちゃんが、
「ああ、もうしんどい。いずみ
ちゃん、まってえ。」
と、私を呼びました。私も、転
げるように走って、大きな長い
橋を渡りました。さくらちゃん
の顔は、とても辛そうでした。
その場で足踏みをして待ってい
ると、ようやく、さくらちゃん
が追いついてきました。【3】
やっとゴールに着いたときには
、まるでお風呂上がりのよう 
に、体がぽかぽか温かくなって
いました。
 ランニングが終わると、コー
チが、
「おい、一年、二年こっちきて
。」
といったので、小太郎くんと、
私と、さくらちゃんは、コーチ
のところに駆け寄りました。
【4】「ちょっとここを走って
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
みて。」
と言われたので、そのコースを
三本(ぼん)走ったあと、ちび
っこマラソンのコースを教えて
もらいました。思っていたより
短いような気がしました。
 一年生が、最初に走っていき
ました。【5】次は、自分たち
が走る番です。
「ようい。」
という声が聞こえたとき、急に
胸がドキドキしてきました。喉
もからからに渇いてきました。
「どんっ!」
という合図で、みんな一斉にバ
タバタと走り出しました。∵
 【6】ところが、後ろのだれ
かが、いきなり私の背中をドー
ンと押してきました。その拍子
で、私は、ばったりと転んでし
まいました。私の前にいた子も
、転びました。転んでしまった
私たちだけ取り残され、みんな
どんどん走っていきます。
【7】「くやしーい。」
と、心の中で叫びながら立ちあ
がり、前の子 に、
「ごめんね。だいじょうぶ?」
と声をかけました。相手は、頷
きました。最初に押した人が、
謝らないといけないのに、私が
謝ってしまいました。
 【8】押した子は知らんぷり
なので腹が立ちました。頭がカ
ッカしたせいか、ものすごい勢
いで走って、十人か十二人くら
い抜かしまし た。いつもより
ずっと速いスピードだったはず
です。まるで風のようだと思い
ながら走りました。
 【9】あっという間にゴール
に着きました。私のタイムは、
七分三十秒、順位は、四十四位
でした。悔しかったけれど、押
された分を、少し取り返しまし
た。もしも転ばなかったら、今
までの中で一番のタイムだった
かもしれないなと思いました。
だから、四十四位でも満足でし
た。【0】

(原作 ポメラニアン 編集 
言葉の森長文(ちょうぶん)作
成委員会)