長文集  12月2週  ○地震、雷、火事、おやじ  u-12-2
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/09/04 15:11:01
 「地震、雷、火事、おやじ」
は、昔から怖いものの代表とし
てあげられてますが、最後の「
おやじ」は、本来は「大山風(
おおやまじ)」と言っていたも
ので、台風のときの強い風を意
味していたそうです。自然には
、人間の力では太刀打ちできな
い脅威が秘められています。こ
こでは、その中の雷に焦点を当
ててみましょ う。 
 雷は、まず、雲ができるとこ
ろから始まります。地面や海面
近くの湿った空気は、水分をた
くさんふくみ、あたたまると上
にのぼっていきます。その空気
が上昇すると、温度が下がり、
水分が積乱雲となります。積乱
雲の上の方では更に温度が下が
り、水分が氷になります。その
氷が雲の中を落ちていくときに
、上に向かう空気と激しくぶつ
かり合ってプラスとマイナスの
静電気が発生します。プラスの
静電気を帯びた比較的軽い氷の
結晶は雲の上のほうに舞い上げ
られ、マイナスの静電気を帯び
た重い氷の粒は雲の下のほうに
たまります。
 雲が大きくなればなるほど電
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気も強くなり、雲の下の方にた
まったマイナスの電気は、地上
のプラスの電気を目指して一目
散に飛んでいきます。このとき
、とても大きな電流が一度に流
れるので、激しい光と大きな音
を出します。こういう形の落雷
は雷の九十パーセントを占めて
います。残りの十パーセントの
落雷は、雲の上のほうにあるプ
ラスの電気が、地上のマイナス
の電気目指して飛んでいく形の
雷です。雷にはこのほかに、雲
から雲へ飛んでいくものもあり
ます。
 雷のエネルギーは、雲の大き
さなどによってもちがいがあり
ますが、およそ五万アンペアに
もなります。これは、六〇ワッ
トの電球を八万個以上灯せるエ
ネルギーに相当します。わっと
おどろくほどのエネルギーを一
瞬のうちに放出しているのです
。∵
 昔の人は、雷を、雲の中にい
る魔物があばれているのだと思
っていたそうです。雷が鳴り始
めたら、外には出ずに家の中で
魔物の機嫌がおさまるのを静か
に待ちましょう。
 言葉の森長文(ちょうぶん)
作成委員会( Λ)