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大学受験作文の解説集(医学)




 第一段落は、状況実例。「これまでの医療・福祉では、医療や福祉に携わるものが、その患者や利用者に対して一方的にサービスを提供する形が多かった。これは、医療や福祉に携わるものの専門性を尊重していたためである。しかし、現在は、一方的な働きかけではなく、患者や利用者の側からのフィードバック、つまり相互性が求められるようになってきている」など。
 第二段落は、原因。「その原因として考えられるのは、医療や福祉が高度になることに伴い、さまざまな選択肢が可能になったことである。また、サービスを受け取る側の立場に立つことの必要性も認識されるようになってきた。例えば……」など。
 第三段落は、対策。「相互性を生かすために大事なことは、第一に医療や福祉に携わる側の心構えである。よりよりサービスを行うために、相手の要望を尊重するということを考える必要がある。第二には、その心構えを支えるために医療や福祉に携わる者が普段に勉強し成長していく必要がある。なぜなら……」など。
 第四段落は、まとめ。「相互性は、よりより医療や福祉を目指すための要となるものである。私もこれから……」など。



 感染症の原因ではなく、感染症が広がる事態の原因。だから、「生物兵器として作られた可能性がある」などという話にはしない。
 第一段落は、状況実例と説明。「新しい感染症が次々と現れているが、そうい事態が生まれた原因は二つ考えられる。」など。(感染症に関する知識を整理しておくとよい)
 第二段落は、原因1。「第一は、交通の発達によって、かつては地域が限定されていた風土病などが世界的に広がりやすくなったためである。例えば……」など。
 第三段落は、原因2。「第二は、都市化の進展によって、不特定多数の人が接触する機会が増えたことである。例えば、夏休みや冬休みには感染が止まるが、学校が始まる新学期になると感染が拡大するなどというのはその例である。したがって……」など。
 第四段落は、まとめ。「今後も新しい感染症が発生することを考え、早めの対策、情報の公開と共有などを進めていく必要がある。」など。



 第一段落は、説明。「全人的理解というものは、過酷な要求であり、厳密に言えば不可能なことでさえある。しかし、大事なことは、全人的理解という言葉にとらわれることではなく、全人的理解というものが求められるようになった精神を生かすことだ。全人的理解の精神を生かすために、私は二つのことを考える。」など。

 第二段落は、その1。「第一は、患者を看護の対象としてではなく、一人の人間として見ていくことである。例えば……(自分の体験など)」など。

 第三段落は、その2。「第二は、病というものを局所的な出来事としてではなく、その人の生活との関連において見ていくことである。例えば……」など。

 第四段落は、まとめ。「確かに、人間は、自分と同じように他人を理解することはできない。しかし、看護の現場に求められているものは、理論ではなく人間的な実践である。私は……」など。



 問1は、省略。
 問2は、キーワードを「自ら医療従事者となった場合」「ミクロな物語」「マクロな物語」「役に立たせる」と考える。

 第一段落は、説明だが、問1でそれが済んでいるとも考えられるので簡単に。「病は個人の中で、ひとつの物語として構成される。私が、医療従事者となった場合、それを二つの方向で役立たせることができるのではないかと考える。」など。
 第二段落は、第一の方法。「第一は、病をその個人のミクロな問題として気づかせる手伝いをすることである。例えば、私自身の経験でも、病気をしたり怪我をしたりしたことが、それまでの自分の生活を見直すきっかけとなったことがある。病気をただの否定的な現象としてとらえるのではなく、自分が前向きに生きるためのきっかけを与えてくれたものと考えることは、人間がミクロな物語を作るからこそできるものである。……」など。
 第三段落は、第二の方法。「第二は、病をマクロの物語と結びつけるための援助をすることである。医療に従事する者は、患者よりもその病気に対する知識や経験が豊富である。患者はどうしても自分個人の問題として自分の病気を考えがちだが、そこにより広い視野を与えることが医療従事者のひとつの役割となる。それは、例えば病気そのものに対する知識もあるが、更にその病気をとりまく社会的、文化的背景に関する知識もある。……」など。(これは例えば、アルコール依存などを患者は自分の個人の意志の問題と考えがちだが、それを周囲の励ましあいの問題とみなすことで改善に向かわせるというようなこと)
 第四段落は、まとめ。「確かに、病には、科学的な問題として取り組む面があり、その客観的な姿勢が医学の進歩を支えてきた。しかし、病む個人にとって、それは同時にその個人の作り出す物語の問題なのでもある。私は、医療従事者として、その視点を忘れずに医療に携わりたい。」など。



 問1は、省略。論点をもらさずに300字ぴったりにすばやくまとめる練習をする。
 問2は、キーワードを「歯科医師を目指す」とする。

 第一段落は、説明。「私は、将来、患者に信頼される歯科医師を目指したいと思っている。そのために、私は二つつのことが重要だと考える。など。
 第二段落は、第一の論点。「第一は、自分が携わる医療について、正確な知識と技術を持つことである。それは、医療の分野の知識は日々進歩しているから、大学で学んだことをもとに、自らも学ぶ姿勢を失わないことである。そのためには、卒業してからでも医療関係の研究会に参加するなど……。」など。
 第三段落は、第二の論点。「第二は、患者にとって人間的に信頼される医師を目指すことである。そのためには、単なるテクニックではなく、自分自身が全面的に成長し、だれからも信頼される人間になることだ。具体的には、患者の問題を常に自分の問題と考えて対処することである。しかし、それは患者と同じところで、患者に対して共感することではない。
 私が昔、怪我をして入院したとき、治療にあたった医師は……(とプラスの実例を挙げるとよい)」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、治療の基本となるものは、正しい知識と正確な技術である。しかし、患者はひとりの人間としてさまざまな問題を抱えて、その病気の生活を生きている。医師は、その患者の人間的な側面を忘れずに、医療行為に従事しなければならない。私はそのために……」など。



※問1、問2の設問とは関係なく、問題文をもとに、「全人的医療」について書く。



 問1、問2は、英語の問題と考え、時間をかけずに、指定字数いっぱいまで書くこと。
 問3は、これまでに書いた原稿をベースにして、キーワードを入れて、これも字数いっぱいまで書くこと。

 書き出しは、「私は、歯科医師として必要な能力は二つあると思う。」など。
 展開部分は、「第一は、歯科医療の技術と、常に技術の進歩を目指す向上心だ。医学の分野に限らず科学の進歩はめざましい。しかも、現代はその進歩がすぐに世界に広がるとともに、一般の人々の間の知識として普及する速度も速くなっている。例えば、……。このような中で求められる第一の能力はやはり……。」など。
 展開部分その2は、「第二は、患者の立場に共感できる心と、その患者の納得を得る力、言い換えれば広い意味のコミュニケーション能力だ。現代の社会では、医療行為においても常に情報の公開と同意が求められる。患者に正しい情報を提供し、それと同時に患者の不安を緩和するには、歯科医師が正しい知識や熟達した技術を持っているだけでなく、患者の同意を得られるだけの人間的なコミュニケーションの力を持つことが必要になる。……」など。
 まとめは、今後の行動に結びつけながら。「私は、○○大学で歯科医療に関する高度な知識と技術を身につけるとともに、このコミュニケーション能力も育て、人間的な幅の広さを持つ歯科医師を目指したい。」など。



[1]
 第一段落は、説明。「日本のような異民族に侵略されたことのない国では、相手に対してすぐに謝る文化がある。しかし、世界の標準ではそういう文化はむしろ少数派で、謝ることは自分を不利な立場に置くことにつながる。私は、医師になったとき、患者や家族に対して、日本的な謝り方をしていきたいと思う。」など。
 第二段落は、理由1。「その理由は第一に、日本の社会では、ほとんどの人が日本文化の中で暮らしているからだ。たとえ、自分に過失があるかどうかわからない場合でも、相手に対する礼儀として先に謝るという接し方をする人が多い。そのような文化の中で円滑にコミュニケーションを進めるためには、まず謝るという謙虚な姿勢が必要だ。……」など。
 第三段落は、理由2。「第二の理由は、医師と患者とは、対立する関係ではなく、ともに病気や怪我に対して協力していく仲間だと考えるべきだからだ。そう考えれば、何かトラブルがあったときも、自分の責任を逃れようとするのではなく、虚心坦懐に自分の気持ちを表した方が、協力関係が深まると考えることができる。……」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、ムード的な謝り方でなく、責任の所在をはっきりさせることも、社会の進歩のためには、必要だ。しかし、医師と患者・家族の関係は、病を治すという共通の目的を持つ関係だ。だから……」など。

[2]は略。



[1]

 第一段落は、説明と意見。「短期的な判断は、論理だけでも間に合うが、長期的な判断には大局観が必要だ。私は、この大局観は、医学・医療についてても必要だと思う。」など。

 第二段落は、その理由1。「第一の理由は、医療において患者の治療には、単にその疾病を治す以外に、その患者のその後の人生にプラスなることを心がける必要があるからだ。特に、生死に関わる問題には、患者の人生観と向き合うことも必要になる。そのときに、医療に携わる者にも、論理や合理以外の自分なりの人生観や世界観が必要になるからだ。……」など。

 第三段落は、理由2。「第二の理由は、現在の世の中は医療技術も含めて、社会が日々大きく変化しているからだ。例えば、昔は、医療の方法は医師が決定を下すという考えだったが、現在では患者の意思を尊重するようになってきている。世の中の大きな変化を日々学んでいかなければ、患者を納得させる医療ができなくなっているとも言える。……」など。

 第四段落は、まとめ。「確かに、論理や合理は正しい判断を下すための基礎だ。しかし、医学・医療のように生きた人間を相手にする分野は、短期的な論理では割り切れないこともおおい。だから、……」など。



[2]は略。


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