大学受験作文の解説集(医学)




 第一段落は、状況実例。「これまでの医療・福祉では、医療や福祉に携わるものが、その患者や利用者に対して一方的にサービスを提供する形が多かった。これは、医療や福祉に携わるものの専門性を尊重していたためである。しかし、現在は、一方的な働きかけではなく、患者や利用者の側からのフィードバック、つまり相互性が求められるようになってきている」など。
 第二段落は、原因。「その原因として考えられるのは、医療や福祉が高度になることに伴い、さまざまな選択肢が可能になったことである。また、サービスを受け取る側の立場に立つことの必要性も認識されるようになってきた。例えば……」など。
 第三段落は、対策。「相互性を生かすために大事なことは、第一に医療や福祉に携わる側の心構えである。よりよりサービスを行うために、相手の要望を尊重するということを考える必要がある。第二には、その心構えを支えるために医療や福祉に携わる者が普段に勉強し成長していく必要がある。なぜなら……」など。
 第四段落は、まとめ。「相互性は、よりより医療や福祉を目指すための要となるものである。私もこれから……」など。



 感染症の原因ではなく、感染症が広がる事態の原因。だから、「生物兵器として作られた可能性がある」などという話にはしない。
 第一段落は、状況実例と説明。「新しい感染症が次々と現れているが、そうい事態が生まれた原因は二つ考えられる。」など。(感染症に関する知識を整理しておくとよい)
 第二段落は、原因1。「第一は、交通の発達によって、かつては地域が限定されていた風土病などが世界的に広がりやすくなったためである。例えば……」など。
 第三段落は、原因2。「第二は、都市化の進展によって、不特定多数の人が接触する機会が増えたことである。例えば、夏休みや冬休みには感染が止まるが、学校が始まる新学期になると感染が拡大するなどというのはその例である。したがって……」など。
 第四段落は、まとめ。「今後も新しい感染症が発生することを考え、早めの対策、情報の公開と共有などを進めていく必要がある。」など。



 第一段落は、説明。「全人的理解というものは、過酷な要求であり、厳密に言えば不可能なことでさえある。しかし、大事なことは、全人的理解という言葉にとらわれることではなく、全人的理解というものが求められるようになった精神を生かすことだ。全人的理解の精神を生かすために、私は二つのことを考える。」など。

 第二段落は、その1。「第一は、患者を看護の対象としてではなく、一人の人間として見ていくことである。例えば……(自分の体験など)」など。

 第三段落は、その2。「第二は、病というものを局所的な出来事としてではなく、その人の生活との関連において見ていくことである。例えば……」など。

 第四段落は、まとめ。「確かに、人間は、自分と同じように他人を理解することはできない。しかし、看護の現場に求められているものは、理論ではなく人間的な実践である。私は……」など。



 問1は、省略。
 問2は、キーワードを「自ら医療従事者となった場合」「ミクロな物語」「マクロな物語」「役に立たせる」と考える。

 第一段落は、説明だが、問1でそれが済んでいるとも考えられるので簡単に。「病は個人の中で、ひとつの物語として構成される。私が、医療従事者となった場合、それを二つの方向で役立たせることができるのではないかと考える。」など。
 第二段落は、第一の方法。「第一は、病をその個人のミクロな問題として気づかせる手伝いをすることである。例えば、私自身の経験でも、病気をしたり怪我をしたりしたことが、それまでの自分の生活を見直すきっかけとなったことがある。病気をただの否定的な現象としてとらえるのではなく、自分が前向きに生きるためのきっかけを与えてくれたものと考えることは、人間がミクロな物語を作るからこそできるものである。……」など。
 第三段落は、第二の方法。「第二は、病をマクロの物語と結びつけるための援助をすることである。医療に従事する者は、患者よりもその病気に対する知識や経験が豊富である。患者はどうしても自分個人の問題として自分の病気を考えがちだが、そこにより広い視野を与えることが医療従事者のひとつの役割となる。それは、例えば病気そのものに対する知識もあるが、更にその病気をとりまく社会的、文化的背景に関する知識もある。……」など。(これは例えば、アルコール依存などを患者は自分の個人の意志の問題と考えがちだが、それを周囲の励ましあいの問題とみなすことで改善に向かわせるというようなこと)
 第四段落は、まとめ。「確かに、病には、科学的な問題として取り組む面があり、その客観的な姿勢が医学の進歩を支えてきた。しかし、病む個人にとって、それは同時にその個人の作り出す物語の問題なのでもある。私は、医療従事者として、その視点を忘れずに医療に携わりたい。」など。



 問1は、省略。論点をもらさずに300字ぴったりにすばやくまとめる練習をする。
 問2は、キーワードを「歯科医師を目指す」とする。

 第一段落は、説明。「私は、将来、患者に信頼される歯科医師を目指したいと思っている。そのために、私は二つつのことが重要だと考える。など。
 第二段落は、第一の論点。「第一は、自分が携わる医療について、正確な知識と技術を持つことである。それは、医療の分野の知識は日々進歩しているから、大学で学んだことをもとに、自らも学ぶ姿勢を失わないことである。そのためには、卒業してからでも医療関係の研究会に参加するなど……。」など。
 第三段落は、第二の論点。「第二は、患者にとって人間的に信頼される医師を目指すことである。そのためには、単なるテクニックではなく、自分自身が全面的に成長し、だれからも信頼される人間になることだ。具体的には、患者の問題を常に自分の問題と考えて対処することである。しかし、それは患者と同じところで、患者に対して共感することではない。
 私が昔、怪我をして入院したとき、治療にあたった医師は……(とプラスの実例を挙げるとよい)」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、治療の基本となるものは、正しい知識と正確な技術である。しかし、患者はひとりの人間としてさまざまな問題を抱えて、その病気の生活を生きている。医師は、その患者の人間的な側面を忘れずに、医療行為に従事しなければならない。私はそのために……」など。



 問1、問2は、英語の問題と考え、時間をかけずに、指定字数いっぱいまで書くこと。
 問3は、これまでに書いた原稿をベースにして、キーワードを入れて、これも字数いっぱいまで書くこと。

 書き出しは、「私は、歯科医師として必要な能力は二つあると思う。」など。
 展開部分は、「第一は、歯科医療の技術と、常に技術の進歩を目指す向上心だ。医学の分野に限らず科学の進歩はめざましい。しかも、現代はその進歩がすぐに世界に広がるとともに、一般の人々の間の知識として普及する速度も速くなっている。例えば、……。このような中で求められる第一の能力はやはり……。」など。
 展開部分その2は、「第二は、患者の立場に共感できる心と、その患者の納得を得る力、言い換えれば広い意味のコミュニケーション能力だ。現代の社会では、医療行為においても常に情報の公開と同意が求められる。患者に正しい情報を提供し、それと同時に患者の不安を緩和するには、歯科医師が正しい知識や熟達した技術を持っているだけでなく、患者の同意を得られるだけの人間的なコミュニケーションの力を持つことが必要になる。……」など。
 まとめは、今後の行動に結びつけながら。「私は、○○大学で歯科医療に関する高度な知識と技術を身につけるとともに、このコミュニケーション能力も育て、人間的な幅の広さを持つ歯科医師を目指したい。」など。



[1]
 第一段落は、説明。「日本のような異民族に侵略されたことのない国では、相手に対してすぐに謝る文化がある。しかし、世界の標準ではそういう文化はむしろ少数派で、謝ることは自分を不利な立場に置くことにつながる。私は、医師になったとき、患者や家族に対して、日本的な謝り方をしていきたいと思う。」など。
 第二段落は、理由1。「その理由は第一に、日本の社会では、ほとんどの人が日本文化の中で暮らしているからだ。たとえ、自分に過失があるかどうかわからない場合でも、相手に対する礼儀として先に謝るという接し方をする人が多い。そのような文化の中で円滑にコミュニケーションを進めるためには、まず謝るという謙虚な姿勢が必要だ。……」など。
 第三段落は、理由2。「第二の理由は、医師と患者とは、対立する関係ではなく、ともに病気や怪我に対して協力していく仲間だと考えるべきだからだ。そう考えれば、何かトラブルがあったときも、自分の責任を逃れようとするのではなく、虚心坦懐に自分の気持ちを表した方が、協力関係が深まると考えることができる。……」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、ムード的な謝り方でなく、責任の所在をはっきりさせることも、社会の進歩のためには、必要だ。しかし、医師と患者・家族の関係は、病を治すという共通の目的を持つ関係だ。だから……」など。

[2]は略。



[1]

 第一段落は、説明と意見。「短期的な判断は、論理だけでも間に合うが、長期的な判断には大局観が必要だ。私は、この大局観は、医学・医療についてても必要だと思う。」など。

 第二段落は、その理由1。「第一の理由は、医療において患者の治療には、単にその疾病を治す以外に、その患者のその後の人生にプラスなることを心がける必要があるからだ。特に、生死に関わる問題には、患者の人生観と向き合うことも必要になる。そのときに、医療に携わる者にも、論理や合理以外の自分なりの人生観や世界観が必要になるからだ。……」など。

 第三段落は、理由2。「第二の理由は、現在の世の中は医療技術も含めて、社会が日々大きく変化しているからだ。例えば、昔は、医療の方法は医師が決定を下すという考えだったが、現在では患者の意思を尊重するようになってきている。世の中の大きな変化を日々学んでいかなければ、患者を納得させる医療ができなくなっているとも言える。……」など。

 第四段落は、まとめ。「確かに、論理や合理は正しい判断を下すための基礎だ。しかし、医学・医療のように生きた人間を相手にする分野は、短期的な論理では割り切れないこともおおい。だから、……」など。



[2]は略。



大学受験作文の解説集(経済)




 第一段落は、現状の説明。
 第二段落は、団塊の世代が経済にとってマイナスになる面。団塊の世代が労働市場を去り年金生活に入ることを考えると、社会的負担は増大する。会社人間として暮らしてきた世代が適応力に欠けると考えると、変化の激しい社会で新しい労働力となるのは難しい。また、同じく会社人間として暮らしてきた趣味の乏しい世代が、余暇を利用して新しい市場を創造するとは考えにくい。
 第三段落は、プラスになる面。しかし、条件を変えれば、マイナス面はそのまま団塊の世代の可能性ともなる。理想的なシナリオは、団塊の世代が高齢者向きの新しい文化的市場を創造し、その市場が団塊の世代の労働力を生かす形で発展していくことだ。例えば、商品なども、安くて便利なだけでなく文化性が求められるようになる。それが日本だけの市場に留まらず、世界に輸出する日本の文化になる可能性もある。
 第四段落はまとめ。問題は、団塊の世代のプラス面・マイナス面を他人事のような問題として考えることではなく、ほかならぬ私たちの社会設計の課題として考えることである。



 第一段落は、現状の説明。
 第二段落は、株主資本主義のよい面。日本の社会はともすれば、公正さのルールを軽視しやすい。それは会社内部の運営にとっては欠点にはならないが、対外的な問題になると弱点を露呈しやすい。会社が公器であるという意識を徹底させるためにも、株主こそが会社の主人公だと考える見方をもっと広げる必要がある。日本では、株主からの批判がないために、経営が馴れ合いで行われている面がある。時代の変化に対応して企業を活性化するためにも、株主の声は必要だ。
 第三段落は、株主資本主義の悪い面。しかし、日本の社会は、経営者と従業員の信頼関係をもとに機能してきた面がある。そして何よりも、今日の社会では資本の持つ役割が次第に低下している。逆に言えば、社会の新しい市場を開拓するために必要な量よりも更に余剰になったマネーがその増殖先を求めてM&Aに流れていると見ることもできる。
 第四段落はまとめ。会社がだれのものかということは、法的に決められて済むものではない。会社論の前提として、会社が社会に対してどういう役割を果たすべきかという社会論が求められている。



 第一段落は、現状。
 第二段落は、成果主義が広がった理由。(一度書いたことがあれば新しい実例で書こう)一つは、経営側の事情。人件費を抑制し優秀な人材を確保するために成果主義の導入を行った。また、従業員の側にも成果主義への志向があった。特に意欲と活力のある労働者は、日本社会にありがちな横並び評価に不満を持っていた。
 第三段落は、成果主義の広がりに限界がある理由。第一は、日本の企業が評価の客観性を保障するような仕組みになっていない(チームワークを中心とした労働など)。第二は、日本人のメンタリティに合わない面がある。
 第四段落はまとめ。成果主義の是非を過去から現在までの問題と考えるのではなく、未来の問題と考える必要がある。日本の風土や組織に合った成果主義を創造することが私たちの課題である。



 第一段落は、現状と問題提起。
 第二段落は、地域の商店街が衰退した原因。もともと個人営業中心で活力のなかった商店街を保護するための大店法が大型店の郊外出店を引き起こし、中心商店街の弱体化を加速した。
 第三段落は、対策。街の活性化はそこに住む住民にとっての希望でもある。街を魅力あるものにするためには、住民も含めたまちづくりへの合意が必要だ。
 第四段落は、反対理解と意見。確かに市場の論理は、長期的に見れば経済の合理性に合致している。衰退する商店街も、新たな発展のための一時的な淘汰期間と考えることもできる。しかし、街は住民にとっての生活の場でもある。住民が住みやすい街を作るためにも……。



 第一段落は、インターネットの普及の現状。
 第二段落は、今後予想される問題1。「第一は、法律など社会の枠組みがインターネットを想定したものになっていないために、インターネットの活用が阻まれている点である。例えば……」
 第三段落は、問題2。「第二は、インターネット標的にした犯罪の増加である。インターネットのトラブルは、与える規模の大きさと速さが特徴である。例えば……」
 第四段落は、意見。「インターネットが普及したのは、そこに経済的合理性があったからである。この流れが止められない以上、対策は早急に進める必要がある。インターネットの対策の性格は、完全性よりも速さにある。」



 第一段落は、状況実例。身近なところで外国人の労働者が増えているという話や、実際の統計データを書いていこう。経済的に考えると、労働力も商品の一つだから、国境の壁を越える圧力を常に持っている。

 第二段落は、経済的メリット。「日本の生産年齢人口の不足。個々の企業における人手不足の解消と人件費の削減」など。外国人労働者本人の利益と、雇用する企業の利益が一致する。

 第三段落は、デメリット。「日本の労働者の賃金水準の低下。行政の負担増」。つまり、社会にとっては不利益になる場合もあるということ。

 第四段落はまとめ。「グローバル化の流れは止められないが、なし崩し的に受け入れるのではなく、政策的に対応することが必要」



 第一段落は、環境税の説明。「税による経済活動のコントロールを目的としたもので、環境負荷の抑制を図るために炭素税をその主な中身とする。例えば、古紙回収によるリサイクルよりも木材の輸入の方が低コストであれば、その分だけ木材の輸入に課税し経済活動を古紙回収に向けることができる」

 第二段落は、問題1。「税収を目的とした税と混同すると、かえって環境負荷を高める可能性もある。例えば現在の揮発油税は、エネルギーの消費を抑制するための課税という面よりも、税収による財源を道路整備に充てるための課税という面が強い」



 第三段落は、問題2。「また、環境問題は一国だけで解決できる問題ではない。アメリカや中国などCO2の最大排出国が削減の義務を負わない中で日本だけが国内に環境税を課せば、生産拠点がそれらの国に移転するだけの結果になる可能性もある」

 第四段落はまとめ。「環境問題では、私企業の利益が全体の利益に結びつかないという市場の失敗が典型的に現れやすい。環境税などの税による市場のコントロールは、今後ますます重要性を増してくる」



 第一段落は、少子化の現状。
 第二段落は、その原因。「経済的理由が主なもので、そのほかに晩婚化、育児負担の女性への偏りなどがある」
 第三段落は、対策。「子育ての費用を社会で分担する仕組みが必要。また、少子化が労働力の減少に結びついている点については、生産性の向上で対応することが考えられる。少子化が消費の縮小と結びついている点については、高額商品、高付加価値商品の拡大で対応することが考えられる」
 第四段落はまとめ。「少子化は、その背後にあるトータルな経済の仕組みを反映している。対策も、若者の雇用条件の改善など抜本的なところから行われる必要がある」



大学受験作文の解説集(技術)




 第一段落は、説明。「技術は、人間の夢を実現してきた。例えば、昔であれば遠方に旅行することは時間もかかるし危険であったが、今では交通機関を利用して快適で安全な旅行ができる」などの状況実例のあとに、「人間に夢を与える技術というものを考えた場合、大事なことは二つある」。
 第二段落は、展開1。「第一は、その技術の安全性である。どんなに夢のある技術でも、危険と隣り合わせでは普及することはできない。例えば、自動車の技術は……」など。
 第三段落は、展開2。「第二は、環境を破壊しない技術である。これまでの技術は、環境問題をあまり考えていなかった。しかし、これからの技術は常にリサイクルを考えるなど環境に負荷を与えないものにする必要がある。例えば……」など。
 (そのほかに、省エネの技術、平和に貢献する技術、オープンな技術など、多様に考えよう)
 第四段落は、まとめ。「人間は、夢を技術によって実現してきた。私もこれから……」など。



 第一段落は、説明。「技術は、人間の生活を豊かにしてきた。例えば、私たちの身の回りを見ても、衣服や食事は昔と比べて……」などの状況実例のあとに、「人間の生活を豊かにする技術というものを考えた場合、大事なことは二つある」。(このように、いつも同じパターンで書いていくようにするとよい)
 第二段落は、展開1。「第一は、副作用のない技術である。現在環境ホルモンが問題になっているが、人間の生活を豊かにするために作られた技術が、逆に……」など。
 第三段落は、展開2。「第二は、自然と調和した技術である。これまでの技術は、自然を征服するという発想で作られたものが多かった。しかし、そのために、かえって人間らしい生活をしにくくなったという面もある。道路などを作るときもその地域の自然を破壊しないような配慮が……」など。
 (そのほか、多様に考えよう)
 第四段落は、まとめ。「人間の生活は技術によって豊かになってきた。しかし、本当の豊かさは、物質的なものだけではなく心の豊かさも兼ね備えたものである。私はこれから……」など。



 構成は、実例、理由、方策、まとめ。
 第一段落は、科学技術の例。例えば、インターネットによる便利さと、その裏腹にあるウィルス拡大やフィッシュング詐欺の問題など。
 第二段落は、その理由。インターネットの場合は、匿名性、敷居の低さなど。
 第三段落は、方策。本人認証技術、暗号化技術など。又は、アナログ的な認証との組み合わせなど。
 第四段落は、まとめ。「技術とは……ではなく、……である」とまとめよう。「科学技術は、自然現象のようにもとからそこにあるものではない。人間が日々改良するところにその生命がある」など。



 耐震強度の偽装事件に関連しての課題とかんがえられる。安全性の話を中心に。

 第一段落は、説明。「建築は、人間の生活に大きな関わりを持っている。それはひとつには、その建築によってそこに住む人の生活の快適さ大きく左右されるからだ。また、もうひとつには、建築の安全性は、人間の生存に大きく関わるものだからだ。」など。
 第二段落は、方法1。「建築学科で学ぶ技術者倫理を考える場合、大事なことは第一に、技術者が、そこに住む人やその建築物を使う人の立場に立って考えることである。私の家の作りで感心するのは、建物の風通しを考慮して部屋の窓が作られていることである。例えば(などと、自分の体験実例を入れるとよい)」など。
 第三段落は、方法2。「技術者倫理として大事なことは、第二に、常に最先端の知識の吸収を怠らないことである。自然災害の中には、これまでの過去の例を超えた想定外の事故が起こる場合がある。また、建築の材料や方法も、日々進歩を遂げているはずだ。例えば、日本の昔からの建築は木造が中心だったが、その後同じ木造でもツーバイフォー工法が開発されたり、材料に集成材が使われるなど、さまざまな変化がある。(など、本を読んで建築に関する知識を入れていくとよい)……」など。
 第四段落は、まとめ。「建築とは、単なる入れ物ではなく、その中で人間が生活し、文化が発展する場である。私は、これから建築学科で……。」など。



 第一段落は、説明。「建築学科で学ぶ範囲は幅広い。また、素材や工法の技術も常に発展している。その中で、私が修得したい分野は大きく分けて二つある。」など。
 第二段落は、分野1。「第一は、新しい家族形態に合わせた建築の工夫だ。これまで住宅建築は、親子2世代の核家族を中心に立案されてきた。しかし、今後、高齢化が進むにつれて、昔の日本の社会のような大家族化が進行するのではないかと思われる。例えば、私の家に、田舎の祖父母が泊まりがけで遊びに来てくれることがよくある。そのようなとき……」など。。
 第三段落は、分野2。「第二は、老人や弱者に優しい建築だ。最近では、駅でもエスカレータやエレベータが設置されるようになった。しかし、一般の住宅ではまだそのような例は少ないため、例えば車椅子の老人は、家の中での移動にも大きな不便を感じている。……」など。
 第四段落は、まとめ。「建築とは、その中で人間が日々生活する場である。建築によって、そこに住む人の生活の利便性が大きく左右されると言ってもよい。私は、これから……」など。



 第一段落は、説明。「日本は、資源も少ないし、土地も狭い。しかし、高度な教育を受けた人材は豊富だ。日本がこれから世界に伍していくためには、科学技術立国の精神を持ち続けることが重要だ。」など。
 第二段落は、方法1。「そのためには第一に、理科系の教育を充実させることが課題だ。理科系の分野は、3Kとみなされることも多く、若い人は、情報産業や金融産業に関心を持つことが多い。しかし、子供のころから理数系の勉強に対する関心を持たせることができれば、将来の仕事に結びつけることもできる。私自身も、小学生のころの理科の実験で、理科の勉強に関心を持ったことがある。だから……」など。
 第三段落は、方法2。「第二には、科学技術の分野に対する予算の増額だ。今、日本は財政難で、科学技術の分野に対しても予算を削る力が働きがちだ。科学技術の分野は、すぐには成果の見えないものも多く、しかも巨額な予算を必要とするものが多い。例えば、惑星探査機はやぶさも、成功していたから予算の増額につながったが、そうでなければ今後のプロジェクトが縮小していたかもしれない。したがって……」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、科学技術はすぐには成果の見えないものが多く、投資の効果が測りにくいものが多い。しかし、日本の将来は……」など。



 第一段落は、説明。「電子・機械工学の技術は、さまざまなところに使われている。その中でも、これから注目されるのは、環境や人のための技術で、私はその一つにロボット工学があると思う。」など。
 第二段落は、展開1。「環境問題の中には、環境汚染のような問題のほかに、原発の事故の問題や、世界の紛争地域での爆発物の除去などの危険な仕事もある。その危険な仕事に役立てることができるのがロボット技術だ。3.11の東日本大震災のときも、原子力発電所の中がどのような状況になっているか、人の手では調べることができなかった。しかし、……」など。
 第三段落は、展開2。「また、人の問題としてこれから大きな課題となるのが、高齢者の介護をどうするかということだ。ここにも、ロボット工学の技術が使える。先日新聞で見た記事によると、足腰の弱い人が立ち上がるとき足の力の助けとなるロボットや、重いものを持ち上げるときその力をましてくれるスーツなどが開発されているということだ。だから……」など。
 第四段落は、まとめ。「これからの技術は、機械的な動きを電子技術で微妙に制御することが必要になってくる。それは、技術がますます人間の生活に密着したものになってくるからだ。私は、これから……」など。

 自分の得意な分野の知識を本で読んで身につけておこう。
 文章の材料にはできるだけ客観的な固有名詞や数字のデータも入れられるようにしておこう。



A.略
 200字は4文程度でまとめる。イノベーションも模倣も、当事者と社会にに利益をもたらすが、イノベーションは古い技術に依拠する生産者に、模倣は既存の生産者に不利益をもたらす。

B.
 第一段落は、説明。「技術進歩には、『積み上げ型』と『ジャンプアップ型』がある。積み上げ型の例は、スマートフォンの改良などに見られる。ジャンプアップ型の例は、ガソリンエンジンから水素燃料電池に移行した自動車などである。……」など。
 第二段落は、展開1。「積上げ型は、その技術革新によって廃業を余儀なくされる既存の生産者が少ないことに特徴がある。既存の生産者の多くは、改良に対応して自らも生産の仕組みを改良することができる。その結果、改良による利益は、消費者だけでなく生産者も得ることができる。……」など。
 第三段落は、展開2。「ジャンプアップ型は、その技術革新によって、既存の生産者が駆逐される可能性が高い。水素燃料電池自動車の例では、今後ガソリンエネルギーを前提とした生産システムが廃棄されることも考えられる。それは、ネット書店の登場によって地域の書店の存続が困難になっていることと同じである。しかし、ジャンプアップ型は、消費者に新しい利益を提供すると同時に、社会に新しい仕事も創りだす。……」など。
 第四段落は、まとめ。「技術進歩は、長い目で見れば社会に大きな利益をもたらす。しかし、短期的に見れば、その進歩によって廃業するなど不利益を被る人も出てくる。ところが、その不利益を保障する仕組みがあまりにも強いと、技術進歩に対する動機は減少する。大事なことは、ある程度の短期的な不利益を前提にして、技術進歩を進めるという社会の合意を形成することだ。……」など。



大学受験作文の解説集(法学)




 第一段落は、要約のように、生物進化論が社会科学に与えた影響を説明する。「生物界における適者生存・自然淘汰という考えを、人間の社会における民族の適者生存にあてはめたり、人為淘汰を合理化したりする考えに発展させた」

 続けて、問題提起。「自然科学の成果は社会科学にも活用されるべきだが、無批判に社会科学に適用されると、かえって人間社会を否定する要因となる」

 第二段落は、その原因。「自然科学には価値観がないが、社会科学には、人間にとっての幸福とは何かという価値観がある。その価値観と自然の法則を結びつけるのが社会科学者の役割である。また、科学的真理というものも、常にその時代の認識に制約された一面的な真理である。天動説が地動説に取って代わられたように、ある時代に絶対的な思われた思想も、時代の変化とともに変化する可能性がある。このような自覚を持たない社会科学者及び社会科学の方法論に問題がある」

 第三段落は、対策。「第一に、社会科学に志すものは、自然科学も確実に学ぶ必要がある。自然科学に無知であることが、ある意味で自然科学への盲信を生み出す。例えば、社会科学者がダーウィンの進化論を正確に消化していれば、その限界にも気づいたはず。第二に、科学的理論よりも、人間の生きている現実に目を向ける必要がある。理論は現実に生かしてこそ価値がある」

 第四段落は、反対理解とまとめ。社会科学(法学)を志すひとりとしての反省を含めて論じよう。



 内容よりも、論旨が一貫していればよい。
 第一段落は、状況実例と意見。「現在、クジラやイルカにも人間と同じような生きる権利があることを認めようという考えが生まれている」など。「私は、……と思う。」
 第二段落は、理由1。「その理由は第一に、人間以外の生物にも生きる権利を認めることが、人間の権利を守ることにもつながるからだ。例えば、クジラやイルカに同情を持つ心は、人間の弱者に同情を持つ心につながっている(という話を具体的に)」など。
 第三段落は、理由2。「第二の理由は、人間以外のものに人間と同じような権利を認めないことが、人間にとってもマイナスになるからだ。例えば、クジラやイルカが生存しにくい世界は、人間にとっても決して住みよい世界ではない(という話を具体的に)」など。
 第四段落は、反対理解と意見。「確かに、人間よりも環境が大事とするような行き過ぎた考えにならないように注意する必要はある。しかし……」。



 内容:隣人間でもめごとがあった場合、日本では裁判に持ち込むようなケースは少ない。これは隣人間の問題が話し合いで解決するのが難しいということと、弁護士の存在が市民から遠いことによる。しかし、地域のコミュニティが崩れ、共通の社会ルールも少なくなり、調整のメカニズムも働きにくくなった現代社会では、裁判などの公的な解決の場を利用するのもやむをえなくなりつつある。
 解説:米国は、契約と訴訟の社会だと言われています。日本の社会も、世界の基準に合わせて次第に契約や訴訟などを取り入れるようになりました。しかし、ドライな割り切り方は、ウェットな人間関係を重視する日本人にはやはり苦手なようです。「どうすべきか」というかたちの意見にして、そのための方法を考えていきましょう。
 第一段落は、実例と意見。「地域のコミュニティが崩壊しつつある中で、隣人間のもめごとが起こった場合、日本では裁判でドライに決着をつけるという習慣がない。今後、外国人の移民が増え、異なる文化を持つ隣人が増えれば、もめごとは更に多くなると考えられる。このような状況で、私たちはどのようにしていくべきか」など。
 第二段落は、方法1。「そのために大事なことは第一に、もめごとを恐れないということだ。利害の対立はどの社会でもある。それが異なる価値観に基づく対立であれが解決が困難であることは当然だ。しかし、これから地球は、好むと好まざるにかかわらす一つの家族のように運営していかなければならなくなる。隣人間のもめごとのこの大きい文脈の中で考える必要がある。その点で、裁判のような解決法はひとつの参考になる。例えば……」など。 
 第三段落は、方法2。「第二の方法は、もめごとを恐れないと同時に、それを避ける工夫を社会の仕組みとして作っていくことだ。日本の社会は、相互の思いやりの中で運営されている面が強い。自己主張をぶつけあい論争で利害の対立を克服するという文化とは程遠い文化を持つ。そのような日本の社会に、大量の外国人が移民として入ってくれば摩擦は大きくなる。その摩擦を緩和するのは、個人の力ではなく政治の力によるものだ。だから……」など。
 第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、人間の社会は対立を通して進歩してきた面がある。互いによりよい生活を目指していれば、その中で利害の対立が生まれることはやむを得ない。しかし、その対立をできるだけ少なくするのが人間の知恵である。私たちは……」など。



 実例があまり書けない分野なので、説明だけで800字書く力をつけておくこと。
 法律に関する用語を使えるように、岩波新書などで法に関する本を読んでおくこと(図書館を利用するとよい)。
 結びの5行に、自作名言を入れられるとなおよい。

 法学部で出た問題なので、やや主観的な価値観が出ている。Bに賛同する立場の方が求められている。
 複数の理由と反対理解でまとめ、そこに資料のキーワードである「審判」などを入れる。

 第一段落は、裁判員制度の簡単な説明と自分の意見。「裁判員制度は、有権者から選ばれた裁判員が裁判官と並んで刑事事件の審理に参加する制度である。私は、裁判員制度は、審判の神聖さを回復するというBの意見に賛同する。」など。
 第二段落は、理由1。「その理由は第一に、裁判に市民の日常感覚を反映させることができるからだ。裁判官は確かに、専門的な知識を持っている。しかし、そのために市民の日常感覚とずれる判断を下す化膿性がある。そのときに、市民から選ばれた裁判員が……」など。
 第三段落は、理由2。「また、第二の理由は、私たち有権者が、司法に対する理解を深めることができるからだ。日本では特に、司法の世界は日常生活から縁遠いものになっている。しかし、刑事事件の対象となるような出来事はいつでも起こりうる。そのときに、市民が裁判というものに対する理解と関心を持っていれば、司法の仕組みが日常生活に結びつく形で……」など。
 第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、刑事事件に一般の市民が参加を強制されることに対する不満も多い。また、裁判の制度を工夫するよりも、そのような裁判を必要としない治安のよい社会を作ることが先決だという考えもある。しかし、選手が審判の立場を知ることは……」など。




 法というものを抽象的に考えるのではなく、権利のぶつかり合いという現実や、裁判所という実務の場面と関連させて考える必要があるという内容。
 複数の方法で考えていくとよい。

 第一段落は、説明と意見。「日本では、法というものはそれほど身近な話題ではない。しかし、多くの人は、法という概念や、法と権利の関係は心得ている。しかし、その理解はまだ抽象的な段階にとどまり、法の現実の適用場面である裁判や裁判所との関連で考えられることはきわめて少ない。私たちは、法と権利と裁判所をばらばらに考えるのではなく、それらをひとつのものとして考えるべきではないだろうか。」など。
 第二段落は、その方法1。「そのためには、第一に、法を権利との関係で具体的に考える機会を教育の場で作っていく必要があるのではないか。日本の学校教育は、対立する意見の是非を論じるような学習機会が少なく、与えられた知識を吸収する面が多すぎるように思う。例えば、ディベート授業などで……」など。
 第三段落は、方法2。「第二には、市民が裁判や裁判所を身近に感じる機会を作る必要がある。その点で、現在制度化されている裁判員制度はさまざまな賛否はあるものの……」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、日本の社会では、これまで、法律で決着をつけるよりも人間関係のつながりを優先することが多かった。しかし、これからの国際化の進展で日本の社会でも、利害の相反する権利が衝突する場面が多くなってくることが考えられる。だから……」など。



 二つの意見のどちらかを選び、その理由を複数書く形か、二つの意見のそれぞれを生かし総合化する形で書く。(どちらかひとつを選択した方が書きやすいが、解説は総合化する形)

 第一段落は、現状の説明。「法令や規則と人間としての常識が対立する例は日常生活でもしばしば見られる。今の世の中にあるさまざまな規制は、当初は弱者の保護のために作られたものであっても、年月がたつうちにその保護によって生まれた既得権を守るだけの古い制約になっていることもある。例えば、今は便利に利用されている宅配便なども、普及する前は官庁からの制限を克服することが最も大きい課題だったと言われている。……」など。
 第二段落は、意見A。「確かに、法令や規則を守ることは大切だ。それは、逆に法令や規則でなく情実で社会が運営されている国の例を見ればわかる。そういう国では賄賂がなければ物事がスムーズに進まないことも多い。……」など。
 第三段落は、意見B。「しかし、社会の常識をもとに考えるということも大切だ。日本の社会の暮らしやすさは、法令や規則の間を埋める思いやりの豊富さによっている。例えば……。」など。
 第四段落は、総合化でまとめ。「このように考えると、法令や規則と人間としての常識は、必ずしも対立して考えるものでもない。法令や規則が完備している社会でこそ、人間の常識が生き、逆に人間の常識に支えられているからこそ、法令や規則が生かされる、という関係にあるのである。私はこれから……」など。



 要約は略。

 第一段落は、説明。「制度や法律は、その国の文化や歴史と深く関わっている。形の上で唱えられている理念と実際の運用にしばしば大きな差があるのはこのためだ。例えば、日本の現代の社会の出発点の一つは明治維新であり、もう一つは終戦である。この二つの時代の歴史を見ることが、現代の問題を探る手がかりになる。
 現代の内閣総理大臣の権限というものを考えると、私は、問題点は二つあると思う。……」など。
 第二段落は、展開1。「第一は、総理大臣の権限は法的にはかなり強いものであるにもかかわらず、歴代の総理大臣は必ずしもその権限を十分に発揮してリーダーシップを取ってきたとは言いがたいということだ。その文化的背景には、明治時代に最初に生まれた総理大臣が、各大臣の調整役としての役割を期待されていたことがある。……この対策は、内閣総理大臣がリーダーシップを発揮する前例を作っていく以外にない。……」など。
 第三段落は、展開2。「第二は、各大臣が、国政全体を考えるよりも、それぞれの省の利益を優先する傾向があることだ。現代でも族議員と呼ばれるように、特定の利益団体と結びついた議員は多い。特に、今日では選挙による洗礼を受けない官僚システムが根強い権限を持っているため、それぞれの大臣も、官僚のシナリオどおりに動く形になりやすい。……この対策は、国民の意思で選ばれた国会議員こそが主権者の代表であるという当然のことを一歩ずつ実現していくしかない。……」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、伝統にはそれなりの合理性もある。日本の社会が激しい社会的摩擦がなくゆるやかな変化を実現してきたのは、法律とは違う文化的な緩衝機能があったからだ。それは、時には裏取引とか談合とか呼ばれるものであったかもしれないが、その隠れた文化的役割を否定することは現実的ではない。しかし、今日の国際社会は、大きな変化の時代を迎えている。これまでのように、アメリカに依存していれば済む時代は終わった。だとすれば、日本には、いま強力なリーダーシップを取る人材が求められていると言えないだろうか。それは、人物であると同時に、もう一つそういうリーダーシップを生み出すことのできる制度でもある。……」など。



 社会問題(又は予測問題)→原因→対策→まとめ、という流れで考えるとよい。
 どのような意見になってもよいが、要は構成が明確で理路整然と書かれていることが大事。独創性は必要ない。

 第一段落は、説明(予測問題)。「家事労働におけるケアの倫理は、市民社会における正義の倫理とは異なるものとされ、主に家事労働に従事する女性は、公的な政治の場から排除される傾向にあった。しかし、ケアの倫理における特定の個人に応える姿勢は、これからの国民国家にむしろ必要とされるものかもしれない。このように筆写は述べている。確かに、現代の社会においてケアの倫理と正義の倫理は接近する傾向にある。公共の利益のためと言っても、個人の権利が侵害されることは滅多にない。しかし、そうは言っても、ケアの倫理と正義の倫理はやはり別のものであり、この二元論の対立は今後も続くと思われる。……」など。
 第二段落は、原因。「それは、ケアの倫理が対象とするものと、正義の倫理が対象するものとが異なるからだ。政治の大きな原理が『最大多数の最大幸福』であるとするならば、その最大の枠から落ちこぼれる個人は必ずいる。例えば、大掛かりな公共事業のために立ち退きを迫られた家は、最大多数の中に含まれるとを考えられてはいない。……」
 第三段落は、対策。「対立は、正義の倫理が主で、ケアの倫理が従であるとする前提から来ている。日本の社会は、家族主義だと言われる。つまり、公であるべき企業や国家自体が、ひとつの家族のように機能しているる面がある。この家族の中においても、当然正義の倫理はある。それは、個人の家庭の中でもルールが決められているのと同様である。しかし、ケアの倫理が主である以上、正義の倫理としてのルールは、個人に対立するものとしては受け止められていない。……」など。
 第四段落は、まとめ。「ケアの倫理と正義の倫理の対立は、今後は少なくなる傾向にある。それは、個人の人権意識が進歩していることと無縁ではない。しかし、どれだけ社会が進歩しても、両者の倫理の対立はなくなるわけではない。大事なことは、ケアの倫理を中心とした社会、つまりどのような個人も、自分が社会から守られていると感じる社会を作ることで、両者の対立を解消することではないか。……」など。


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