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中学受験作文の解説集(言葉)




問題1、2、3は略。

 これらの問題が正確に書かかれていることが、問題4の評価の前提になる。



問題4

 複数の意見と総合化の主題で考える。

 第一段落は、説明。「言葉は時代とともに変化する。その変化によって、従来のニュアンスと違うものや場合によっては正反対の意味となるものも出てくることがある、しかし、大きく見れば、このような言葉の変化は、止められないものだと思う。……」など。

 第二段落は、意見A。「確かに、言葉を本来の意味で使い続ける工夫は大切だ。そのためには、さまざまな言い換えの仕方を考えるような努力も必要になってくる。例えば、『材料選びにこだわる』などという言い方はよくするが、『こだわる』を悪い意味で考える人にも抵抗ない言い方にするには、『材料選びに心をくだいた』『じっくり取り組んだ』『心を配った』などいろいろな言い方ができる。……」など。

 第三段落は、意見B。「しかし、言葉の変化によって、日本語がより豊かになっていく面もある。『こだわる』という言葉にしても、従来の悪い意味だけでなく、新しくよい意味でも使われるようになることで、『こだわる』という言葉の世界が豊かになったと考えることもできる。少なくとも、言葉の変化を法律などで取り締まれない以上、言葉の変化をむしろ言葉が生きている証拠と肯定的に見ることも大切だ。……」など。

 第四段落は、総合化のまとめ。「このように考えると、大事なことは、言葉の変化がよいか悪いかということではなく、私たちがどういう言葉の変化を作っていくかということであるように思われる。よりよい変化を作っていくためには、私たち自身が言葉というものに対して敏感でなければならない。言葉とは、……ではなく……なのである。……」など。



 第一段落は、説明と意見。「人前で堂々としゃべれることは大切だ。しかし、上手な話ができるということは、中身のない『話だけがうまい』ということにも通じる。しゃべる力を、言い訳のようなことに使わず、自分の考えを伝える本来の役割として使えるようになりたい。」など。
 第二段落は、方法1。「そのためには、第一に、しゃべる力よりもまず実行する力をつけることだ。いい意見を言うが行動しない人と、口数は少ないが行動する人がいた場合、私たちは行動する人の方を尊敬する。ライト兄弟は、スピーチが苦手だったらしい。初めての飛行に成功したあとの新聞社のインタビューで、自分がうまくしゃべれないことを知っていたので、『飛べないオウムはよくしゃべる』と言って済ませたらしい。たとえ話がうまくなくても、実際の行動や成果があれば、周囲の人は納得する。私も……」など。
 第三段落は、方法2。「しゃべる力を正しく使うために大事なことの第二は、いつも自分をふりかえることだ。そして、自分が間違っていると思ったら、上手な言い方でごまかすのではなく、正直に謝る勇気を持つことだ。先日、私は何かの勘違いで先生に叱られた。私は、あとから考えてやはりおかしいと思ったので、先生に事情を話に行った。すると、先生はすぐに謝ってくれ、おまけに引き出しの中にあったお菓子まで私にくれた。私はその正直な対応を見て……」など。
 第四段落は、まとめ。「人間にはしゃべる力がある。しゃべる力によって、互いに協力したり、よりよい意見を作ったりすることができる。しかし、そのしゃべる力が同時に、ごまかす力になることもある。私はこれから……」など。



 第一段落は、説明。「日本語は同音異義語が多いため、話し言葉は、本来の意味とは違う意味で受け取られることがある。」など。

 第二段落は、実例1。「例えば、私が小学1年生のとき、歌の歌詞で「その横顔に」というところを、「その横が鬼」を聞いていたことがある。自分なりに違和感が合ったがそうとしか聞き取れなかったので、そのままイメージを持つようにした。しかし……」など。

 第三段落は、実例2。(字数が短くてよい場合は第三段落は省略してよい)「また、父に聞いた話だが、父が外国の人と一緒に仕事をしているとき、擬声語のニュアンスがなかなか通じないということだった。例えば、川がさらさら流れているという表現と、川がちょろちょろ流れているという表現のニュアンスを伝えにくいということだった。」など。

 第四段落は、一般化の主題でまとめ。「言葉は、人間どうしのコミュニケーションの手段として役立つものだ。しかし、その言葉によって誤解が生じることもある。私はこれから……」など。



 課題1と課題2を合体させて説明。



 第一段落は、説明(火と煙を使って)。「文章を書くためには、書くための中身があることが必要だ。中身という火があってこそ、文章という煙が出てくるからだ。私も作者の意見に賛成で、文章を書くにはまず書くべき内容があることが大切だと思う。」など。(賛成意見を中心に。しかし、「わたしもそう思う」のように指示語では書かない。また、できるだけ同じ言葉を使わないように表現を工夫する)

 第二段落は、方法1。「そのために大事なことは第一に、いつも問題意識を持って物事を見ることだ。同じものを見ていても、観察力のある人は詳しく表現することができる。例えば、1年前、遠足に行ったときの思い出をクラス全員で作文に書いたことがある。すると……」など。

 第三段落は、方法2。(字数が短くてよい場合は第三段落は省略してもよい)「書く中身を作るために大事なことの第二は、気がついたことがあったらすぐにメモをとる習慣をつけておくことだ。私は、小さいころ忘れ物が多かったので、父から言われてできるだけメモをとるようにした。すると、いつかそれが習慣になり、今ではすぐにメモをとることができるようになった。先日、あるテーマで作文を書くときに、そのメモが役に立った。……」など。

 第四段落は、一般化のまとめ。「文章を書くということは、これからだんだん必要になってくると思う。情報化時代には特に、文章によるコミュニケーションが大事なるからだ。しかし、その文章を書くためのいちばんの準備は、書く材料を用意することだ。私はこれから……」など。


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