国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。



高校受験作文の解説集(社会)




 最優先のものと考えるよりも、自分が予備知識を持っていて論じやすいものを再優先のものと考えるとよい。



 第一段落は説明。「私が現代の社会で再優先に取り組むべきだと考えるのは、インターネットが普及した世界における人間の生き方だ。インターネットは便利な面もあるが、同時に社会にマイナスの面も生み出している。そのマイナスの面を克服することがこれからの社会の課題である。」など。

 第二段落。方法1。「第一に大切なのは、ネット上の生活と現実の生活とのバランスを取ることだ。今日では、ほとんどすべての情報がネットで手に入るため、自分の目で見、耳で聞く情報がおろそかになる面がある。私は、自分で調べたい事があるときは、ネットの情報を調べるのはもちろんだが、それ以上に人に直接聞くようにしている。」など。

 第三段落は、方法2。「第二に、デジタルデバイドに対する対策を進めることだ。インターネットがこれほど普及していても、世の中には、老人や弱者、ネット環境のない人などもまだ多数いる。それらの人と、ネットを自由に利用できる人との格差を縮めることが重要だ。デジタル利用の格差をなくすためには、学校教育の中でもネットを使う方法を教えていく必要がある。私はよくパソコンの使い方の新しい情報を知ると、父や母に教えて感謝されている。」など。

 第四段落は、まとめ。世界には、さまざまな問題がある。ネット環境の活用もそのひとつだ。ここで大事なことは、課題を論じるだけでなく、その課題を解決していくのも私たちの役割だと考えることだ。私はこれから……。」など。



問1は略。

 1文を50字と考え、150-200字なら3、4文でまとめる。

 日本の青年は、友達との友情を重視し、一般的・基礎的教養を身につけることを、他の国と比べるとあまり重視していない、など。



問2

 第一段落は、説明。「日本の青年は、他の国の青年と比べると、学校に通う意義として友達との友情を挙げる人が多い。一方、教養を身につけるという意義は、相対的に低い。これだけを見ると、日本の青年は、学校に勉強をしに行くのではなく友達と遊びに行くと否定的に受け取れるかもしれない。しかし、内田樹氏の述べるように、人間は自分が学ぶことのできるものしか学ばないと考えたらどうだろうか。……私は、学校に通う意義は、ただ勉強を身につけるだけでなく……ではないかと思う。」など。

 第二段落は、方法1。「そのためには第一に、学ぶということを幅広く考えることだ。私は、ロボット作りに関心があり、学校の定期テストの最中でも、気になる展示会などがあると見に行くにようにしていた。それは、学校の成績にはプラスにはならなかったが、大きな視野で見ると、……」など。

 第三段落は、方法2。「第二には、今の学校のあり方を、受験のための予備校のようなものではなく、もっと余裕のあるものにすることだ。そのためには、現在のインターネットの技術はもっと活用されてよいと思う。既にアメリカでは、誰でもが無料で自由に学べる優れた教材や授業がインターネットさえあれば手に入るようになっている。……」など。

 第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、学校の本来の意義は、これまでの人類の知的遺産を次世代に伝えていく場である。しかし、私たちは、そのような枠にとらわれることなく、自分自身を成長させてくれるものを幅広く考えていく必要がる。私はこれから……」など。



問1は略。
 自分が自主的に判断しているつもりでも、他人からの影響を無意識のうちに受けていることが多いということが書いてあればよい。

問2
 第一段落は、説明。「人間は、周囲の人の影響を受けやすい。(A)の文章に見られるように、アメリカの心理学者の実験によると……。だから、(B)の文章にあるように、私たちは、真実は多面体なのだと自覚する必要がある。」など。
 第二段落は、意見A。「現代のメディア、大きな影響力を持っている。特に、日本では、新聞、テレビ、広告などのメディアが数社に絞られているため、報道も自然に横並びのものになりやすい。このため……。しかし、これは国民の意識を一つの方向にまとめるのに役立っているとも言える。例えば、禁煙運動や、ゴミの分別収集は、日本では急速に普及した。……」など。
 第三段落は、意見B。「しかし、このことがマイナスに作用することもある。それは、多様な少数意見が出にくくなることだ。これからの社会では、誰もが創造的に自分の仕事に取り組むことが必要になってくる。そのためには、多様な意見を許容する社会であることが前提にある。幸い、インターネットでは、玉石混交であるとは言うものの、これまでのマスメディア中心の社会では表に出ることのなかったであろう意見が次々と知られるようになっている。……」など。
 第四段落は、総合化の主題でまとめ。「このように考えると、大事なことは、メディアの側にあるのではなく、それをどう受け止めるかという私たちの姿勢の中にあることがわかってくる。私は、これから……」など。



問一は略。
 150字を目安に、3文程度ですばやくまとめる。

問二
 「生きるために必要なもの」は反対理解の第四段落に。
 「文化」「遊び」のキーワードは、それぞれ第二、第三段落に、というふうにあらかじめ見通しをつけておく。
 第一段落は、説明。「世の中には、余分に見えるものも多い。しかし、その余分なものによって、私たちの心は豊かになり……」など。
 第二段落は、実例1。「その例の一つに、噴水がある。噴水の水は、飲むためのものでもないし、畑を潤すためのものでもない。強いて言えば、文化のための水と言ってもよいのではないだろうか。私たちは、噴水を見るときに、その経済的役割よりも、文化的役割を……」など。
 第三段落は、実例2。「もう一つの例は、音楽だ。(スポーツでも、ファッションでも何でも可)……。そこに流れているものは、仕事に役立つ何かではなく、むしろ遊びの精神だ。……」など。
 第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、生きるために必要なものは、人間社会の土台である。しかし、人間は、必要なものだけで生きているのではない。余分なものがあるということは、その余分なものを通して、相手に喜んでもらいたいという気持ちがるということだ。そういう互いの思いやりによって、人間社会は豊かになってきた。……」など。


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